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ゴルフ上達のコツはアイアンのライン出し|基本から練習場・実践まで徹底解説

2018/10/31 ゴルフトゥデイ 編集部

ピンを真っすぐに刺すアイアンショットが『ライン出し』だが、我々が打とうとするとどうしても、マン振り、打ち込みのみっともないショットになる。でも、プロの『ライン出し』はちょっと違う。インパクト後は涼しい目線で低めの飛球を追う。こんなイケメンの『ライン出し』を、今年は目指そう!

そもそもライン出しって何?
『ライン出し』とは、文字通り、ターゲットに対して『線』を描くように真っすぐに飛んでいくショットを意図して打つこと。セカンドショットやサードショットでピンを狙う場面など、飛ばすことよりも、いかに正確にピン方向へ打てるか、を追求したい場面で強い味方に!プロの場合“アイアンショットはほぼライン出し”というほどポピュラーな打ち方。ぜひ挑戦してみよう。

ライン出しの基本:手首の角度をなるべく変えずにクラブを体の正面にキープ

絶対に曲げたくない状況で使われるライン出しでは、単純ミスは許されない。そこで、「アイアンはすべてライン出し」という今平周吾と堀川未来夢に基本を教えてもらった。

「手を使わずに体の回転だけで振り抜くイメージです。」

今平周吾(レオパレスリゾート グアム)
1992年10月2日生れ。埼玉県出身。埼玉栄高校1年時に日本ジュニアで松山英樹に競り勝ち優勝。11年にプロ転向。14年にはチャレンジ賞金王。15年賞金ランクは24位で初シード。2016年は同10位。2017年は関西オープンでツアー初優勝し賞金ランク6位に。

クラブが体の正面にあれば余分なスピンがかからないから弾道が安定してラインが出る!

ライン出しは、まず、①スイング中にクラブが必ず体の前にあるように7~8割で振ること。そして、②スイング中は手首の角度をなるべく変えないように、体の回転で打つことです。これで余分なスピンがかからず直進性の高い弾道になります。

スイング幅はフルショットの7割〜8割

ライン出しは7~8割のコンパクトスイングで、アドレスからフィニッシュまでクラブが体の正面から大きく外れないように振るのがポイント。

振り遅れたり手首を使い過ぎると正面から外れる

ダウンスイングで振り遅れたり、インパクトで体が止まって手首が返りすぎると、体の正面からクラブが外れてしまう。これではインパクトが安定せずにスピン量も一定しないため、曲がりが多くなってしまう。

ライン出しの基本:目線を低く構えると確実に球を抑えられる

ライン出しはインパクトゾーンを長く、フォローを低く抑えることで、通常よりも上下・左右の余分なスピン量が抑えられ、低弾道で直進性の高いショットになる!目線を低く抑えることで、長く・低いフォローを取ろう。

堀川未来夢(Wavw Energy)
1992年12月16日生まれ。神奈川県出身。日本大学4年生の時にはゴルフ部主将を務め、アジアアマで2位に入る。同年のQTで13位に入りプロ転向。15年はブリヂストンオープンで2位などで、ランキング41位。17年はパナソニックオープン3位Tなどで、ランキング51位。

前傾が崩れず、しっかりヒットできる。

アドレス時に目線を低く構えることで、フォローでも前傾角度がキープされ、その結果手首も不必要に返らず、長く低いフォローを出せる。

目線が高いと体が伸びてミートしにくい。

目線が上がると体や肩が持ち上がりフェースも浮いてしまうので球が抑えられない。

パンチショットとライン出しって違うの?

パンチは強く、ライン出しは長く低く打つ。
パンチショットというのはライが悪い時などに、インパクトを強く打っていくというケースが多いので、どちらかというとスピン量は多めです。それに対しライン出しは、インパクトゾーンを低く長く出し、スピン量を少なくすることで、球のフケ上がりや、左右へのブレを抑え、直進性の高い球筋になるのです。

ドロー&フェードでライン出し:ドローもフェードも球の位置と打ち方は一緒。スタンスを変えて打ち分ける。

本来、直進性が基本のライン出しだが、プロには横風などに対してはフェードやドローなどでラインを出していくテクがある。「インテンショナルショットはとにかくシンプルに」という小鯛竜也にノウハウを教わろう。

小鯛竜也(フリー)
1990年2月1日生まれ。大阪府出身。17歳でプロ転向。2011年ツアーデビュー。16年にチャレンジ開幕戦の『Novil Cup』でプロ入り初優勝。17年『マイマビABCチャンピオンズシップ』でツアー初優勝を果たし、賞金ランキング27位に入り、初シード入りを果たす。

球は左足カカト内側にセットし、手は中に。スタンスを変えて球筋を操ろう!

『球は左足かかと内側』、『手は体の真ん中』のセットアップはドロー&フェード共通。フェードは少しかぶり気味にアッパーで左に振っていくことで左に打ち出し、ドローはクローズドスタンスで肩はスクェアの構えから、ちょうどフェースがローテーションをし始めるところでインパクトして右に打ち出しましょう。

ドローボールの打ち方:肩のラインは目標に向ける

クローズスタンスにして肩をターゲットと平行に構えるだけで、右に出て左に戻ってくるドローになる。

フェースを返さず振り抜く

フェードボールの打ち方:手は真ん中のままボールだけを少し左に置く

セットアップは『手は体の中央』、『ボール位置は左カカトの内側』が基本。これにより手で余計な操作をしなくてもシンプルにフェードが打てます。

フェースが返った状態で当たるから左に飛び出す

写真のように構えるとヘッドの最下点はボールより手前になり、フェースがやや被った状態のアッパー軌道でとらえた球にはフェード回転がかかる。

アゲインストに負けないライン出し:球を押さえつけるのではなくヘッドを押し込むイメージで!

