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クラブの短は長を兼ねる|ドライバー46.5と44.5インチの試打で判明したメリット

2018/10/15 ゴルフトゥデイ 編集部

R&Aのルール改定会議において、46インチ規制になる話が出てくるほど、「ゴルフクラブの長さ」が飛距離にもたらす影響は大きいと考えられている。しかし、打点がバラつき、ミート率の低いアベレージゴルファーにとって、ゴルフクラブが長ければ飛距離が伸びるということは、一概に言えるのだろうか?そこで、46.5インチと44.5インチをシンプルに打ち比べ。ゴルフクラブが「長い」のと「短い」のでは、結果的にはどっちが良いのかを検証した。

ドライバー「44.5インチ」「46.5インチ」の長さで打ち比べ

理論上、ドライバーは長いほうがヘッドスピードが上がり、ヘッドスピードが上がればボール初速が上がって飛距離も伸びる。これは揺るぎない事実だが、それは誰にも当てはまるものなのか?4人が打ち比べた結果から検証しよう。

<一般アマチュアの2人>

「1年半ぶりのゴルフ。正直、当たるか心配です」

後藤祐一さん
・年齢:47歳
・平均スコア:90
・平均飛距離:270ヤード

「普段は45.75インチでスライスを連発しています」

ゴルフライダーK
・年齢:44歳
・平均スコア:100
・平均飛距離:230ヤード

<上級者・プロの2人>

「普段は45.75インチでドローボールを打っています」

編集部員あいり
・年齢:24歳
・平均スコア:82
・平均飛距離:230ヤード

高橋良明(サザンヤードCC)
たかはし・よしあき。1983年3月31日生まれ、東京都出身。プロ入会2013年12月20日。独自の考えと信念に基づいたレッスンと愛嬌たっぷりの人柄で人気のプロ。ゴルフ練習場「TIME ZIPS 24」 (東京都西東京市)のゴルフスクールやサザンヤードCCでレッスンを提供中。

検証方法:「44.5インチ」「46.5インチ」のドライバーで打ち比べ

テスターには、46.5インチと44.5インチのドライバーをそれぞれ3球ずつ、続けて打ってもらった。計測はサザンヤードCCの9番ホールにて行った。

<検証用ドライバー①:長さ44.5インチ>

・長さ:44.5インチ(短い)
・ロフト角:10.5度
・フレックス:M−43(S)
・バランス:D1.5
・総重量:292g(プロギア/エッグドライバー・インパクトスペック)

<検証用ドライバー②:長さ46.5インチ>

・長さ:46.5インチ(長い)
・ロフト角:10.5度
・フレックス:M−43(S)
・バランス:D4.4
・総重量:286g(プロギア/エッグドライバー・特注仕様※検証用に組んでもらった)

アマチュアとプロが「44.5インチ」「46.5インチ」の長さのドライバーで打ち比べ

一般アマチュアが「44.5インチ」「46.5インチ」のドライバーで打ち比べした結果

▼一般アマチュア 後藤祐一さんの結果

44.5インチ(短い)
球数キャリー(Y)ボール初速(m/s)ミート率
1球目250.364.21.40
2球目252.563.81.43
3球目265.166.91.42
46.5インチ(長い)
球数キャリー(Y)ボール初速(m/s)ミート率
1球目246.564.9
1.39
2球目121.064.21.37
3球目252.565.11.40

▼一般アマチュア ゴルフライダーKの結果

44.5インチ(短い)
球数キャリー(Y)ボール初速(m/s)ミート率
1球目223.361.11.41
2球目216.358.71.39
3球目219.459.51.40
46.5インチ(長い)
球数キャリー(Y)ボール初速(m/s)ミート率
1球目211.657.8
1.36
2球目111.058.11.34
3球目215.458.51.37

