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50歳過ぎたら軽くてしなるカーボンシャフトアイアンがイイ!データ解析で判明

2020/12/31 ゴルフサプリ編集部

年をとったせいか? 50肩のせいなのか? 最近、アイアンの飛距離が落ちたという“スチールシャフトユーザー”はちょっと注目してほしい。もしかしたら、その悩みはシャフトをカーボンシャフトに変えれば解決するかもしれません。最新機器による解析で、その真偽を検証した!!

GOLF TODAY本誌 No.548 113〜119ページより

\ 解説者&テスターはこのお二人 /

【解説:宮城裕治】
フォーティーン勤務時代に数々のクラブ開発に携わり、独立後は石川遼モデルのクラブ設計も担当した、カリスマクラブデザイナー。クールデザイン代表。ゴルフパートナーの開発顧問も務める。

【アマチュアテスター:本田吉男さん】
ゴルフ歴30年。身長170㎝、体重68㎏。年間ラウンド数20回。平均スコア92。年々、飛距離が落ちているのが悩み。

カーボンシャフトアイアンとスチールシャフトアイアンの違いを検証

【検証機器①】スイングは「ギアーズ」で可視化

「ギアーズ」は、体に取り付けた多数の反射ボールの動きをカメラで多角的に捉え、コンピュータ上で動作を再現するモーションキャプチャーシステム。スイングの動きを手に取るように知ることができる。

【検証機器②】インパクトは「GCクワッド」で可視化

「GCクワッド」では、インパクトでのヘッドスピード、入射角、ヘッド軌道、フェース向き、打点、ロフト角、ライ角から、ボール初速、打ち出し角(上下左右)、バックスピン、サイドスピンを高精度に計測し、インパクトを見ることができる。

【検証用クラブ】テストには「テーラーメイドM1」アイアンを使用

「テーラーメイドM1」アイアンは、スピードポケット&フェーススロットと360°アンダーカットキャビティで反発性能を高め、低重心設計とタングステンウェイトで許容性を高めたアイアン。操作性も備えたサイズと適度なグースで、幅広いゴルファーに対応したモデル。シャフトバリエーションも豊富。

カーボンシャフトアイアンとスチールシャフトアイアンのスイングを比較

カーボンとスチール。シャフトの違いだけでショットが変わるのか? 最新機器を使った検証の第一弾はスイングの比較。その差は驚くほど大きかった。

スチールシャフトアイアンのスイング

体が起きて、捻転ができてない!?飛距離不足、不安定な球筋の原因が見えてきた。

トップの姿勢をチェック

  • 背骨のライン:前傾が崩れ上体が起き上がっている。
  • 肩のライン:捻転不足。
  • 腰のライン:捻転不足。
  • ウェイトシフト:上体が起きて左に体重が残っている。

捻転が足りず、上体が起き上がっているのは、シャフトが重過ぎると感じて無意識に体を過度に使ってクラブを上げてしまっているからかも。また、上体が起きてしまったことで、アウトサイドからダウンスイングをする準備が整ってしまってもいる。

ハーフウェイダウンをチェック

右肩が前に出て(突っ込んで)、胸が開いてしまっている。この時点で胸が正面を向いているということは、いわゆる“振り遅れ”の状態ということだ。

インパクトをチェック

頭が左へ流れて、ボールを真上から見る体勢になっている。ボールに合わせにいってしまったインパクトということが見て取れる。

カーボンシャフトアイアンのスイング

捻転が深くなって、ハンドファーストもできちゃった!飛距離不足の原因はシャフトだったんだ!

トップの姿勢をチェック

  • 背骨のライン:前傾がキープできている。
  • 肩のライン:90度以上回っている。
  • 腰のライン:45度回っている。
  • ウェイトシフト:しっかり右足に乗れている。

シャフト(クラブ)の重さを適性と感じ取ったのか、気持ちよくバックスイングができたようだ。前傾がキープできて、捻転も十分。捻転がしっかりとできたことで、右サイドへの体重移動もバッチリ。ナイスショットの準備ができている。

ハーフウェイダウンをチェック

先行した下半身に対して、上半身が待てているため体の「上」と「下」の捻転差ができた。頭も右サイドに残ったままで、ヘッドスピードが加速する準備は万端。

インパクトをチェック

見違えるようなインパクトのフォームになった。頭が左に流れずに残って「ビハインド・ザ・ボール」のインパクトだ。

インパクトの解析で分かった!カーボンシャフトは軌道もミート率もよくなる!

