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ゴルフ・シングルに学べ!得意クラブの選び方と使い方のコツ|100人徹底調査

2018/10/15 ゴルフトゥデイ 編集部

ゴルフのシングルプレイヤーとなかなかシングルになれない人の違い。その違いは、スイングやマネジメントだけでなく、使っているクラブにもある!そこで、シングルプレイヤーたちのクラブに対する考え方を大調査!!得意クラブを作る秘訣を調査した。

シングルプレーヤーはスコアメイクに直結する番手を得意クラブにする

まずは全国大会の常連アマに得意クラブを聞いてみた。スコアメイクに直結するのはショートゲーム、すなわちパターやウェッジ。自分の長所と短所を知り尽くしたベテランたちは、ショートゲームを磨く一方で、それぞれのプレースタイルに合った得意クラブを持っている。

中でもパターに次いで使用する回数の多いドライバーや、2打目で使用するウッドやユーティリティに重きを置いているシングルプレーヤーも多い。グリーンの近くにボールを運んで、ショートゲームと噛み合えばスコアメイクはたやすい。

シングルプレイヤー太田さんの得意クラブ:ドライバー

太田智喜さん(46歳/HC +1)
「パターも大切ですが、朝一番に打つのも、ほとんどのホールで最初に打つのもドライバー。ドライバーが曲がらなければ、いいリズムを作っていくことができ、あとのショットもラクになります」

2016年モデルの「M2ドライバー」を鉛で調整して、さらに得意な1本に仕上げている。

1番ウッド(ドライバー)の極意:トップはできるだけ深く!
肩とクラブを思い切り深く回す。「ヒネりが浅いと手を使ってしまいます。ヒネりが深いほど方向性がよくなって曲がりません」。さらに、リキミをなくせば、“クラブが同じ道を通る”ようになる。

シングルプレイヤー澤田さんの得意クラブ:ユーティリティー(30度)

澤田信弘さん(55歳/HC 0.3)
「昔はアイアンが切れていましたが、最近は球が上がらなくなってきたので、代わりにUTを磨いています。30度、27度、24度はピンに向かって打ちたいので、グースが少なく高さが出るクラブを選んでいます」

最初は大きめのロフトで練習した方が、上げにいく動きが入りにくく、正しいスイングが身につく。

ユーティリティーの極意:短く持てばミートさせやすい
ユーティリティはアイアンよりも長く芯に当てるのが難しいが、短く持てばミート率を上げられる。

シングルプレイヤー吹野さんの得意クラブ:サンドウェッジ

吹野耕一さん(51歳/HC 0)
「かっこいいからとバンスを目一杯落としたウェッジを使っている人もいます。ですが、練習時間の限られたアマチュアはできるだけバンスを利用した方が大きなミスがなくなり、カップに寄る確率は高くなります」

少し削っているがバンス角は落としていない。最適なバンスを見つけることがサンドウェッジ上達の近道だ。

サンドウェッジの極意:フェースは少し開き目に構える
フェースをかぶせると引っかかりやすいので、少し開き目にして構える。ライによってはさらに開く。入射角を浅めにして、手前から滑らせるようなイメージでヘッドを入れる。

「フェースを開き気味にしてヒール側からヘッドを入れるとバンスを使ってやさしく球を拾えます」

シングルプレイヤー100人に聞いた!!「一番得意な番手は何?」

今回は10代から70代までの競技志向のシングルプレーヤーを対象に、得意クラブと自分のスイングの基準として一番練習しているクラブについて調査を行った。

Q1.一番得意なクラブは何番ですか?

・1W…11人
・2W/3W…4人
・5W…1人
・7W/9W…2人
・UT…4人
・2I/4I…2人
・5I…2人
・6I…3人
・7I…4人
・8I…6人
・9I…3人
・アイアン全般…2人
・PW…7人
・AW…9人
・SW…21人
・パター…10人
・とくになし…9人

Q2.一番よく練習するクラブは何番ですか?

