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ドライバーは「左腕のちょいヒネリ」で真っすぐ飛ばせる!

大西翔太コーチが教える「ゴルフスイングのツボ」 VOL.1

2020/11/06 ゴルフサプリ編集部

理論をわかりやすく展開し、実戦ですぐに役立つレッスンで大人気の大西翔太コーチ。
その大西コーチが、誰も知らなかったゴルフスイングのツボをこっそり教えてくれた。第1回目は、今どきのドライバーを真っすぐ打てるようになる方法をレクチャー。誰でも簡単にできるというから、すぐに試してみよう。

大西翔太
おおにし・しょうた/1992年6月20日生まれ、千葉県出身。水城高校ゴルフ部を経てティーチングプロの道に進む。日本プロゴルフ協会公認A級の資格を取得。現在はジュニアの育成に尽力する一方で、青木瀬令奈のコーチもつとめる。メンタルやフィジカルの知識も豊富。女子ツアープロの大西葵は実妹。

テークバックの始動で左前腕部を少し「外旋」させるのが真っすぐ飛ばすコツ

右に飛んでしまう原因は、テークバックでフェースを開きすぎるから

皆さん、こんにちは。ツアープロコーチの大西翔太です。1人でも多くのゴルファーの方々に参考にして頂けるようなゴルフスイングの情報をお届けしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

さて、ゴルフの一番の醍醐味といえばドライバーの飛ばしですよね。今どきのドライバーはヘッド体積が460ccまで大きくなり、直進性や操作性の性能がアップして、プロやシングルゴルファーたちも「球が曲がりにくい」、「真っすぐ飛ばせる」とよく口にします。曲がり幅が軽減されるから、ミスを恐れずに思い切りよくスイングでき、飛距離アップを実現させてくれるのです。

ところが実際はどうでしょうか。今どきの「曲がらない」、「真っすぐ飛ぶ」が謳い文句のはずなのに、やっぱりスライスが出てしまうと悩んでいませんか? 僕のところにも「スライスが直らないんだけど、どうすればいい?」と訊ねてくる方も多くいらっしゃいます。どうしてスライスが生じるかというと、一番の要因はテークバックでフェースを開きすぎてしまうこと。グリップをカラダからなるべく離さないで、クラブヘッドをカラダの外側に上げるのが正しいテークバックなのに、グリップがカラダから 離れるとクラブヘッドをインサイド方向に低く引いてしまうことになります。

今どきのデカヘッドのドライバーは重心距離が長くなっています。重心距離とはシャフトの軸線からフェースの重心までの長さのことで、これだけヘッドが大きくなるとインパクトでフェースが返りにくいという性質があります。テークバックでフェースを開いてしまうと、インパクトでフェースをスクエアに戻すのが難しい。フェースが開いた状態でボールをとらえるため、ボールが最初から右に飛び出してしまいます。スライスしているように見えるかもしれませんが、実際はそれほど右に曲がってはいなくて、出球が右になっていることが多いのです。テークバックでフェースを開きすぎているゴルファーがすごく多いので、スライスに悩んでいる方は自分のスイングをもう一度チェックしてみましょう。

真っすぐ飛ばせるドライバーなのに球が右に飛んでしまうのは、テークバックでフェースを開きすぎるのが一番の原因。
テークバックでグリップがカラダから離れるとクラブヘッドはインサイドに低く上がり、フェースが大きく開く。
スライスが出てしまう人は、テークバックでフェースが上を向いている。自分のスイングを一度チェックしてみよう。
腕がムダに動くため、トップが安定しにくい。テークバックで開いたフェースはインパクトでスクエアに戻りにくくなる。

左ヒジから先を自分から見て少し左側にヒネるだけでOK

では、今どきのデカヘッドで真っすぐ飛ばせるようになるコツをお教えしましょう。難しいことは何もしなくて結構です。テークバックで左腕に「ちょいヒネリ」を加えるだけです。アドレスを作ったら、テークバックのときに左の前腕部を少し「外旋」させるのです。外旋とは自分から見て左側に回す動きのことで、左ヒジから先をちょっとヒネるだけでフェースの開きを完璧に封じ込むことができます。

