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PGAツアー激闘のマンデートーナメントを突破! “2度死んだ男”と “Mr.マンデー”

佐渡充高のテレビでは語れなかったPGAツアー

2020/12/08 ゴルフトゥデイ 編集部

ゴルフ番組やゴルフ雑誌ではあまり語られることのないトピックを、ゴルフジャーナリストやトーナメント中継の解説者として活躍する佐渡充高が取り上げ、独自の見解とともにお届けします。

GOLF TODAY本誌 No.582/123ページより

●文/佐渡充高
さど・みつたか
上智大学法学部卒業。1985年に渡米し、USPGAツアーを中心に世界のゴルフを取材。NHKゴルフ解説者。

熾烈な出場権争いが繰り広げられるPGAツアーのマンデー通過者から、2人の選手をピックアップ

1度でもPGAツアー出場を果たすことは、プロゴルファーの夢。

今季第4戦目10月のサンダーソンファームズ選手権でもマンデー(月曜開催の4枠を争う出場権獲得試合)はヒートアップ! 一発勝負&ラストチャンスのマンデーは、元勝者も挑戦する熾烈な場。狭き門を突破し出場を果たした2選手が強く印象に残った。

トップ合格したのは自称「2度死んだ男」ジェイ・マクルーエン(40歳)。今回で13試合目。予選通過も4回となり63位だった。

17年10月7日朝、ジョージア州の自宅で子供とテレビを見ていた最中に突然倒れ心肺停止に。救急救命士の適切な対応で何とか命を留めた。が、救急搬送後に再び心肺停止。AEDで電気ショックを7回、心臓マッサージ等で蘇生した。その後ペースメーカー植え込み手術やリハビリを経てプロ競技に復帰できるまで回復した。

思い起こしたのはエリック・コンプトン(40歳)。2度の心臓移植手術から復帰し14年全米オープン2位、下部ツアー1勝と活躍する奇跡のプレーヤーだ。彼に初めて会ったのは20年ほど前のこと。今田竜二選手に会うためジョージア大学を訪れた際、チームメイトだった彼は自分の体調を考えて休み休み練習していた。
 
プロ転向後パーマー招待で再会した際は「つらいのは成績より大量の薬の服用だよ」と笑顔だった。

今は「ウィルス感染は僕にとって命に直結」と厳重対策で下部ツアーに出場中。
マクルーエンは今年1月下部ツアー出場時にコンプトンと同組に。ガッツあふれる姿に感銘を受け、よりポジティブに挑戦を続けている。

6月にTPCソーグラスで開催されたコーン・フェリー・チャレンジに出場したエリック・コンプトン。3日目の18番グリーンでヒジをタッチして健闘讃えあっている。左手前のブルーのポロシャツの選手。

もう一人は2枠8人によるプレーオフを勝ち抜き出場した南ア出身MJダフィ(31歳)。ディズニーの“ダッフィー”そっくりの愛されキャラだ。11歳の時、母国のヒーロー、全米オープン2勝のレティーフ・グーセンと一緒にプレーしゴルフの虜に。テキサス州ラマー大学に留学し、卒業後にプロ転向した。

ミスター・マンデーと言われ、PGAツアーと下部ツアー計14回挑戦し9回突破。今大会はPGAツアー出場5試合目で最高位の12位タイと大健闘。7月ワークデーチャリティも2位で突破し本選22位で世界ランク1300位以下から700位台へ急上昇! 次戦のスポンサー推薦を得たほど期待大の選手となった。

“マンデー突破から優勝”を実現したのは過去40年で5人。直近は昨年テキサスオープン。カナダ出身コーリー・コナーズ(28歳)が最後の1枠を争う6人プレーオフから勝ち上がり本戦出場、劇的初優勝。この勝利で翌週マスターズへの最後の切符も獲得! 彼のサクセスストーリーがマンデーをさらに熱くしている。


【佐渡充高のテレビでは語れなかったPGAツアー】
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