・1W…4人
・3W…1人
・5W…3人
・7W…1人
・5I…4人
・6I…5人
・7I…16人
・8I…9人
・9I…10人
・PW…6人
・AW…9人
・SW…11人
・パター…2人
・とくになし…19人

シングルさん100人、答えてくれたのはこんな方々

<ゴルフを始めた年齢>
・10歳未満…8人
・10代〜…38人
・20代〜…35人
・30代〜…17人
・40代〜…2人

10代が最も多く、次が20代。中学・高校に入ってから、もしくは社会人になって始めた人が多い。

<シングルになった年齢>
・10代〜…34人
・20代〜…23人
・30代〜…35人
・40代以上…8人

ジュニアからは始めた人は集中的に練習するため上達が早く、ほとんどが10代のうちにシングルの腕前に。

<シングルになるまでの年数>
・1年以内…12人
・2年以内…9人
・3年以内…9人
・4〜5年…19人
・6〜10人…36人
・11年以上…15人

一番早い人は、23歳で始めて半年でシングルになった春日井修さん(73歳、HC+2)。一方、20年以上かけてシングルになった人も2人いる。

<シングルになった頃の年間ラウンド数>
・〜20回…16人
・〜40回…25人
・〜60回…30人
・〜80回…12人
・〜100回…10人
・〜100回以上…7人

もっとも多いのは年間50~60ラウンドくらい。週1ペースでラウンドすればシングルが見えてきそうだ。

<シングルになった頃の週間練習回数>
・しない…3人
・1日…13人
・2日…15人
・3日…15人
・4日…12人
・5日…12人
・6日…12人
・毎日…18人

毎日練習していた人が5人に1人。練習しなかった人はその代わりにラウンド数が多い。ゴルフに関して努力に勝る才能はない。

【得意クラブの作り方】自身の1本は苦手意識から生まれた

労なくして上手に打てるクラブだけが、得意クラブとは限らない。むしろ、苦手意識を克服するために練習したり、打ちやすいクラブを探したりした結果、得意クラブに出会うケースの方が多い。

得意の3W(スプーン)があればドライバー要らず!

アマチュアにとって一番難しいといわれている3番ウッドが得意という3人。全員に共通しているのはドライバーが苦手だったということ。打てない番手はその前後のクラブでカバーするのもありだ。

岩橋和輝さん(21歳/HC 1.8)
「最初の頃はドライバーが上手く打てず、ティショットで3番ウッドばかり使っていたら得意になりました」

風間智行さん(50歳/HC 0)
「ドライバーが下手で曲がってばかりいたから3番ウッドを練習しました。3番ウッドに絶対の自信があります」

高橋洋平さん(39歳/HC 3.4)
「ドライバーがあまりよくないため3番ウッドを多用します。曲がり幅が小さいので安心して振れます」

練習環境が得意クラブを作るケースもある

金子憲司さん(56歳/HC 3)

年季の入った「リンクスマスターモデル」はもはや手足のように扱える。

<金子さんの得意クラブ:サンドウェッジ>
「ボール代のかからないアプローチ練習場で打ち続けたらサンドウェッジが得意に。バンカーショットだけでなく、インパクトの作り方、ヘッドの走らせ方などすべてサンドウェッジで覚えました」

小木昌樹さん(56歳/HC 5)

ミスを減らすことが目的なので、難しすぎるウェッジを選ばないことが大切。

<小木さんの得意クラブ:サンドウェッジ>
「サンドウェッジで遊ぶのがおもしろく、ロブ、コロがしなどいろいろな打ち方をしていました。キャリーとランの感覚が一番出しやすく、1ヤードから85ヤードまでカバーするクラブ。使う回数も多く、よけい得意になります」

神 羊二さん(53歳/HC 2.6)

GSS削り出しの限定モデル「アドラーアルピナブレード」を新調したばかり。距離感の出しやすいパターを使うのも上達の秘訣。

<神さんの得意クラブ:パター>
「練習場には週3回しか行けなくても、パッティングなら自宅のパターマットでいつでも練習できます。毎日少しずつでもパターに触ることが大切。真っすぐに打つ練習をするだけで自信が持てるようになりました」