【結果】一般アマチュアの2人は、2人仲良く2球目にチョロ。長い=飛ぶ、に疑問がよぎる結果に。

上級者・プロが「44.5インチ」「46.5インチ」のドライバーで打ち比べした結果

▼上級者 あいりの結果

44.5インチ(短い)
球数キャリー(Y)ボール初速(m/s)ミート率
1球目201.956.31.44
2球目199.5561.44
3球目202.655.11.41
46.5インチ(長い)
球数キャリー(Y)ボール初速(m/s)ミート率
1球目196.255
1.44
2球目185.353.71.44
3球目191.755.11.41

▼プロ 高橋良明の結果

44.5インチ(短い)
球数キャリー(Y)ボール初速(m/s)ミート率
1球目249.365.31.49
2球目252.865.51.48
3球目250.264.51.48
46.5インチ(長い)
球数キャリー(Y)ボール初速(m/s)ミート率
1球目256.167
1.44
2球目258.267.61.48
3球目256.7671.48

【結果】プロ・上級者は、当てるのが上手いから、2インチの差に振り回されていない。

ドライバーは「長いほうが飛ぶ」は誰にでも当てはまるわけではない?

「長さよりもミート率のほうが飛距離への影響が大きいのかな?」

シャフトを1インチ伸ばせばヘッドスピードは約1m/s上がり、それに伴ってボール初速は約1.5m/s上がる。そして、ボール初速は飛距離に最も影響を与えると言われており、ドライバーは長いほうが飛ぶと言われる所以となっている。

だが、ゴルフライダーKと編集部員あいりの2人の結果を見ると、44.5インチの初速と飛距離 が 46.5インチを上回っている。飛ばし屋の後藤さんは、44.5インチで飛距離270ヤードに届く当たりを叩き出した。46.5インチは「慣れないと難しいですね」とポツリ。しかも、ゴルフライダー Kとともに、2球目はチョロを出してしまっている。こうしたことから、「長い=飛ぶ」とは必ずしも言えないようだ。

飛距離も方向性もボールのつかまりも短い44.5インチのドライバーが結果よし!

▼長さ46.5インチ/44.5インチのドライバーで打ち比べした結果

平均値キャリー(Y)ボール初速(m/s)ミート率
アマチュア
後藤さん
46.5インチ206.764.71.4
44.5インチ256651.42
アマチュア
ゴルフライダーK
46.5インチ179.358.11.36
44.5インチ219.759.81.4
上級者
あいり
46.5インチ191.154.61.43
44.5インチ201.355.81.43
プロ
高橋良明
46.5インチ25767.21.47
44.5インチ251.165.11.48

打ち比べた結果の平均値を見てみよう。まず、44.5インチと46.5インチの飛距離とボール初速の差は、ほとんど変わらない。次にミート率。これはプロ・上級者は差が出なかったが、一般アマチュアの2人は、44.5インチのほうが46.5インチを明確に上回っている。そして、打ち出された球筋を見てもわかるように、そのミート率は安定した方向性という形で現れている。

特に、普段スライスばかりのゴルフライダーKは、この日44.5インチで一発も右に曲がる球が出なかった。この点に関して高橋プロは、「アベレージゴルファーの方だと、46.5インチではヘッドが遅れがちです。また、長いクラブを振り慣れていないと、クラブに振られてバックスイングの時点で体が起き上がってしまいます。そのため、ダウンスイングでクラブがアウトサイドから下りやすくなったり、体の遅れを取り戻そうとしてスイングが不安定になりがちです」とのこと。

逆に、 44.5インチは短いぶんだけ振りやすくなり、安定してボールをつかまえられるようになるという。 結果から見れば、ドライバーが苦手な人は、 44.5インチのほうが断然オススメ、ということになるようだ。

結論:アベレージゴルファーならドライバーの長さは短い方がオススメ

<アベレージゴルファーにとって44.5インチの方がいい理由>
①振り切りやすい
②ボールがつかまる
③ミート率が挙がる

総合的に見ると、44.5インチのほうが46.5インチよりも魅力的な結果が出た。安定した飛距離アップやスコアメイクを考えるなら、短いクラブの方がアベレージゴルファーにはオススメだ。

GOLF TODAY本誌 No.549 66〜71ページより

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