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パターの打ち方は『フェース面の向きは意識しない』でシンプルに。

連載「真板潔パッティングの奥技」第2回

2019/01/03 ゴルフトゥデイ 編集部

奥が深くて悩み出すとキリがないパッティング。フェース面の向きは意識しないでシンプルに打つ、というのが真板流のパターの打ち方。今回はそのための秘策を伝授する。


解説:真板 潔(フリー)
1959年12月17日生まれ。170㎝、75㎏。神奈川県出身。2000年のサントリーオープンでレギュラーツアー初優勝。シニアツアーでは2016年に年間3勝を挙げるなど、通算6勝をマーク。パターの名手として知られ、その技術と理論はプロの間でも高い評価を得ている。

パターはフェース面を意識しなければ悩まずシンプルな打ち方ができる

パッティングには、永遠のテーマともいえる難問があります。それは、パターのフェースは「開いて閉じるのか、それとも、開閉をしないのか」という問題です。

前者はクラブをインサイド・インに振る人、 後者はストレートに振る人が持ちやすい感覚で、中には閉じ気味に引いて開き気味に出すという人もいます。

私の答えは「パターのフェースの向きは意識しない」です。なぜなら、フェースの向きを意識すればするほど、スムースなストロークができなくなり、パッティングがより難しくなってしまうからです。

意識しなければ、悩むことなく、シンプルに打てる。これがとても大事なのです。

フェースの向きを意識しないほうがパッティングがスムースに!

体とクラブの動きがスムースになれば、距離感も方向性も合いやすい。フェースの向きを意識すると、テークバックでヘッドが揺れたり、ぎこちない動きになったりするので注意しよう。

パターのヘッドを真っすぐ出して狙ったラインにボールが乗ればOK

私が意識するのは、狙ったラインに対して、パターのヘッドを 「真っすぐ引いて真っすぐ出す」ことだけです。ストローク中に、フェースを開く、閉じるといったことはまったく考えていません。

実際は、パターにもライ角が存在し、ボールから離れてアドレスをしている以上、クラブの軌道はインサイド・インになり、フェースは開いて閉じるのが自然な動き。私のストロークもそのように見えるかもしれませんが、私自身の感覚としては、真っすぐ引いて真っすぐ出しています。

テークバックでのフェースの向きや軌道に悩んでいる人は、一度それらを意識しないで、ヘッドを目標に出すことだけに集中してみるのも一つの方法です。

《意識するのは真っすぐ引いて真っすぐ出すことだけ!》

狙ったラインに対して、ヘッドを真っすぐ引いて真っすぐ出す。フェースの開閉は意識しない。特に「真っすぐ出す」ことを重視すれば、シンプルに打てる。

《インサイド・インの軌道》

通常のショットと同じように、インサイド・イン軌道でフェースを開いて閉じるのも一つの打ち方。ただし、振り幅が小さいパッティングではその加減が難しい。

〜真板潔の使用パター〜

マレット型は座りがよくイメージが出しやすい
プロ入り後、一番長く使用したのは、初優勝時にも使っていた「オデッセイ・ホワイトホット#5」。現在は「オデッセイ・ホワイトホット2ボール」(写真)で、いずれもマレット型。構えたときの座りがよく、イメージが出しやすいという理由で長年愛用している。

パターの握り方:手のヒラを開いて浅く握ると手首の動きが抑えられる

左右とも、手のヒラを開き気味にして、クラブを裏側(下)から支える。左手人さし指を右手小指の上に乗せる「逆オーバーラッピング」で握っている。

握りを浅くするとストレートな軌道が作りやすい

パッティングが難しく、奥が深い要因の一つは、握り方にもさまざまな方法があるからです。

パターは、 グリップそのものの形状や太さにも多くの種類があり、握り方は千差万別。握り方が変われば打ち方も変わるため、動きがより複雑になってしまうわけです。

私の場合は、手のヒラを開き気味にして、全体の握りを「浅く」しています。これは太めのグリップを採用していることも一因ですが、手首の動きが抑えられてストレートな軌道を作りやすい、というのが最大の利点。

クラブの裏側から手をあてがい、 両手の一体感はもちろん、手とクラブの一体感も高めることで、再現性 の高いストロークが実現します。

《手首を使わずに肩の回転で打つ》

握りを「浅く」することで、手首の動きが抑えられ、アドレス時の手首の角度がキープしやすくなる。ヘッドを真っすぐ引いて真っすぐ出す動きも作りやすくなる。

《「深く」握ると手首が動く》

両手を上から被せて「深く」握るほど、手首が使いやすくなり、フェースローテーションも大きくなる。ドライバーショットなどでは有効だが、パッティングではデメリットも大きい。

〜真板語録〜

「振る強さも大事。やわらかく握ったほうがタッチが合うよ」

握り方だけでなく、握る強さ(グリッププレッシャー)も大事。不安感がある人はどうしても強く握ってしまうが、どちらかというと、やわらかく握ったほうがタッチが合い、球のコロがりもよくなるという。

とっておきのパター練習方法:カップの「右ふち」を狙って右ふちからカップイン!

カップの左ふちでなく、右ふちを狙うことがポイント。イメージは「つかまった、ややフック回転の球」(真板)。ボールのコロがりをよくすれば、蹴られることなくカップに吸い込まれる。

ボールが正しくつかまっているかがチェックできる

本番はどこからカップインしてもOKですが、練習ではカップの入り口にこだわりましょう。平らなラインにボールを置いたら、狙うのはカップの「右ふち」ただ1点。そして、その右ふちからボールがカップインするように打ってください。

これは、ヘッドを真っすぐ出すトレーニングとして最適。フォローでクラブを内側に引っ張り込んでしまうと、球の打ち出し方向が左にズレます。また、余計な手首の動きでフェース面が少しでもブレると、右ふちから入りません。

フェースの芯とボールの芯をしっかり合わせて、コロがりをよくすることが大切。ボールが正しくつかまっているかどうかがわかる、効果抜群のパター練習方法です。

《パターのヘッドを真っすぐ出す》

フェースの向きは意識せずに、ヘッドをカップの右ふちに向けて真っすぐ出す。ラインに対して「ボールを押していく」感覚が重要だという。

〜ルールブック〜

旗竿の長さは2.13メートル以上

ピン(ピンフラッグ)の正式名称は旗竿(Flagstick)。世界共通の規則ではないが、旗竿の長さは少なくとも7フィート(2.13メートル)以上のものを用いるように、日本ゴルフ協会は勧めている。風が強いホールは旗竿が折れないように短めに、打ち上げのホールは見やすいように長めに工夫しているケースもある。

GOLF TODAY本誌 No.557 128〜131ページより

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