シングルプレイヤー100人に聞いた!!「そのクラブが得意になった理由」

苦手な番手を克服する。残りやすい距離を集中的に練習する。自分の練習環境に合わせて技を磨く。人それぞれの得意クラブを語ってもらった。

●宮本太朗さん(33歳、HC +1.7、得意クラブ:パター)
「始めた時は最も苦手なクラブでしたが、練習の仕方を工夫しました。体幹を意識するためにベッドの上で素振りをしたのが効果的でした。」

●一瀬英次さん(43歳、HC +3、得意クラブ:ドライバー)
「ゴルフを始めた時に遠くに飛ばすことが楽しくて、一番よく振っていました。」

●左近哲也さん(53歳、HC +3、得意クラブ:5番アイアン)
「5番からゴルフを覚えて、ティショットでも使っていました。ティアップするから芯に当てる感覚を覚えることができました。」

●原田英明さん(52歳、HC 0、得意クラブ:パター)
「他のクラブが下手だったので、1メートル先のボールに真っすぐ打って当てる練習をひたすらやりました。」

●前川政広さん(45歳、HC +1、得意クラブ:アプロー ウェッジ)
「いつもウェッジを持って遊んでいました。土の上で打っていたので、ライに関係なくきちんと当てられるようになりました。」

●村越元彰さん(41歳、HC +1、得意クラブ:サンドウェッジ)
「普段は練習しませんが、コースに行くといつも居残り練習をしました。芝の上から打てば早く上達できます。」

●松井源太さん(26歳、HC 1、得意クラブ:サンドウェッジ)
「小さい頃から距離が出なくて、グリーンに乗らなかったのでリカバリーを磨きました。」

●織田恒郎さん(54歳、HC +1、得意クラブ:2番アイアン)
「スクエアに振ってロフトを生かせば勝手にボールは上がります。フェアウェイををまず外さないので狭いホールや短いホールで有利です。」

●金田浩延さん(48歳、HC +1、得意クラブ:ドライバー)
「曲がるのを怖がらず振り切ること。スイングがこじんまりすると逆に曲がってしまいます。」

●和賀勇介さん(26歳、HC 0、得意クラブ:ドライバー)
「常に目標設定し、どこからどこまでの範囲に置くか、高さ、スピンにも注意します。練習でも現場に出たときのイメージを思い浮かべるようにしています。」

●白出高明さん(45歳、HC 1.6、得意クラブ:7番アイアン)
「練習場に150Yのグリーンがあったので、いつもその距離ばかり、狙っていました。」

●上田崇宏さん(40歳、HC +2、得意クラブ:4番アイアン)
「一番難しいクラブが打てれば、ほかの番手も打てるようになると思い練習しました。長いホールでパーオンできるのでスコアが作れます。」

●金澤 徹さん(47歳、HC 1.2、得意クラブ:アプローチウェッジ)
「アメリカにいたとき、練習場の100ヤード先に樽が置いてあったので、10発中何発当たるか、いつも遊び感覚で練習しました。」

●川口明浩さん(39歳、HC +2、得意クラブ:パター)
「練習ではL字やキャッシュインを使って、芯に当てたり、フェースを使いすぎないようにする練習。本番でピンやマレットを使えばやさしく打てます。」

●佐藤順さん(38歳、HC +1、得意クラブ:ドライバー)
「遠くに飛ばすのが気持ちいい。はじめから飛ばせと言われてビュンビュン振っていました。振り切るのがコツです。」

●遠藤孝さん(42歳、HC +2、得意クラブ:アプローチウェッジ)
「いつも行っている練習場のピンがちょうどアプローチウェッジのフルショットの距離にあり、徹底的に練習しました。」

●中川文彦さん(55歳、HC 0、得意クラブ:サンドウェッジ)
「若い頃は飛べばいいと思っていたが、グリーンを外すことが多く、100ヤード以内が上手くならないとダメと実感。サンドウェッジで上げたり転がしたりします。」

