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ゴルフ上達関節調律師が解説「スイングが改善するカラダの使い方」|第3回 『胸椎でんでん』エクササイズ

2019/09/08 ゴルフサプリ編集部

「もっとゴルフのスコアを伸ばしたい!」と日々練習を重ね、スイングに悩まれているゴルファーの皆様、スイングの時に骨や関節がどのように動いているか、考えたことはありますか?

実は、体の構造や動かし方の「知識」を得て「意識」して動くことで、スイングが変化し飛距離が伸び、痛みなく楽にクラブを振ることができるようになるのです。

スイングが改善する体の使い方の専門家として、個人サロンで「1回で平均15ヤード飛距離が伸びる施術」を行っている「ゴルフ上達関節調律師」の山本優子さんに、スイング改善のためのエクササイズや、日常生活での体の動かし方について連載でレクチャーしていただきます!

第1回:ゴルフ解剖学
第2回:『胸椎バンザイ』エクササイズ
第3回:『胸椎でんでん』エクササイズ
第4回:『頚椎くるくる』エクササイズ
第5回:『仙骨ごろりん』エクササイズ
第6回:目かくしゴルフ
第7回:少しの「知識」と少しの「意識」で体は変わる!
第8回:脱力を意識する
第9回:呼吸を意識する
第10回:動作の癖を意識する

ゴルフの後、腕や肩が筋肉痛になりますか?

動く時に力を入れすぎていませんか?

こんにちは。ゴルフ上達関節調律師の山本優子です。第3回も引き続き、脱力関節調律®に基づいたスイングを改善するためのエクササイズをご紹介いたします!

私のメソッド・脱力関節調律®についてや、ゴルフをする上で知っていただきたい体の構造については「第1回:ゴルフ解剖学」をぜひご覧ください。

ゴルフをすると肩や腕が筋肉痛に…

さて、ゴルフをした翌日「昨日はゴルフをしたから腕や肩が筋肉痛だ…」という方は、私のサロンにいらっしゃるお客様でも少なくありません。
また、初めてゴルフをした時や、久しぶりにクラブを握り練習した時なども「いつもと違う筋肉をたくさん使って筋肉痛になった」という経験をされる方は多いのではないでしょうか。

私は、ゴルフに限らず体を動かす時、よほどの重さがある物を持たない限り、それほど筋力を必要とする必要はないと思っています。

サロンへ施術を受けにお越しいただくお客様の、痛みや不調の原因の半分は動く際の力の入れすぎや体の力みなのです。
本来は少しの力で動けるところを何倍も力を入れて動いているので、疲れや痛みが出てしてしまうのも無理はありません。

そのような方々へは、ひとつひとつの関節まわりの無駄な緊張が取れるよう、施術によってゆっくりと脱力を促します。すると数分で「軽くなった」「痛くない」とおっしゃいます。

力みが取れることにより筋肉の緊張が解け、血流が良くなり、痛みが無くなったり、体が軽くなったりします。
力みが取れて初めて、ご自身の体に力が入っていたことや緊張していたことに気付かれる方も多いです。

でんでん太鼓のように動きましょう

ゴルフの動きで考えると、力の入った状態でスイングすると、筋肉はより緊張し、必要以上に頑張ってしまい、翌日以降筋肉痛になってしまうのです。
程良く脱力しながら動くことができれば、筋肉痛にもなりづらくなります。「脱力」は簡単なようで難しいですが、練習することで習得し実践できるようになります。

そもそも、正しく動かすべきところを動かしてゴルフをしていれば、腕や肩が筋肉痛になる可能性は限りなく低いのです。
なぜなら、体は中心から動くという大原則がありますので、末端に当たる腕や肩は本来そこまで頑張らなくても良いスイングができるのです。

私がよく例えとして使うのは「でんでん太鼓」です。
でんでん太鼓は、中心部の軸となる部分が動くことによって、末端部分が動かされます。
腕や肩は「動かす」よりも体の中心部が動くことによって「動かされる」「動いてしまう」という感覚の方が近いのです。