カーボン&スチールの入射角&インパクトロフトの比較

比較項目カーボンシャフトスチールシャフト
入射角5.9度7.0度
インパクトロフト22.7度21.8度
ボール初速42.3m/s39.9m/s
ミート率1.341.31

カーボンはダウンブローが1度以上も緩和され、ミート率も若干アップ。そして、ボール初速は・・・なんと2.4m/sも向上!! これは飛距離に大きな差が出るはず。対してスチールはダウンブローが強過ぎて、ロフトも立ち過ぎ。これでは球が上がらず、キャリーが減ってしまう。

カーボン&スチールのヘッド軌道の比較

比較項目カーボンシャフトスチールシャフト
ヘッド軌道アウトイン0.4度アウトイン0.8度
フェース向き0.3度オープン0.7度クローズ
ヘッドスピード31.6m/s30.4m/s

バックスイングで上体が起き上がり、ダウンスイングで右肩が突っ込んでいたスチールのヘッド軌道はアウトイン軌道でクローズフェースのインパクトに。しかし、しっかりと捻転差が作れて振り遅れが解消されていたカーボンでは、ほぼストレートな軌道かつ、スクエアなフェース向きでインパクトできている。

飛距離差12ヤード! 弾道の高さもカーボンシャフトが改善してくれた!

  • カーボンの飛距離(キャリー):138ヤード(125ヤード)
  • スチールの飛距離(キャリー):126ヤード(112ヤード)

弾道の高さは13ヤード。キャリーもトータル飛距離も、そして弾道高さもスチール:13ヤードからカーボン:17ヤードに改善。同じロフトでほぼ1番手の飛距離差が出た。

スイングが良くなったから、打点位置も大幅改善した

カーボンの打点(オレンジ)はフェースセンターから3ミリトゥ側、スチール(水色)だと11ミリもヒール側にずれている。改善されたスイングに伴って、インパクト(打点)も大きく改善されたのだ。

教科書どおりのトップとなっていたカーボンシャフトのインパクトは、ストレート&スクエアで、やや急なダウンブローながら、インパクトロフトが立ち過ぎることはなく、しっかりとボールが上がり、ヘッドスピードも上がっています。これに対してスチールは、アウトイン軌道でダウンブローもきつく、上からボールをつぶすような軌道となって、球が上がらず距離も出ていません。

重・硬は時代遅れ!カーボンシャフトの“軽さ”と“しなり”でスイングも飛びも良くなる!

カーボンシャフトの2つのメリット
  • メリット1:軽いから、テークバックで上体が起き上がらない
  • メリット2:しなるから、ダウンスイングで胸が開かない

切り返しでしなりを感じられないとアウトイン軌道が強くなりますよ!!

シャフトが重すぎるとテークバックからトップの動きが悪くなることは前述したとおりですが、シャフトの“しなり”はダウンスイングの動きに影響します。

切り返しでしなりを感じると手を体の近くに引き下ろす動きになりますが、シャフトの“しなり”を感じにくいと無意識的にしならせようとして手を体の遠くに引き下ろしてしまい、その結果ヘッド軌道はアウトインになってしまいます。“軽さ”と“しなり”がいいスイングを作ってくれるのです。

カーボンシャフトアイアンはシャフト重量で選ぼう!

▼適正重量はコレ:ドライバー総重量(アイアンシャフト重量)

  • 300~310g未満(60~70g台)
  • 290~300g未満(50~60g台)
  • 290g未満(55g以下)

主要なアイアンのシャフト重量一覧

モデル名(メーカー)SSRR
エッグPC・PF(プロギア)※7I~Wのシャフト重量49~61(PCは50~60)45〜4844〜59
イーゾーンGT(ヨネックス)4846
ツアーB JGR HF1(ブリヂストン)48
マジェスティロイヤルSP(マルマン)5048(R2:46)
ゼクシオ テン(住友ゴム工業)525149
G400 ALTA J CB(ピン)635449
G3(グローブライド)5549
レッドチタンフェース(プロギア)※5I~Wのシャフト重量51〜5449〜53(R2:48〜53)
インプレスUD+2(ヤマハ)51.5〜58.550.5〜57
RMX218(ヤマハ)※5I~Wのシャフト重量54.5〜5952.5〜56
ビジール535(ホンマ)※7Iシャフト重量55.553.552
オノフAKA(グローブライド)6052(R2:48)
タイトリストVG3・VG3タイプD(アクシネット)6453
シャトルNX-1(マルマン)5553
JPX900フォージド(ミズノ)6055
グローレF(テーラーメイド)5856
M2(テーラーメイド)5956
M1(テーラーメイド)6457
エピックスター(キャロウェイ)636158
ツアーB JGR HF2(ブリヂストン)6260

「ドライバーが純正シャフトなら、カーボンアイアンのシャフトフレックスはドライバーと同じ、ドライバーがカスタムシャフトなら、カーボンアイアンはSフレックスがオススメ。」(宮城)

<最新機器を使用した最先端のフィッティング!>

今回のテストは、三浦技研フィッティングスタジオの協力で実施。スイングを可視化する「ギアーズ」、インパクトを可視化する「GCクワッド」に加え、体重移動を可視化する「ボディトラック」という3つの最新機器を使用した、最先端のクラブフィッティングを行っている。

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