●塩月純生さん(38歳、HC 0、得意クラブ:9番アイアン)
「打って気持ちのいい長さ。振りやすくて、飛んだ距離や球筋がわかりやすいので一番練習しますね。」

トップアマ直伝の練習不足解消法!サンドウェッジで片手打ちドリル

社会人ゴルファーの悩みは練習時間が取れないこと。しかし、それを言い訳にしていたらいつまでも上達できない。月4回程度のラウンドとラウンド前の練習だけで昨年「日本ミッドアマ」初出場を果たした服部滋多さんに、片手打ち練習法を教えてもらった。

服部滋多さん(29歳/HC 1 )

<服部滋多さんの1本:サンドウェッジ>
サンドウェッジはフェースの使い方と体の動かし方を覚えるのに最適。

試行錯誤の末、14歳の時に考えつき、それから1年ほどでシングルになれたという速効練習は今でも習慣にしている。

「一番大事なのはビジネスゾーンなので、特にフルショットをたくさん練習する必要はありません。ラウンド前や練習の始めに心がけているのが、片手打ちのハーフショットです」

片手で打つ理由は、右手と左手、それぞれの使い方を意識するため。また、サンドウェッジを使うのは、インパクトが一番難しいクラブだから。

「9番アイアンや7番アイアンは、ダフってもそれなりに飛びますが、サンドウェッジは上から入るとスピンが増えたり、 手前に入ると飛びすぎたりして、きれいにヘッドが入らないと同じ距離を飛ばせません。一番難しいサンドウェッジで練習すれば、どの番手も良くなります」

服部さんが、もう一つ心がけているのはストレッチだ。

「デスクワークが多いので体が固まってしまい、以前は打ち始めても体が動くようになるまでに時間 をとられ、それだけで終わってしまうことも。そこで、朝起きたときと練習前にストレッチをするよ うにしたら、体がすぐに動くようになり、短い練習時間でも効果が 出るようになりました」

片手打ちのハーフショットを右左15球ずつ

「右手で打つときはフェースの向きやヘッドの入り方をイメージしてコントロールします。左手で打つときは、手と体を連動させて打ちます。すると、体の動きが良くなるんです。左右15球ずつ打ち終わったら、両手で持って打ち、上手く当たるかを確認しています」

ウェッジよりもロフトの立ったクラブでコロがせば距離感が出しやすい。

<服部さんのもう1本:9番アイアン>
「アプローチは距離感を合わせるためになるべく球を上げないようにしたいので、ショートアイアンのピッチ&ランをよく使います。一番よく使うのは9番ですが、番手は落としどころとピンの位置を見て、キャリーとランの比率で選ぶようにすれば迷いがなくなります。9番はキャリーとランが1対2、8番は1対3、7番で1対4を目安にしています」

体重を左足に乗せ、ボールを右のつま先に置いて構える。

球を低く出すために、帽子を斜めに深くかぶって打球を見ないようにする練習も効果的

通常のショットの構え(ややハンドダウン)

ソールが滑りやすいように、通常のショットのときよりハンドアップ気味に構える。

シングルプレイヤー100人に聞いた!!「一番練習するのはどのクラブ?」

シングルを目指すなら技術を上げると同じに調子を維持することも必要。上手な人はゲームで活躍する得意クラブのほかに、スイングチェックに使うトレーニングクラブを持っている。

川崎邦朗さん(45歳/HC 0)

<川崎さんの1本:6番アイアン>
ゴルフを始めた頃に一番練習した6番アイアンを今でもトレーニングクラブとして活用している。

「ティアップして、6番アイアンでしっかり芯に当てる練習をしています。上下運動が入ると芯に当たらないので、股関節からきちんと曲げて立つのがポイントです。ヒザだけを曲げると上下に動きやすくなります」

▼GOOD

▼NG

股関節とヒザの両方をしっかり曲げる。突っ立った姿勢や、ヒザだけ曲げるのは上下動のもと。

ティアップしたボールを打てばトップやダフリのミスを減らせる。

浅野大雅くん(10歳/ベストスコア 81)