アゲインストの中、球がめくれるように吹き戻された経験は誰もがあるはず。そんな時に知っておきたいテクが風の下を潜って進むドローボールのライン出し。小田孔明が教えてくれた。

小田孔明(プレナス)
1978年6月7日生まれ。福岡県出身。2000年にプロ転向。07年の初シード獲得。08年に『カシオワールドオープン』で初優勝。14年は年間2勝を挙げ賞金王に。以後、15年10位、16年22位、17年25位と低迷が続くが、今後の爆発力に期待。ツアー通算8勝。

ヘッドを長く低く出すとドロー回転がかかって風の下を潜って前に進んでくれるんです。

アゲンストのときに球を抑えようとして上から打ち込むと、タテ方向のスピンが入りすぎて逆に吹き上がってしまうんです。だからボクの場合、サイドスピンをかけたドロー球で風の下を潜って前に進んでラインを出すイメージを持っています。もちろんフェードでもいいですよ。

上からではなく、球の横からヒットするイメージ

押し込むインパクトをするには、ヘッドは上から入れるのではなく、ボールの真横を目がけて横から入れてくるのがポイント。

左足前までヘッドを上げずに球を運んでいく意識で。

『ヘッドを押し込む』というのは、インパクト後もフェースにボールを乗せたまま、左足の前まで乗せて運ぶようなイメージ。これでヘッドが低く長く出る。

右足カカトを上げて押し込むのがポイント

ヘッドを手で『押し込もう』とすると左ワキが開く。正しいのは、フェースにボールを乗せて『右足で押し込んでいき』ながら『手を返していく』とドローになる。

【NG】上から押さえつけるとバックスピンがかかってフケ上がってしまう

『球を抑えよう』として上からクラブを強く入れて抑え込むように打つと、バックスピンが強く入り逆に球はフケ上がってしまう。

球の先までしっかり振り抜くことが大切

フォローでスイングを抑える=止めてしまうからパンチが入り球が吹き上がる。アゲンストの時は『前にヘッドを出して』いかないとダメ。

練習場でできるライン出しドリル①:右腰から左腰までの連続素振りで頭を固定する感覚をつかむ!

ライン出しで大事なのは、「インパクトゾーンを低く長く」出すことだが、漠然と打っていてはなかなか身に付かない。そこで簡単なドリルを稲森佑貴に教えてもらった。

稲森佑貴(グリーンゴルフ練習場)
1994年10月2日生まれ。鹿児島県出身。高校2年でプロテストに一発合格。2012年にツアーデビュー。14年は出場7試合で賞金ランク75位に入り初シード入り。15年の『ブリヂストンオープン』では初の最終日最終組で2位に。15から3年連続でフェアウェイキープ率1位。

ライン出しには低く浅くヘッドを入れること。それには頭を動かさないことが不可欠です。

ライン出しには、ヘッドを上からではなく低く浅く入れてスピン量を減らすことが大切です。それには頭を動かさずに振ることが不可欠。構えた時の目線を保つ意識で連続素振りをすると、軸を固める感覚がつかめるはずです。ワキを締め、手首を固めるのもコツ。

連続して振ると軸が安定して頭を固定できる

小さな素振りを連続して行うと、自然と軸が固定されて、理想的な軌道でクラブを振れるようになる。この感覚をしっかり叩き込もう。

構えたときの「目線」を変えない意識で!

インパクトの時にスイング軸がブレるとしっかり当てられない。アドレス時の目線を保って振る意識を持つと頭が動きにくい。

頭が起きたり突っ込んだりしないように!

体が伸び上がったり、突っ込むと、頭の位置が変わりスイング軸がバラバラに……。構えたとおりヘッドを戻せず正確なインパクトができなくなってしまう。

練習場でできるライン出しドリル②:片手素振りで体の回転で振るをマスター!

ライン出しのポイントとして必ず上がるのが「手が体の正面から外れない」ということ。そこで高校時代からやっているというドリルを星野陸也に教わった。

星野陸也(フリー)
1996年5月12日生まれ。茨城県出身。父の勧めで6歳からゴルフを始める。水城高校、日本大学という強豪校を経て2016年にプロ入り。QTトップ通過を果たし参戦した2017年では開幕戦で6位タイ。その後も185㎝の長身からの飛距離を武器に、実質ルーキーイヤーで賞金ランク31位に。

腕1本だと小細工できないから、体の動きにつられて腕を振る感覚がつかめる。

まずクラブを短く握り、そのぶん球の近くに立って少しハンドアップに構えます。片手で振ることで体の回転につられて腕を動かす動きをマスターできるため、体の正面からクラブが外れなくなり、ワキも締まって軌道が安定します。左右両手の片手打ちをして感覚がつかめたら、両手で握って打ってみましょう。

体と腕の一体感をしっかり感じよう

片手でクラブを振ると小細工できないぶん、体の回転に自然と腕がついていって振り抜く感覚がつかめる。腕が体から外れないように意識をして、パターのように「ストレート・ストレート』の軌道で振っていこう。左手でも行うこと。

【NG例】体が止まると手首が返ってしまう

体が止まると手が先行してしまい、フォローサイドで手首が返るので注意しよう。これでは正確なミートができずライン出しができない。

GOLF TODAY本誌 No.548 58〜67ページより