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高級クラブPXGのアイアンを試打レビュー|お値段通りの価値はあるのか!?

野村タケオの!!ゴルフ実験室

2020/10/08 ゴルフサプリ編集部

野村タケオのゴルフ実験室タイトル画像

みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。

みなさんはPXGというクラブメーカーを知っていますか?正式には「PARSONS XTREME GOLF」という名前です。名前を聞いたことはなくても、ロゴマークや特徴的なクラブのデザインを見れば「あ~あれか!」ってことになるかもしれません。

PXGを知っている人であれば「あのめっちゃ高いクラブでしょ?」って思う方も多いでしょう。そう、めっちゃ高いんですよPXGのクラブって。例えばドライバーだと12万円くらいから(装着シャフトによってもっと高額になる)、アイアンも装着シャフトにより価格は変わりますが、なんとヘッド1個が5万円くらいにもなるんです。ヘッド1個の価格ですよ、1個。

5番からPWまでの6本セットを買って、当然シャフトを挿してグリップ付けて、工賃まで入れたら楽に40万くらいにはなっちゃう。なのでPXGでドライバーからパターまでセットで揃えると100万円を軽~く超えちゃう・・・。これは僕たち一般ゴルファーには全く手の届かない値段っす。まさにセレブのクラブ!

しかしそこまで高いクラブって、さぞ高性能なんだろうな~と思うわけで、一度使ってみたいという気になりますよね。そんな超高級クラブのPXGアイアンを、一般おっさんゴルファーの僕がひょんなことから手に入れちゃったので、本当にそんなに凄いクラブなのか?価格に見合った性能があるのか?ってことを検証してみたいと思います!

撮影/野村タケオ

PXGってどんなゴルフクラブメーカー?

PXGアイアン,ヘッド部分のアップ写真

PXG(PARSONS XTREME GOLF)はインターネット関連企業の経営者で大富豪のボブ・パーソンズ氏が立ち上げたクラブメーカー。

大のゴルフ好き、クラブ好きだった彼が数千万円分ものゴルフクラブを買って使っても全く満足ができなかったために、それならコストを度外視しても自分が満足のできるクラブを作ろうということで、大手ゴルフメーカーのエンジニアを引き抜き、2014年にアリゾナ州スコッツデールにPXGを設立しました。

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野村タケオ’s セレクション「PXG 0311 P(GEN2)」

PXG 0311 Pのヘッド部分,フェース面のアップ写真

PXGというメーカー、最初にも書いたようにとてもお高いわけですが、僕がなぜそんなクラブをゲットできたのか?

宝くじが当たったわけでも、コロナの給付金を全部つぎ込んだわけでもないです。たまたまアメリカでお得なセールをやっていたので、アメリカ在住のゴルフ友達に頼んで買ってもらい、日本に送ってもらったんですよ。定価で買うよりもかなりお得な値段で買えたのでとてもラッキーでした。そんなことでもないとセットで40万以上にもなるようなクラブ買えないですからね~。

で、ボクが買ったのは0311 GEN2というシリーズの「P」というモデル。

0311 GEN2には「T」「P」「XF」「SGI」という4つのモデルがあり、「T」は一番ヘッドが小さくソールが薄めで、プロや上級者が使いやすいモデル。そしてボクが買った「P」は「T」よりはヘッドが大きめでソール幅も広く優しさのある一般的なゴルファーが使いやすいモデルになっています。「XF」と「SGI」はさらにヘッドが大きくソールが厚くなり、優しくボールを上げられるモデルとなっています。

GEN2という名前は「GENERATION2」ということで0311アイアンの2世代目ということ。実はすでにGEN3というモデルも発売されていますが、少しバックフェースのデザインが変更されていて、個人的にはGEN2のほうが好みかな~。GEN3も良さそうだけどね。GEN3が出たこともあって安くなっていたのかもね。

PXG 0311 GEN2のロゴアップ写真

このアイアン、実は中空構造になっていて、その空洞部分に振動を低減して反発力の高い樹脂を注入してあるんです。その構造プラス極薄のフェースを採用することでボール初速が速く飛距離が出て、ミスヒット時でも大きく曲がったり飛距離が落ちすぎることがないようになっています。