長さ43インチのパーシモンドライバー。これを芯に当てられればいまどきの大型ヘッドはやさしく感じる。

浅野くんの1本:ドライバー
「練習用に買ってもらったヘッドの小さなドライバーで芯に当てるようにしています。小さいのに重いからゆったり振れて、打ち急ぐクセがなくなりました。遠くへ飛ばすのが好きで、たくさん練習したからエースドライバーでは200ヤード飛ばせるようになりました」

その他のシングルさんの一番練習するクラブ

●丸石勝也さん(46歳、HC 0、トレーニングクラブ:ピッチングウェッジ)
「振りすぎることがなく、タテヨコのブレが目視でチェックできる長さ。インパクトの感覚もよくわかります。」

●星山一也さん(40歳、HC 0、トレーニングクラブ:7番アイアン)
「ゴルフを始めた頃からスイングを作ってきたクラブ。長いクラブに違和感があるときも7番アイアンがしっかり打てるようになるまで練習します。」

●春日井修さん(72歳、HC +2、トレーニングクラブ:7番アイアン)
「中間のクラブで芯に当てやすい7番アイアンをティアップして打ちます。ゴルフを覚えるときも感覚を取り戻すときも役立ちます。」

●高本拓真さん(39歳、HC +1.7、トレーニングクラブ:サンドウェッジ)
「子供の頃近所の海岸で一番練習したクラブ。一番重いクラブなので感覚を体に染み込ませることができます。」

●前川政広さん(45歳、HC +1、トレーニングクラブ:ドライバー)
「一番長くて、一番やさしい状態で打てるクラブだから、スイングに悩んだときはドライバーです。」

●藤井幸博さん(51歳、HC 0.7、トレーニングクラブ:アプローチウェッジ)
「52度で70ヤードを打つのが自分の基本。スリークォーターで緩まずしっかり打てればスイングは直ります。」

●白石哲也さん(48歳、HC +4、トレーニングクラブ:ドライバー)
「ティーアップして打つので、もっともプレーンをチェックしやすいのがドライバーです。」

●金田浩延さん(58歳、HC 1、トレーニングクラブ:9番アイアン)
「長すぎるとジャストミートが難しくなります。普通に打っても上がって、ダフリやトップが少ない番手を使い、番手なりの高さが出ているかチェックします。」

●川口明浩さん(39歳、HC +2、トレーニングクラブ:7番アイアン/左打ち用)
「悩んだときは左用のクラブをしっかり打ちます。上手く打てないので、初心に戻って一から基礎を思い出すことができます。」

得意クラブを作るメリット「攻め方のバリエーションが増える」

高く上げる、低く抑える、転がす、左右に曲げる、距離を打ち分ける。自在にコントロールできる得意クラブの大きなメリットは、状況に応じて何通りものコース攻略法を選択できることだ。

松川さんの得意クラブ:アプローチウェッジ

松川亘さん(46歳/HC 3)

<松川さんの得意クラブ:アプローチウェッジ>
50度のフルショットの距離が練習の奥行きにぴったりだった。

「通っていた練習場が100ヤードしかなかったので、50度は一番よく練習しました。最初は上げるだけでしたが、ここ4、5年でコロがしを覚えました。カップに届くのはランなので、チップインが増えました」

▼グリップを握る位置3パターン

グリップを握る位置3パターンと振り幅3パターン、1本のクラブで9通りの距離を簡単に打ち分けられる。

北村さんの得意クラブ:4番UT(ユーティリティ)

北村和也さん(48歳/HC 6)

<北村さんの得意クラブ:4番UT(ユーティリティ)>
いろいろな打ち方をするのでウッドとアイアンの中間の顔が好み。

「苦手な180~200ヤードを克服するためにひたすら打ち込みました。ベアグランドやフェアウェイバンカーからのショットでも大きなミスがなくなり、グリーンの近くまで行くので自然とスコアを落とさなくなりました」

本夛さんの得意クラブ:2番ウッド

本夛重成さん(40歳/HC 10)

<本夛さんの得意クラブ:2番ウッド>
ドライバーより曲げやすく、3番ウッドより風に強い2番ウッド。OBも少なくなった。

「クラブには性格があり、何本も付き合うより、1本を使い込んだ方が性格がわかります。ドライバーとスプーンは目的も打ち方も変わらないので、それならバフィー1本にした方が、クラブのことをより深く知ることができます」

