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【状況別】アプローチの打ち方をプロゴルファーがレッスン|アイアン編

Q&A大特集・アイアン編

2020/06/20 ゴルフサプリ編集部

スコアアップの大きなカギとなるのがアプローチ。「グリーン周りまでパーペースで来たのに、そこから4打も叩いてダボになっちゃった〜」なんて経験、一度や二度じゃないはず。そんなもったいないを簡単に減らして、大幅なスコアアップを狙おう!

アプローチ上手の2ポイント

  • ポイント1:的確に状況を把握しよう
    球を上げて寄せるのか、コロがして寄せるのか、落とし所はどこがいいか。を瞬時に状況を把握して明確なイメージを持つことがアプローチでは重要だ。

  • ポイント2:クラブの重さを利用する
    全番手の中で1番重量のあるウェッジ。飛ばす必要のないアプローチは、手打ちではなく体を使って打つことが、再現性の高いアプローチショットにつながるのだ。

Q. ピッチ&ランでアプローチの距離感を出すには?

A. 左手首の角度を保って打つ

利き手の右手を意識すると感じを出しすぎるので、左手首を意識して角度を固定する。
エイミー・コガ(フリー)1995年8月26日生まれ。米国ハワイ出身。

リズムとフェース向きを一定にする

距離感を安定させるには一定のリズムで振ることと、フェースの向きを変えずに打つことが大切です。リズムは人それぞれなので、心の中で唱えたり、声を出しながら動いて養います。

フェースの向きを変えないためには、左手首の角度を変えないようにスイングするのがオススメです。インパクトに向かって手が前に出たり、すくい上げるように動くと必ず手首の角度が変わります。右手首でもいいですが、利き手だと感じが出すぎて強く入りやすいので、左手首の角度を固定する。小指側に力を入れてグリップすると、やりやすいと思います。

手首を使って打つと、インパクトで手が前に出たり、しゃくり打ちになる。

足を揃えてオープンに立つ

両足を揃えて立ち、スタンスごとオープンに構える。結果的にボールの位置は右寄りになる。

距離が伸びたら足を開く

15ヤードまでは両足を揃えて立つ。距離がそれ以上になったらスタンス幅を広めに。

Q. 転がしアプローチで確実に寄せるには?

A. 8番アイアンでヒールを浮かせてストローク

前田陽子(伊藤園)1984年11月26日生まれ。徳島県出身。ツアー通算2勝。

ボールの位置は真ん中

パットと同様に打てるようにセットアップ

転がしで寄せる場合、8、9番アイアンを使うことが多いですね。やり方は簡単でパットと同じように打ちます。ここで大事なのは、そう打てるようにセットアップすることです。

まずグリップを短く持ち、スタンス幅、ボール位置ともにパットと同じにします。次にクラブを吊るように構えます。こうするとボールに近づくのに伴ってヒール側が地面から浮きますがそれでOK。距離が近いほどヒールを浮かせます。

インパクトはフェースの先っぽ側で。両腕とクラブでできるY字を変えずに左右対称の振り幅で打ちます。コックを使わないことと、ヘッドアップに気をつけましょう。

手首を使ってクラブを上げない

腕とクラブでできるY字を保ってテークバック。手首を使って上げない。

フォローまで頭を残す

ボールの行方を気にすると体が早く起きる。フォローまで頭の位置を変えないように。

Q. バンカー越えのアプローチショットで寄せるには?

A. オープンに構え思いきりカットに振る

木下裕太 (フリー) 1986年5月10日生まれ。 千葉県出身。 ツアー通算1勝。

大きく振っても高く上がるだけ。振り幅を大きくとりスタンスラインに沿って思い切りよく振り抜く。

ゆるやかな入射角をイメージし、スタンスに沿って振る

寄せます。ポイントは前に飛ばないようセットアップすること。ウェッジ(ここでは59度)のフェースが空を向くくらい開いたら、それに合わせてスタンスを広げてオープンに立ちます。ボールの位置は真ん中より2個分ほど左。重心を下げて低く構えたら、目線を少し上に向けましょう。

スイングでは思いきりが大事。フルスイングしてもボールが高く上がるだけなので躊躇せず振ってください。自分でボールを上げようとする必要はありません。ヘッドの入射角をゆるやかにすることと、スタンスラインに沿って振ることの2点だけ気をつけてください。

目線を上げてアドレス

ボールを上げたいので6:4~7:3で右足体重。目線も少し上向きに。

フェースを開いてオープンに立つ

上げたい角度にフェースを開いたら、それに合わせて左を向く感じでオープンスタンスをとる。

Q. 寄せるためのアプローチの基本を教えて!

平らな花道は球は右足寄りに、手首を固めるだけ!

