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ヨコシン(横田真一)と小技は遊びながら上手くなるvol.12

2020/03/17 ゴルフサプリ編集部

子供が何でも遊びから覚えていくように、ゴルフも遊び感覚で覚えるのが上達へ近道。奇才・ヨコシンのショートゲームの“遊びの流儀”を大公開!

横田真一

1972年生まれ。ツアー2勝。専修大学卒業。順天堂大学医学部研究科で修士号を取得。自ら監修の都内の練習場『YOKOTA GOLF BASE』では、レッシュ4スタンス理論に基づくタイプ別レッスンを行っている。

ヨコシン(横田真一)と小技は遊びながら上手くなる|トラックマンで遊ぶ

フェアウェイとラフとでスピン量の差をトラックマンで調べてみた

ラフから打つとどうなるか

長いラフ(実験は夏場に行われた)から50ヤードのアプローチショットを打つと、どれくらいスピン量が違うのか?

トラックマンで測定中

今回は、トータル飛距離とキャリーの飛距離、ボールの高さ、そしてスピン量を測定した。

ラフからのショットの測定結果

スピン量「1696(毎分)」、最高点の高さ「12.6ヤード」、トータル飛距離「51ヤード」、キャリーの距離「42.3ヤード」。

フェアウェイのスピン量はラフの4・5倍!

横田 今回は、トラックマンを使って遊びましょう。

──何をやりましょうか。

横田 ヤードのアプローチショットを、ラフとフェアウェイから同じ打ち方で打って、トラックマンで測定してみようと思います。

横田 50ヤードのアプローチショットを、ラフとフェアウェイから同じ打ち方で打って、トラックマンで測定してみようと思います。

──どういった違いがわかるのでしょうか。

横田 今回は、トータル飛距離とキャリーの飛距離、ボールの高さ、そしてスピン量を測定します。

──凄いですね! スピン量が全く違いますよ。

横田 短く刈ったフェアウェイはスピンがかかりやすい絶好のライです。一方、ラフはフェース面とボールの間に芝が入るのでスピン量が減ります。その差が出ましたね。

──あと、この実験結果から得られるヤードのアプローチの時のセオリー的なものはありますか。

横田 ラフでスピンが効かない球は、弾道が高いけれどランは出るということは覚えておきましょう。

──つまり、ファウェイから打つときはピンをデッドに狙い、ラフからのアプローチの場合はランが出るので、ピン手前にキャリーさせると距離感が合わせやすいということですね。

横田 その通りです。

フェアウェイから打つとどうなるか

短く刈ってある順目のフェアウェイという好条件のライから50ヤードの距離を打ってみて、ラフで打った時との結果を比較した。

トラックマンで測定中

トラックマンは、クラブスピード、ヘッド軌道、フェースアングル、入射角などクラブデータや、ボールの初速、バックスピン量、打ち出し角、打ち出し方向、最高点の高さなどのボールデータなどが計測できる。

フェアウェイのショットの測定結果

フェアウェイから打ったショットは、スピン量「7776」、最高点の高さ「7.8ヤード」、トータル飛距離「49.7ヤード」、キャリーの飛距離「43.8ヤード」。

ピンまでの距離は50ヤード

レーザー式距離測定器で、ラフとフェアウェイからそれぞれピンまで50ヤードの距離を測り、そこからアプローチショットを打って違いを検証する。

iPadで結果を見られる

練習場『YOKOTA GOLF BASE』でもトラックマンを導入している。iPadとデータ連携が出来るので結果を手元で確認できる。

ヨコシン(横田真一)と遊んで分かったこと|スピンはライしだい

ゴルフにまつわる“遊び”にヨコシンがレッスンを加えることで小技が学べるこの連載。今回は、スピンのかけ方を検証。

バックスピンは条件が揃えば誰でも簡単にかけられる

スピンがけの3点セット

バックスピンは
①スピン系のボールを使用する。

②ノーメッキのウェッジを使う。

③短く刈ったフェアウェイ。

この3つの条件が揃えば誰でも簡単に打つことができる。

技術的なポイント3点セット『フェースを開く』、『手元を低く』、『手首を返さない』

アドレスでフェースを開きやすいように、ハンドダウンにして手元を低くして構える。スイング的にはフィニッシュまで手首を返さないで振ることが大事。

これは基本フェース面を拭いておく

フェース面にウレタンボールのカバーのカスとか、芝、土などが付いているだけでスピンはかかりづらくなる。フェース面はショットの前にはタオルで拭いてキレイにしておくこと。

左手首のシワが伸びないように振れば激スピンになる

──実験で、スピン量は地面の芝の状態の影響を強く受けるということがよくわかりました。

横田 そう、スピンがかかるか、かからないかはライ次第です。さらに言えば、グリーン上で戻るバックスピンをかけるのも、条件が揃わないとプロでもなかなか難しいです

──その条件とは?

横田 まず、ボールがスピン系のボールであること。次に、ウェッジのフェース面がノーメッキであること。そしてフェアウェイからのショットであること。この3つです。特に最後のボールのライは大事で、ラフからではバックスピンはまずかかりません。

──アマチュアでノーメッキのウェッジを持っている人は少ないので、何か技術的にアドバイスをください。

横田 まず、フェースをよく拭くこと。これが打つ前の大事な準備です。

次に、アドレスでフェースを開き、手元を低くして構えます。そして、スイング中にこのフェースを開きっぱなしにすることがポイントです。フェースが閉じると激スピンはかかりません。アドレスの時に左手首に出来たグローブのシワが伸びないようにして打てば、フェースはずっと開いた状態になりますよ。

左手のグローブの皺が伸びないようにする

ハンドダウンに構えた時に、グローブの左手首の所にシワが出来る。スウィング中に、この左手首のシワを伸ばさないように意識して振るとフェースを返さずに振ることが出来る。

左手首はフェース面とリンクする

左手首の角度はフェース面の状態に影響するので、左手首はアドレス時のままキープすることが大切。

スピンをかけたいならフェース面の管理が大事!

前頁のトラックマンの検証で、ラフからはフェアウェイから打つよりも約5ヤードも最高点が高くなりました。ラフで打った時にはボールがフェース面を「滑っている」からです。滑る要因は、『ライの状態』が多くを占めますが、フェース面やボールの『材質』も大事です。

ボールは、飛びを重視した反発系よりもスピン系の方がスピンはかかりやすいです。ウェッジはステンレスよりも軟鉄、メッキよりもノーメッキがスピンはかかります。スピン系のボールと軟鉄ノーメッキのウェッジを揃えてもなお、バックスピンがかからないという人は、フェース面の管理が不十分ではないでしょうか。

打つ前に、フェース面に練習場のウレタンボールの白いカスとか、土や溝の挟まった砂粒、芝の葉っぱなど、そういったものが付いているとスピンがかかりづらくなります。
打つ前に、タオルで『フェース面を一拭き』する。このひと手間でバックスピンがかかるようになりますよ。

GOLF TODAY本誌 No.574 138~141ページより


ヨコシン(横田真一)と小技は遊びながら上手くなる

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