1. TOP メニュー
  2. HOTニュース
  3. 国内ニュース
  4. 永峰の初メジャー獲得は、データに裏付けされた納得の勝利!!

永峰の初メジャー獲得は、データに裏付けされた納得の勝利!!

「いまどきツアーをデータ斬り!」国内外のゴルフツアーをあらゆるデータで一刀両断 Vol.45

2020/09/27 ゴルフサプリ編集部

日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯を制したのはツアー1勝の永峰咲希だった。一見、「伏兵のメジャー制覇」といえそうだが、過去のデータを分析すると納得の優勝だったことが見て取れる。

永峰の初メジャー獲得は、データに裏付けされた納得の勝利!!

小祝さくららの黄金世代(1998年度生まれ)、西村優菜らのプラチナ世代(2000年度生まれ)、そして笹生優花らの新世紀世代(2001年度生まれ)と若手の世代間バトルも話題になった日本女子プロだったが、頂点に立ったのは彼女らより年長、1995年生まれの25歳、永峰咲希だった。
 
永峰はプロテスト合格翌年の2015年に早くも賞金シードを獲得し、2018年のフジサンケイレディスで初優勝とプロとしてしっかりした歩みを刻んできたが賞金ランキングでそれほど上位に来ることがなく、目立った存在とはいえなかった。今回の日本女子プロでも2打差4位の好位置で最終日を迎えていたが、メディアの注目は若手に集まり、伏兵の域を出ることはなかった感がある。

そんな永峰だが、日本女子プロは初出場した2015年から今回まで6年連続で決勝ラウンドに駒を進めている。大したことがなさそうなデータと思われるかもしれないが、永峰と同じ期間(2015〜2020年)、すべての年で予選を通過しているのはほかに賞金女王経験者である大山志保と全美貞しかいない。鈴木愛は今年と2015年の2回予選落ちを喫しているし、申ジエは昨年、ディフェンディングチャンピオンでありながら予選落ちしている。アンソンジュも2016年は決勝ラウンドに進めていない。女子ツアーを代表する実力者でさえできていないことを永峰は静かにやってのけていたわけだ。最高位は2016年の6位。今回の優勝は偶然でも何でもなく、しっかりした下地があったからだということが分かる。

現在の女子ツアーでは日本女子プロ、日本女子オープン、JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ、ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップの4大会が公式競技、いわゆるメジャーと呼ばれている。永峰はこのメジャー4大会通算でも2016年のワールドレディスを最後に予選落ちがない。今回の日本女子プロで14試合連続予選通過という安定感を示しているのだ。これも、そう簡単にできることではない。永峰のプロ入り後通算の予選通過率は約75%。悪い数字ではないが、トップクラスとはいえない。それでいてメジャーでこれだけ続けて予選通過できるということは、彼女のゲーム運びがメジャーの難しい舞台にマッチしているのかもしれない。

永峰咲希の日本女子プロ年度別成績

年度 順位
2015年 13位
2016年 6位
2017年 46位
2018年 46位
2019年 44位
2020年 優勝


文・宮井善一
1965年生まれ。和歌山県出身。スポーツニッポン新聞社でゴルフ記者を8年間務め、2004年にフリーのゴルフライターとして独立。ゴルフ誌などに執筆のほか日本プロゴルフ殿堂オフィシャルライターとして活動している。元世界ゴルフ殿堂選考委員。


撮影トーナメント/
2020ニトリレディスゴルフトーナメント
2020ゴルフ5レディスプロゴルフトーナメント
撮影/JGMA



いまどきツアーをデータ斬り!
←飛ばし王・デシャンボーが17年ぶりに記録更新!
デシャンボーのメジャー初Vを支えたのは“小技”の成長!→

 Vol.44(前回)へ Vol.46(次回)へ


シリーズ一覧へ