テークバックでフェースがボールを見続けるイメージで、シャットフェースに上げていくイメージです。クラブヘッドが右腰くらいの高さに上がったポジションで、飛球線後方のアングルから見るとフェース面と背中のラインが平行となるのが理想です。あとは左前腕部にちょいヒネリを加えた状態でトップへと上げていき、インパクトに向かって振り下ろしましょう。こうすればインパクトでフェースは絶対に開きません。出球の方向が安定し、曲がり幅も驚くほど小さく抑えられます。

クラブを胸の前で構えてください。フェースの向きがスクエアでも左前腕部を右側にヒネると、フェースがすぐに開きますよね。同時に左手首が甲側に折れる「背屈」が生じやすいこともわかります。この動きがインパクトでオープンフェースとなる原因ですから、これを封じ込むために左前腕部を逆側に少しヒネってあげるのです。左手の甲が真下を向くほど極端に左にヒネっては、インパクトでフェースがかぶりすぎてヒッカケが生じますから、あくまでも「ちょいヒネリ」の感覚でテークバックしましょう。

実際のテークバックはクラブヘッドの重心移動や慣性モーメントでフェースは自然に開きます。でも今どきのドライバーはフェースの開閉を使わないのが合理的ですし、意図的にフェースを開こうとしたり、インサイドに上げようとしたりしないほうがいい。そうした意味でも左腕のちょいヒネリでフェースをシャットに上げていく感覚を大事にしてください。これで今どきのドライバーで気持ちよく飛ばせるようになりますよ。

左の前腕部を少し左側にヒネりながらテークバックしよう。グリップをカラダから離さないイメージだ。
右腰の高さでフェース面と背中のラインが平行に重なって見えると正しいテークバックの目安となる。
テークバックはフェース面がボールを見続けるイメージ。
腕の無駄な動きが抑えられてトップがコンパクトになるが、捻転は深い。
左腕のちょいヒネリを加えたままでスイングすればインパクトでフェースが開かず、ボールがよくつかまる。
クラブを胸の前で構えてみよう。左前腕部を内側にヒネればフェースが簡単に開く。左手首が甲側に折れることもわかる。
左前腕部を外側に軽くヒネるだけでフェースが閉じてくる。同時に左手首が手のヒラ側に折れる「掌屈」も生じることが体感できる。
左腕のちょいヒネリは、体の真正面でインパクトを迎えやすくするメリットが大きい。
テークバックでフェースが開く人は、インパクトで左ワキがあきやすいことも知っておこう。

最後に動画でチェック!

テークバックで左ヒジから先の「ちょいヒネリ」を入れれば、インパクトでフェースが絶対に開かない!

※動画はショット音が流れますので音量にご注意ください。

取材・文/三代 崇
写真/渡辺義孝
協力/船橋カントリークラブ



大西翔太コーチが教える「ゴルフスイングのツボ」

 第2回(次回)へ

【シリーズ一覧】
●第1回:テークバックの始動で左前腕部を少し「外旋」させるのが真っすぐ飛ばすコツ
●第2回:バックスイングでは左ヒザをなるべく動かさないように「我慢」しよう
●第3回:手やグリップをカラダから遠ざける感覚でダウンスイングしよう
●第4回:今どきのアイアンは、スイング軌道の最下点でボールをとらえるのがいい
●第5回:タオルを使った練習法でスイング軌道とクラブの入射角を整えよう
●第6回:アプローチの打ち方はシンプルがベスト! 手先に頼った複雑なスイングはもうやめよう
●第7回:歩く動作のナチュラル感覚をアプローチスイングに応用する
●第8回:ボールの1個手前をめがけて、クラブを鈍角に入れるのが今風のバンカーショット
●第9回:カップを大きな円と仮定し、アプローチ感覚でストロークすればタッチが合いやすい
●第10回:タイガーのようにカップを狙い撃ちするつもりでストロークするのがコツ!
●第11回:フェースよりもソールを使うことを意識するとグッドショットの確率アップ