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“ホーガン流”アイアンスイングはトップの前後で「プレーン」が変わる?(2/2)|教えて!ホーガン先生

アイアンが際立つ!強いインパクトの作り方【第7回】Part2

2019/04/17 ゴルフサプリ編集部

「スイングプレーン」の重要性を説いたホーガン。
だが、なぜかそれはバックスイングとダウンスイングでは異なるべきだという。

同一のほうが優れているように思えるが、そこには“イメージ”ならではの理由があった。

これがホーガン流|プレーンを「こする」左腕がトップを決める

1 左腕がプレーンと平行=プレーンに触れる

肩の十分なターンを促すには、右ヒジをすぐにはたたまずに、ヘッドを低く引くのがベター。ホーガンは、左腕がプレーンと平行、つまり飛球ラインと平行になる位置で、手元が腰の高さに来ることを目安としていた。

2 左腕がプレーンをこする=トップが一定に

手元が腰の高さに来たポジションから、右ヒジをたたみ、腰も右にターン。左腕のロールでクラブヘッドと手元は右肩の高さに平面を描いて上がっていく。この動きがスムーズなほど、反復性が高まりトップが一定になる。

右ヒジをたたむポジションを左腕を目安に探す

 的確にインパクトできる体勢が取れるのであれば、振り上げ方は自由でいい、と森プロ。

「でも、クラブの重さ(慣性)をうまく生かしたほうが、リピータブルになりやすいはず。右ヒジをたたまずに引けばアーク(弧)が大きくなって肩を深く回しやすいし、右ヒジをたためばアークが小さくなり、クラブによる負荷が減って軸ブレしにくくなります。

ホーガンは、手元が腰の高さに来るまでは肩の回転だけで引き、その位置で〝左腕がプレーンと平行になり、そこからプレーンをこすりながらトップへ向かう〟と述べています。実際にはそんな動きにはなりませんが、解釈すると、左腕が飛球ラインと平行になる位置から、右ヒジのたたみと左腕のロールで手元を上げていく、ということでしょう」(森)

「プレーン上」に外さない手元の意識をマスター

プレーン変更なら

ダウンでインサイドアウトのプレーンを意識すると、手元がプレーンの下に確実に下がる。インから叩ける体勢が整う。

プレーン同一では

ダウンでも同一のプレーンに手元とクラブを通そうとすると、プレーンの上に外れてアウトサイドから入るミスが起きる危険性大。

手元は下げないと前に外れてしまう

ダウンを左腰のターンでスタートするのがホーガン流。だが、手元の高さがそのままでは、プレーンを外れて前に出るのが必然。

左肩が戻る前に右ヒジを落とすインサイドアウトのイメージは、インから叩くには必要不可欠といえる。

あっ!これもホーガン流|プレーンの安定性を増し世界ランク1位に

ジャスティン・ローズ

11月の優勝で世界ランク1位に返り咲いたジャスティン・ローズは、練習器具も上手に活用している。

「両前腕でボール状の練習器具を挟んだままスイングするのは、左右のヒジのたたみとロールのタイミングのチェックに役立ちます。プレーンを歪めるヒジの余計な動きがなくなるので、スイングの安定感がアップします」(森)

ベン・ホーガン(Ben Hogan、1912~1997)
アメリカ・テキサス州出身。身長173㎝、体重68㎏。ツアー通算64勝。
メジャー3勝後の1949年に自動車事故で瀕死の重傷を負うが、翌年に復帰。以後、メジャーでは1953年の3冠を含む6勝を加え、グランドスラマーに。1948年に『パワー・ゴルフ』、1957年にレッスンのバイブルと呼ばれる『モダン・ゴルフ』を著し、現代でもそのスイング理論は多くのゴルファーに影響を与え続けている。

森 守洋/ホーガンアナリスト
ベン・ホーガンを手本としたダウンブローの達人・陳清波に師事。現在もホーガンの技術研究に余念がない。

取材協力/東京ゴルフスタジオ
写真/Getty Images

GOLF TODAY本誌 No.559 137〜141ページより