勝みなみ (明治安田生命)1998年7月1日生まれ。鹿児島県出身。ツアー通算3勝。

余計な思考は排除してスイングのことは考えない

フワッと高く上げるアプローチよりも、私の場合は低く出して、グリーンでキュキュッと止めるような球のほうが簡単。高く上げようとすると、開いて構えたりとか、バックスイングをちょっと外に上げてとか、こういうふうにヘッドを返してとか、考えなければならないことが多くあります。

でも、平らな花道の場合は、ただボールをいつもよりも右側に置いて、手首を固めて打てれば自然に低めのキャリーとスピンの効いたランが出てくれます。私は、アプローチではスイングのことを考えないで、落とし所だけに集中して打つことを大事にしています。

両足はこぶし1個分開く

スタンスは狭めで、こぶし1個分ほど開きます。あまり大きく開きすぎても体が回らなくなります。

フケ上がりをなくすために、グリップは短く

クラブを長く持つとヘッドをすくい打つような動きが出てしまうので、球がフケ上がるのを防ぐために、少し短めに持っています。

止めたい時は右親指の延長線上

フェースの上を球がコロがることでバックスピンがかかるので、止めたい時はヘッドの入射角が鋭角になるように、右親指の延長線上に球をセットします。逆にコロがしたい時は、球を真ん中にセットして、ヘッドの最下点で球をとらえるようにします。

Q. ラフからのアプローチショットでもフワッと打ちたい

A. ヘッド軌道の最下点を超えてからインパクト!

星野陸也(フリー)1996年5月12日生まれ。茨城県出身。ツアー通算2勝。

高い球を打ちたくても「上げようとしない」こと

フワッと球を上げたいとき、僕は手首を使ったり、球の下にヘッドをくぐらそうなどとは考えません。アドレスで球を左に置くのは、ヘッドが最下点を過ぎてからインパクトをしたいからです。ボールを自然にアッパー軌道でとらえられます。

そして、大事なのは、フォローでヘッドを高く持って行かないこと。アッパー軌道でインパクトをしますが、手を使ってかち上げるのは、手元に変な力が入ってしまい、ミスの原因になります。フィニッシュは体の前にクラブを収めること。これだけで意外と簡単に球が上がるアプローチが打てます

手を使って上げようとするとミスの原因に

手首をコネたり、フォローを高くすると、芝の抵抗に負けてしまう。クラブは常に体と一緒に動かすイメージで振る。
球はラフに少し沈んでいる状態からのアプローチ。
ヘッドの最下点を超えてからインパクトするために、最初から球を左足寄りにセットする。
スイングの最下点よりも先に球を置けば、自然とアッパー軌道でインパクトできる。

Q. 逆目からのアプローチでチャックりしたくない!

A. 10センチ手前からヘッドを滑らせる

手嶋多一(ミズノ)1968年10月16日生まれ。福岡県出身。ツアー8勝。

これくらい手前からソールを滑らせて打つ。ラフが長い状況ではグリップ圧を強めにする。

上から打ち込んじゃダメ!