でんでん太鼓の動きをイメージして動きましょう

この感覚がわかるようになるとスイングで「手打ち」になることがなくなります。
つまり、体を正しく動かせば良いスイングができ、楽にエコな力でゴルフができるのです。
スイングは良くなり、スコアも伸び、なおかつ筋肉痛や疲労で悩むこともなくなります。

手打ちを解消するためのエクササイズ「胸椎でんでん」

赤ちゃんのように体の中心から動く

第2回でご紹介したエクササイズ「胸椎バンザイ」で胸椎が動きやすくなったところで、胸椎の回旋動作が出やすくなるよう、さらに動かしていきましょう。
これがゴルフのスイングに大切な体幹を捻る動作の可動域に直結していきます。

胸椎の回旋には大切なポイントがあります。それは「体の中心から動かす」ということです。
実際には、体の中心ではなく手先から動かそうとする人がほとんどです。

しかし、体は中心から動きます。より詳しく言うと、全ての動きは体の中心である仙骨からスタートします。
仙骨は、骨盤の核となる骨のことです(詳細は第1回:ゴルフの解剖学)。

手先から動かすと力んでスムーズな回旋動作にならない
仙骨スタートで体の中心から動くと可動域が広がる

赤ちゃんが寝返り動作をしている姿を思い浮かべてみてください。赤ちゃんは手先や足先から寝返り動作を行いますか?

体の中心から動いてゴロンと寝返りします!

赤ちゃんはでんでん太鼓のように、体の中心から回旋して寝返りを打っているのではないでしょうか。
体の中心から動くのが自然であり、本来あるべき姿なのです。

皆さんもでんでん太鼓になりきり、赤ちゃんのように回旋できる動作を習得し、可動域を広げていきましょう!

ゴルフ上達エクササイズ:胸椎でんでん

肩幅の高さに合わせるように枕を置いて、横向きに寝転がる。緊張を解いて脱力する。

体幹に対して腕が垂直になるよう下の腕を伸ばし、上の手と下の手の手のひらを合わせる。

上の手を目線で追いながら、下の手と一直線になるように、背骨から体を動かして腕を開いていく。

開ききったところから、元の手のひらに向けて背骨から体を動かし、でんでん太鼓のように反動でパチンと手のひらが合わさるところまで腕を戻す。

③と④を繰り返し反対側も行う。

●ポイント

でんでん太鼓になりきって体の中心から動かします。体の力を抜き脱力して行いましょう。
②も④も背骨が回旋した結果、肩が動き、肘が動き、手が動くというイメージです。手のひらを合わせた時に反動でパチンと音がするぐらい力が抜けている状態で構いません。

簡単そうに見えて意外と難しいのですが、赤ちゃんの時には誰もができていた動きなのです。
体の緊張を解いてリラックスした状態で行ってみてください。


監修:ゴルフ上達関節調律師 山本優子(やまもとゆうこ)

1992年生まれ、神奈川県出身。大学で医療と運動指導について学び、柔道整復師と日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーを取得。大学卒業後、パーソナルトレーナーなどの経験を経て、脱力関節調律®︎を独自に開発。2018年に個人サロンnaturacaを設立し独立。口コミだけで年間1000件以上の指導実績がある。2019年4月に自著『目かくしゴルフ』を出版し、一般社団法人日本脱力関節調律協会を設立、代表理事に就任。

naturaca

一般社団法人日本脱力関節調律協会

取材・編集/ゴルフサプリ編集部 坂本緑


ゴルフ上達関節調律師が解説「スイングが改善するカラダの使い方」

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関連リンク
第1回:ゴルフ解剖学
第2回:『胸椎バンザイ』エクササイズ
第3回:『胸椎でんでん』エクササイズ
第4回:『頚椎くるくる』エクササイズ
第5回:『仙骨ごろりん』エクササイズ
第6回:目かくしゴルフ
第7回:少しの「知識」と少しの「意識」で体は変わる!
第8回:脱力を意識する
第9回:呼吸を意識する
第10回:動作の癖を意識する