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ゴルフボールの温度によって飛距離やスピンに差が出る?|ゴルフ面白実験室

2018/10/29 ゴルフサプリ 編集部

気温が下がると、コアの合成ゴムが硬くなり、反発が低下する。これが、寒いと飛ばなくなる大きな理由だ。そのほかにも、気温が下がると大気中の空気密度が高くなり、空気抵抗が増えることで飛ばなくなるとも言われている。

寒いとボールは飛ばなくなる。この周知の事実を、改めて確認してみるとともに、少しでも温めたら飛距離やスピンはどう変わるのか?そんな、冬ゴルフをプレー中に浮かぶ素朴な疑問を検証してみた!

ゴルフボールは温度によって飛距離やスピンに差が出る?3人のテスターが検証!

ミート率重視で選んだ3人のテスター

照山亜寿美(サザンヤードCC)
1994年8月6日生まれ。茨城県出身。プロ入会は、2016年7月30日(88期生)。プロになったばかりで参戦したステップアップツアー「フンドーキンレディース」で、いきなり優勝。今後が楽しみな若手女子プロ。

荒川侑奈さん(サザンヤードCC)
1995年10月28日生まれ。サザンヤードCC(茨城県水戸市)の研修生。15年の「日本女子オープン」では予選会トップで出場。

戸田尚也さん
1966年11月18日生まれ。ゴルフ歴10年。ハンデキャップ18。飛距離不足に悩んでいるが、大きく芯を外すことはめったにない。

「冷たい・ぬるい・熱い」違う温度の3つのボールで比較検証

「冷たい」…屋外で保管して冷え冷え
「温い」…屋内で保管してポケットに収納
「熱い」…使い捨てカイロで保温(※)

「ディスタンス系」と「スピン系」のタイプの違うボールを、3つの温度で検証。①前日から屋外保管してあった“冷えた”ボール②前日から屋内保管し、打つまでポケットに収納した“ぬるい”ボール③前日から屋内保管し、使い捨てカイロで2時間温めた“熱い”ボール。

※使い捨てカイロでボールを温めるのはルール違反です。
人工の機器を使って意図的にボールを温めることは、ルール違反になるのでご注意ください。(ゴルフ規則14-3人工の機器と異常な携帯品、携帯品の異常な使用)

検証にはブリヂストンスポーツのボールを使用

ディスタンス系:「PHYZ(ファイズ)」

つかまるテクノロジーで曲がりにくい大きな飛びを実現。
価格(打)/8400円+税

スピン系:「TOUR B XS」

ソフトなフィーリングとすぐれたスピン性能が自慢。
価格/オープン価格

  • 飛距離は、ブッシュネルゴルフ「ピンシーカープロ X2 ジョルト」で計測

  • スピン量や初速などは「GC2クワッド」で計測

20ヤードのアプローチでスピン量の違いを検証:温度でスピン量は変化するのか?

温めたらカバーが軟らかくなって“トントン、キュッ!”のスピンで止まると思ったのに…
まずは、アプローチにおけるスピン量の変化を検証。温めたボールは、冷たいボールに比べて本来の性能を発揮できるようになると予想したが、結果は「冷たい」「温い」「熱い」、どれにも大きな違いは見られなかった。

【検証方法】
ボールからグリーンエッジまで7ヤード、エッジからカップまで13ヤード、ボールからカップまで20ヤードのアプローチで比較検証。テスターには、それぞれディスタンス系とスピン系のボールを5球ずつ打ってもらい、キャリーとランの平均値を下図に表した。

▼スピン量・計測結果

テスターボールタイプ冷たい(rpm)温い(rpm)熱い(rpm)
照山プロディスタンス系311435463526
スピン系464643554296
荒川さんディスタンス系353034313529
スピン系339438433715
戸田さんディスタンス系261926093053
スピン系380338433843

グリーン周りでは「寒さでボールの性能が変わる」なんてことはないみたい!

実験結果では、スピンのかかり具合もまちまちで、特に温めたほうが寄るという事実も確認できなかった。したがってボールの温度とスピンはそれほどの関係性はなさそう、と言う結論に。むしろ気温による芝の状態のほうがアプローチには影響しそうだ。

芝が薄くなることでスピン量は変化するかも?

照山プロ「温度の違いによるスピン量の変化は、正直感じられませんでした。これはボールの性能のおかげ、ということでしょうね。ですが、冬になって芝が薄くなって、ボールと地面の間に隙間がなくなったライでは、クリーンにボールをインパクトしにくくなるという人もいるでしょう。上手に当てられないと、スピン量が落ちる、そういった違いは寒い時期とそうでない時期にはありますね」

寒い中で結果を期待して実験に挑んだものの、思ったより違いがなくてテンション下がり気味の3人。

ドライバーショットで飛距離を検証:温度で飛距離は変化するのか?

「冷たい」ボールとの差は歴然!熱々ボールは激飛びだった!!
結果は、「熱い」ボールの圧勝。想定内の結果ではあったが、温度によって飛距離に大きな差が出ることを正しく認識できたことはひとつの収穫とも言える。

【検証方法】
テスターには、ディスタンス系とスピン系のボールを5球ずつ打ってもらい、飛距離を測定。5球中、最も飛んだボールの距離を表にした。

▼飛距離・実測結果

テスターボールタイプ冷たい(Y)温い(Y)熱い(Y)
照山プロディスタンス系234240244
スピン系231233234
荒川さんディスタンス系237244245
スピン系230237240
戸田さんディスタンス系235239247
スピン系218235240

冬はコンプレッションが小さいボールを選びましょう

照山プロ「冷たい」ボールの飛距離低下は、低温によるボールのコアの反発低下、硬度が高まることによるスピン量の増加が原因です。低温による影響を少しでも避けるためには、コンプレッションが軟らかめ(数値の小さい)のボールを選ぶことです。一般的にディスタンス系のボールのコアは、コンプレッションを下げてあります。

【実験を終えて】ボールをポケットの中に入れておくだけで5ヤード以上もの差が出ちゃうのか

今回の検証を通じて、寒さによってゴルフボールが本来の性能を発揮しにくくなるということがよくわかった。だが、前日から保管場所に気を配り、ポケットの中で温めておけば、スタートホールのティショットでは大幅な飛距離ダウンを防ぐことができることも判明。プレーを続けていくうちに“ポケット保管”の効力は薄れていくだろうが、冷えきったボールよりはマシな結果が得られそうだ。

GOLF TODAY本誌 No.548 90〜95ページより

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