浅野さんの得意クラブ:7番アイアン

浅野光則さん(45歳/HC 9)

<浅野さんの得意クラブ:7番アイアン>
ゴルフを始めて最初に使った番手が得意クラブになった。

「ハーフショットをしっかり練習することで100ヤードも打てるようになり、前方に木の枝があっても低く出せるようになりました。50ヤードや30ヤードのコロがしもできるので、持てば安心できるクラブです」

中島さんの得意クラブ:3番UT (ユーティリティー)

中島智明さん(45歳/HC 2.9)

<中島さんの得意クラブ:3番UT (ユーティリティー)>
3番のほか、2、4、5、6番を揃え、コースによって使い分けている。

「競技に出るようになり、残り200ヤードがカギだとわかりました。グリーンが固いと高さが必要で、7Wも使いましたが、ラフからはヘッドの重いUTの方が抜けてくれます。おかげでパー3とパー5のアベレージがよくなりました」

益田さんの得意クラブ:サンドウェッジ

益田瑞文さん(53歳/HC 7.5)

<益田さんの得意クラブ:サンドウェッジ>
開いたときに右に抜けるイメージがなく、低くも出しやすい「マスダゴルフM425」

「グリーン周りに持っていくのはパターとサンドウェッジと目土袋だけ。ロブもコロがしもサンドウェッジ1本でこなします。クラブを3本持って考えるよりは、この1本でどうするかを考える方が状況判断はやさしくなりました」

ハンドファーストでフェースをターゲットに向ける。「ややインサイドアウトでアッパー気味に振るのがコツ」

自信の持てる1本であなたのゴルフが大きく変わる!

【解説:橋本トオル】
JGRAプロ。企業チームのコーチや個人レッスンを行う傍ら、2本のクラブ(パター+好きな番手)だけで競い合う「二本オープンゴルフ」を主宰。得意クラブを通じて技術や感性を磨くことを推奨している。

9番アイアンから始めよう!
どの番手を得意にすればいいのかわからないという人に橋本プロが推奨するのは9番アイアン。「大きなミスになりにくいし、バンカーやアプローチでも使えるので、いろいろな技術を習得できます。また、ドライバーの飛距離は9番アイアンの2倍なので、9番で150ヤード飛ばせる技術を身につければ、ドライバーで300ヤードも夢ではありません」(橋本)

得意クラブで成功体験を積もう

いくら得意の1本といえども14分の1。それで、いきなり10打も縮められるるわけではありません。しかし、得意クラブを作ることには、スコアを1打、2打縮める以上に大きな意味があります。それは成功体験です。それを積み重ねられることによって、自分のゴルフに自信が持てるようになり、効果は他の番手にも波及していきます。

得意クラブとしてもっとも大きな効果が期待できるのはパターです。使う回数の多いパターが入ればストロークを大幅に縮められるのはもちろんですが、パターに自信がつけば、アプローチのプレッシャーが少なくなって寄るようになり、アプローチが寄ればショットを打つ際にも気持ちの余裕が生まれ、セカンドで無理に狙わなくて済むようになり、さらにティショットも、というようにゴルフ全体がうまく回るようになります。

また、アプローチを磨いてワンピンくらいにつけられるようになれば、ラクになります。得意なクラブを作るなら、毎回、決まった距離を打てるようにするだけでなく、いろいろな距離や球筋を打ち分けられるように練習しましょう。5番アイアンなら、ただ170ヤードを打つだけのクラブではなく、守備範囲は1ヤードから170ヤードまでと考えます。たとえば、120Yの打ち下ろしのアゲンスト、ピッチングウェッジで打てば届かないような状況でも、5番で風の影響を受けないように低く打つといったことも可能になります。

得意クラブを作ることは、いろいろなアイデアを持つことと同じ。現場で起こる様々なシチュエーションに対応する力が身につくので、ゴルフを飛躍的に進化させてくれます。

GOLF TODAY本誌 No.549 28〜37ページより