芝の抵抗を減らそうとして上から打ち込むと、チャックりや大オーバーを招く。

ヘッドを下ろす位置で距離を調整

アマチュアが逆目でチャックりするのは上からヘッドを入れるから。なるべく芝に触れないようにするからだと思いますが、それは実は逆で逆目ほどヘッドを手前から入れます。というのも、フェースを開いてバウンスを使うと、さほど抵抗なく手前からヘッドが滑るからです。

ここで紹介している逆目なら、ボールの10センチくらい手前にヘッドを下ろして滑らせればOK。打ったあともヘッドは低く保ちます。

こうすればチャックりはしません。打つ距離はヘッドを下ろす位置で調整します。距離があるほど滑らす範囲が短くなりますが、正直、距離感を出すのはプロでも難しいですね。

フェースはわずかに開く

フェースを開くとバウンスが使えてヘッドが滑りやすくなる。開きすぎないように注意。

芝を擦るように振る

ボールの手前側だけでなくフォロー側もヘッドを低く滑らすようにするとタッチが出る。

Q. 深いラフの左足下がりからアプローチショットで脱出させたい

A. 左ヒザに寄せながら打つと簡単に脱出できる!

山内日菜子(ライク)1996年4月22日生まれ。宮崎県出身。

フェースターンは意識せずヘッドを低く出す

私がまずやるのはボールの落とし所を決めること。それができたら落とし所だけを見て素振りをします。振ったらヘッドが芝を削った位置を把握し、そこにボールがくるように構えます。ボールを上げたいのでフェースを少し開き、スタンスを広めにとって重心を下げる。体重は左足にかかります。

終始左足体重のまま、フェースターンを意識せずダウンスイングで右ヒザを左ヒザに寄せてゆけば、傾斜に沿ってヘッドを低く出せるので、ボールがフェースに乗ってフワッと浮いてくれます。

フェースを少し開き広めのスタンス

フェースを開き、スタンスを広めにとったら重心を下げてアドレス。左足体重になるが体ごと左に傾けないようにする。

終始左体重で向きを変えない

落とし所を見たまま行った素振りを再現。終始左体重でフェースターンを意識しない。

Q. 深いラフだと芝に負けてアプローチショットが上手く打てない!

A. 芝に負けないためにリズムをとって体の回転を使おう!

野澤真央 (愛知製鋼) 1997年3月11日生まれ。 愛知県出身。

強めに振ることを恐れないでしっかりインパクトする

深いラフは状況によって抵抗が変わるので、単純に「この距離だからここまで振る」と決められません。私の場合は素振りで芝の抵抗を感じ、それに見合った強さで振るようにしています。芝の抵抗が強いときのために回転しやすい狭めのスタンス幅で構えます。

一番いけないのはインパクトがゆるむことなので、素振りと同じスイングで打つことが絶対条件です。ゆるむ時は必ずリズムが遅くなりますから、心の中でリズムを唱えながら振っています。アマチュアの方は打ち急ぐことも多いですが、リズムを唱えればこれも防げると思います。

ボールは真ん中、足幅の狭いオープンスタンスで構える

ボールの位置は左右センター。体の回転で打てるようスタンスを狭める。ややオープンに立つと振り抜きやすくなる。

Q. どんなラフからのアプローチショットでもヘッドを振り抜いて球を上げたい

A. フォローでフェースが見えるくらい低く長くヘッドを出す!

ヘッドが低く動くとフォローでフェースが見える。ヘッドがボールを追い越すかたちでボールが上がる。
上井邦裕(三好CC)1982年10月28日生まれ。大阪府出身。

ハンドファーストや極端な左足体重はNG

深すぎるラフは、プロでもボールが上がらないライなので、絶対にスイングでボールを上げようとしないこと。その代わりアドレスでフェースを開き、広めのオープンスタンスをとる。つまりボールが上がるように構えます。ハンドファーストや極端な左足体重のアドレスはNGです。

これができればあとは振るだけ。体の回転でスイングしましょう。

フェースを閉じると打球が上がりませんから開閉はしない。フェースの向きは変えません。その結果フォローでフェースが見えるスイングになります。

ボールを上げようとするとトップ(右)、しっかり当てようとしてヘッドが上から入るとインパクトでロフトが立って飛びすぎる(左)。

撮影トーナメント/ブリヂストンオープン、NEC軽井沢72ゴルフトーナメント、スタンレーレディスゴルフトーナメント、富士通レディース2019
※2019年に取材したものも含まれます。

GOLF TODAY本誌 No.576 158〜167ページより

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