やっぱカッコ良いのよね。

まずは見た目ですが、これは好みの問題になってくると思いますが、ボク的にはカッコ良いな~と思います。

まずロゴが結構カッコ良いのと、バックフェースのネジみたいなのがアクセントになっていてカッコ良い。けっこうシンプルなんだけど、ネジが効いてて「なんか凄そう」感が出てる。ネジって言っちゃって良いのかな?(笑)ちなみにこのネジはタングステンで、ヘッドの外側に重量を配することで慣性モーメントを高める役目を果たしています。

構えてみると少しグースがあって、ヘッドはほんの少し大きめかな~って感じ。ボク的には捕まるイメージが出るヘッド形状なので好きですね。トップブレードも少し薄く見えるようにカットしてあり、ある程度シャープな感じがしてターゲットに対して構えやすいです。ソールは薄すぎず厚すぎずって感じ。ロフトは7番で31度なので、最近のアイアンとしては特に立っているわけではないですね。

このアイアンの特徴はなんといってもバウンス角の大きさ。7番で9度もあります。あまりアイアンのバウンス角を公表しているメーカーは少ないのですが、やはりアイアンもバウンスが大きいとダフリには強くなるので、ボクはバウンス大きめアイアン大好きです。これは期待しちゃいますね。

アイアンのバウンス角のアップ写真

PXG 0311 P(GEN2)アイアンをコースで打ってみた!

PXG 0311 P(GEN2)アイアンを、さっそくラウンドで使ってみました!

まずは打感ですが、中空構造とはいえ、空洞部分に樹脂が注入されていることでかなりしっかりとした打感です。芯で打てた時はかなり気持ちいいし打音もビシッと低めの音でとてもいい。多少芯を外しても変な振動が伝わってこないので、けっこう打感は良いです。

フェースの反発力はかなり高めで、飛距離性能も高い。スピン量が少なめな感じがしますが、高さがしっかり出るのでグリーン上ではちゃんと止まってくれます。ボールを曲げるというよりは、まっすぐターゲットに打っていく感じですが、曲げようと思えば曲がらなくもないって感じかな。

コースで使って一番感じたのはやはり優しさ。ミスヒットでのブレは少ないし、なによりはやりバウンスが効いてて多少手前から入ってもほとんどミスにならないし、飛距離の落ち込みも少ない。このあたりは期待通りでしたね。

PXGのロゴアップ写真

結論!PXGのアイアンはお値段の価値はあるのか?

数ラウンド使ってみての感想ですが、性能面に関してはかなり平均点の高い優秀なアイアンではないかと思います。

まずミスヒットに強い。芯を外したときも、ダフリ気味に入ったときも、大きな怪我をせずにすみます。飛距離も出るし、直進性が高く曲がりも少ない。ヘッド形状もボクが買った0311Pだと大きすぎず小さすぎずで安心感があります。打感や打音に関しても合格点じゃないでしょうか。

不満な点があるとすれば、芯で捉えたという爽快感は少ないってことですかね。どこで打ってもそこそこの球が出て、そこそこの結果になる。ミスったな~と思っても、自分で感じているほどのミスにならない。これはとてもありがたいことなのですが、自分の感覚と結果が揃わないことで、ほんの少しですがモヤッとした気持ちになります。贅沢な悩みですけどね。

デザインに関しては少し特徴的なので、好みが分かれるかもしれませんが、かなりカッコ良いと個人的には思います。機能だけでなく、そういう部分も大事ですからね。

ただ、ヘッドが1個5万円の価値があるのかということに関しては、あくまでも個人感想としては、やはり少し高すぎるかなと。とてもいいヘッドなのは間違いないですが、その値段の多くはブランド代なのではないかと思います。

しかし基本的にPXGはフィッティングをして、その人にピッタリなクラブに調整してもらう買い方となっているので、その点を考えればそこまで高くないと考える方もいらっしゃるでしょう。

値段のことを別にすれば、ボクとしてはかなりおすすめできるアイアンだと思います。高くてもカッコ良いから使ってみたいという人は一度使ってみるのもいいと思います。たしかにバッグに入っているPXGアイアンを見ると、なんとも言えない満足感があることは間違いないですね。

最後に、ボクのように海外から買ったクラブは日本の取扱店では保証を受けられませんのでご注意ください。また偽物も出回っているようなので、できれば正規品を買われることをおすすめします。

<取材・文>ゴルフバカイラストレーター 野村タケオ

野村タケオの自画像イラスト,親指立ててナイスのサイン


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