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「上体リラックス&下半身どっしり」アドレスなら、グッドショットを量産できる!!

大西翔太コーチが教える「ゴルフスイングのツボ」 VOL.14

2021/02/05 ゴルフサプリ編集部

理論をわかりやすく展開し、実戦ですぐに役立つレッスンで大人気の大西翔太コーチ。
その大西コーチが、だれも知らなかったゴルフスイングのツボをこっそり教えてくれた。第14回はグッドショットの確率が上がるアドレスの作り方のポイントをレクチャーする。「なんとなくアドレスがしっくりこない」という人は必読だ。

お腹に力を溜めて構えれば、アドレスの姿勢のバランスがよくなる

お尻を上から持ち上げられている感じで下半身に安定感を出そう

皆さん、こんにちは。ツアープロコーチの大西翔太です。今回はアドレスの基本について説明していきたいと思います。皆さんもよくご存知のように、アドレスはクラブを正しい軌道で、スムーズに振るための準備姿勢です。アドレスの姿勢がよくないとスイングの軌道が安定しにくく、ミート率も低下します。アドレスの良し悪しがそのままショットの結果に表われてしまうのです。

ミスショットが出ると多くのゴルファーはスイングを疑おうとしますが、その前にアドレスをチェックすることが大事。プロたちはショットの調子がおかしくなると、真っ先にアドレスをチェックします。ミスショットの原因の7〜8割はアドレスの間違いにあるといわれるからです。

目標に対してスクエアに構えられていなかったこともミスの原因となりますが、ここではアドレスの姿勢にポイントを絞ってお話します。アドレスで重要なのはバランス感覚です。安定感と柔軟性を備えていて、バックスイングのカラダの捻転やダウンスイング以降のカラダの高速回転をしっかりと支えられることが条件となります。

そのためにも「上体はリラックス、下半身はどっしり」の感覚で構えましょう。何となく立っているだけという感じで下半身に安定感がないと、スイング中に足腰が必要以上に動いてクラブヘッドの軌道がブレてしまいます。また前傾姿勢が深すぎたり、背中を伸ばそうとして胸を反らせすぎたりしてもNGです。

アドレスの作り方としては、まず両足を肩幅くらいまで広げて直立の姿勢になります。そして両足のツケ根から上体を折り曲げます。軽く会釈するように、骨盤のところから上体を前傾させるのです。ここで大事なのは、お尻を上から持ち上げられるイメージを持つこと。そうするとお尻が少し後ろに下がり、あとは両ヒザを軽く曲げるだけで下半身の全体にどっしり感が生まれます。最後に両肩の力を抜いて、両腕を自然に下げたポジションで両手をグリップすればアドレスが完成です。

もう一つ大事なポイント。アドレスしたらお腹に力を溜めてつもりで、腹筋を引き締めましょう。上体と下半身のバランスがよくなり、だれが見てもグッドショットを予感させるようなアドレスが作れます。アドレスがルーズになっている人は、お腹が緩んでいます。自分では気づかないうちにアドレスが崩れてしまうことも多いですから、ときにはスマホで撮影してもらったり、鏡で確認するなどしてチェックしましょう。

下半身に力感のない棒立ちの構え(左)や、前傾姿勢が深すぎる構え(右)ではミスショットが生じやすい。
直立の姿勢から、両足のツケ根を起点にして上体を軽く折り曲げる。
お尻を上から持ち上げられるイメージを持つと、下半身にドッシリ感が生まれる。
両ヒザを軽く曲げて、両腕を自然に下げた位置で両手をグリップ。そしてお腹に力を溜めておこう。
上体を折るときに背中が丸くなったり(左)、背中を伸ばしすぎて胸を張ったり(右)しないように注意。

右サイドを避けたいときはハンドレートに構えるのが効果的

ドライバーショットのアドレスのポイントとしては、スタンスは自分の肩幅よりやや広め。体重を左右均等か、6対4くらいの割合で右足に多めに乗せておきます。そしてボールの位置は左カカト内側か、それよりも少し内側。左ワキの前を基準にするといいでしょう。そして両手はカラダの中心線よりもやや左足寄り、具体的には左モモのツケ根の前となります。これらのポイントが基本ですが、ホールのシチュエーションによっては、アドレスを微調整するのもいいと思います。

ボクがよくやるのはグリップの位置の微調整です。両手を左モモのツケ根の前にセットするのをベースとして、フェアウェイの右サイドがOBなど、「右に行かせなくないな」と思ったときは、両手をシャフト1本分くらい右足寄りにずらします。両手がほぼカラダの中心線の前となるからハンドレートに構える感じとなりますが、こうするとフェースが少しかぶってきて、球がつかまりやすいのです。徹底的に右サイドを避けたい場合は、コブシ1個分ほど右足寄りにずらすこともあります。

普段はスライスがあまり出ないけど、「今日はスライスがよく出るな」という日の応急措置としても役立ちます。逆にフェアウェイの左サイドを避けたいときや、ボールが左ばかり飛んでしまうという日は、両手を左足寄りに少しずらしてハンドファーストを強めるといいでしょう。フェースがやや開くので、ショットの方向性を修正しやすくなります。こうしたポイントも頭に入れておくと、フェアウェイキープ率がアップします。

「今日に限ってスライスがよく出るな」という日は、インパクトでフェースが開いているのが原因。
通常のドライバーショットは両手を左モモのツケ根の前にセット。ボールの位置は左カカト内側の前が基本。
右サイドが怖いときや、ボールを右に行かせなくない場合は両手をシャフト1本分右足よりにずらすといい。フェースが自然にかぶってくる。
右サイドを徹底的に避けたいなら、グリップ1個分ずらしてハンドレートに構えるのもOK。プロたちがよくやるアドレスの微調整法だ。
右サイドを回避し、左サイドへと打ちたい。ショットの目的に応じてアドレスを調整するコツを覚えれば、グッドショットの確率がアップ。

最後に動画でチェック!

上体はリラックスさせて、下半身はどっしりと構えよう。スイングの軌道が安定して、フィニッシュまで気持ちよく振り抜ける。

※動画はショット音が流れますので音量にご注意ください。

取材・文/三代 崇
写真/渡辺義孝
協力/船橋カントリークラブ

大西翔太
おおにし・しょうた/1992年6月20日生まれ、千葉県出身。水城高校ゴルフ部を経てティーチングプロの道に進む。日本プロゴルフ協会公認A級の資格を取得。現在はジュニアの育成に尽力する一方で、青木瀬令奈のコーチもつとめる。メンタルやフィジカルの知識も豊富。女子ツアープロの大西葵は実妹。


【大西翔太コーチが教える「ゴルフスイングのツボ」】
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