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驚くべき! 女子ツアーの「高ホールインワン率」

「いまどきツアーをデータ斬り!」国内外のゴルフツアーをあらゆるデータで一刀両断 Vol.26

2020/05/17 ゴルフサプリ編集部

 一般アマチュアで2000ラウンドに1回とも3000ラウンドに1回ともいわれるホールインワン。国内ツアーでの確率を調べると、はるかに高い数値が出た。特に女子ではこのところ確率が一段と高まっている。

驚くべき! 女子ツアーの「高ホールインワン率」

 ホールインワンはトーナメントを大いに盛り上げてくれる。昨年は男子で10回、女子では23回のホールインワンが記録された。伊藤園レディスでは最終日に最終組のひとつ前でプレーしていた勝みなみが17番ホールで達成。ホールを取り巻いた大勢のギャラリーから大歓声が巻き起こった。勝はこの一撃で500万円のホールインワン賞を手にしている。

勝みなみ

 では、国内ツアーにおいてホールインワンの確率はどれくらいなのだろうか。1990年以降の過去30年のデータを調べると、男子が673ラウンドに1回、女子が647ラウンドに1回という結果になった。女子の方がやや高いが、ほぼ同じ確率といって差し支えないだろう。
 ただ、この30年間を10年ごとに区切ってみると、興味深い傾向があることが分かった。1990年から99年までの10年間は男子が691ラウンドに1回で、女子が727ラウンドに1回、2000年から09年までの10年間では男子599ラウンドに1回、女子625ラウンドに1回と、ともに男子のほうが高確率だった。ところが直近の10年(2010〜19年)は男子が747ラウンドに1回だったのに対して、女子は601ラウンドに1回と逆転。しかも大差をつけたのだ。

渋野日向子

 女子は1/727、1/625、1/601と、どんどん確率が高くなっているのが特徴である。しかも2018、19年は24回、23回と初めて2年連続で20回を超え、確率もそれぞれ1/450、1/489と非常に高い。その一因となっているのが黄金世代だ。この2年間で、冒頭で紹介した勝のほか小祝さくら、渋野日向子、大里桃子、新垣比菜、河本結、吉本ひかるがホールインワンを記録している。しかも河本と吉本は2回達成しており、黄金世代合計では9回。実に全体の約2割を占めているのだ。

  • 河本結

  • 吉本ひかる

 最後に、気を吐いているベテランを1人紹介したい。41歳の李知姫だ。2001年から日本を主戦場にして以降、ずっと活躍している李だがホールインワンには長く縁がなかった。ようやく“第1号”を記録したのが2016年の日本女子オープン。すると、つきものが落ちたかのように毎年ホールインワンをやってのけ、昨年のデサントレディース東海クラシックでツアー史上初となる4年連続の金字塔を打ち立てたのだ。今年はさらに記録を伸ばすことが期待されるが、新型コロナウイスルの影響で中止となる試合がどんどん増えていくことがもどかしい。

李知姫

国内ツアーのホールインワン確率

男子 女子
1990〜99年 691ラウンドに1回 727ラウンドに1回
2000〜09年 599ラウンドに1回 625ラウンドに1回
2010〜19年 747ラウンドに1回 601ラウンドに1回


文・宮井善一
1965年生まれ。和歌山県出身。スポーツニッポン新聞社でゴルフ記者を8年間務め、2004年にフリーのゴルフライターとして独立。ゴルフ誌などに執筆のほか日本プロゴルフ殿堂オフィシャルライターとして活動している。元世界ゴルフ殿堂選考委員。

撮影トーナメント/
2019ダイキンオーキッドレディス
2019ヤマハレディース
2019日本女子オープン
2019富士通レディース
2019リコーカップ

撮影/相田克己 本誌編集部



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