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ライン読みはグリーンに上がる前から始まっている。藤田寛之が教えるグリーンの読み方&打ち方

第1回 グリーン全体を読む

2021/04/12 ゴルフサプリ編集部

ツアーで指折りのパター巧者として知られる藤田寛之が、長年の経験で導き出した「グリーンの読み方と打ち方」を伝授。この連載で3パットの撲滅はもちろん、ワンランク上のゴルフを手に入れよう!

GOLF TODAY本誌 No.586/138〜141ページより

遠い位置からグリーン全体を見渡す

グリーン上で「ラインが読めない」「上りか下りかわからなくなることがある」という人は、グリーン全体のおおまかな傾斜をつかむことから始めましょう。

ポイントは、なるべく遠い位置から、視野を広くして、グリーン全体を見渡すことです。パー4の場合、私は2打目を打つ前にグリーンの傾斜をチェックしますが、100ヤード付近からでもOK。グリーンに近づきすぎると、全体を見渡せなくなるので注意してください。

そしてグリーンに向かって歩きながら、グリーンの「一番高い所」と「一番低い所」を探します。この二つの地点がわかれば、全体のおおまかな傾斜がつかめるからです。パットのラインを正確に読むには、グリーンに上がる前の作業がとても重要なんです。

残り100ヤードを切ったら、グリーン全体を見渡し、どのような形状なのかを確認する。視野をできるだけ広くして、全体を大きく見るクセをつけよう。

グリーンの手前が一番低く、奥が一番高ければ、いわゆる「受けグリーン」で、手前から奥に向けて上り傾斜、奥から手前に向けて下り傾斜になる。「日本のゴルフ場の7-8割はこのタイプ」と藤田プロは言います。

面の傾き具合でボールの曲がり方と速さを予想する

一般的な「受けグリーン」でもタイプはさまざまで、一筋縄では攻略できません。そこで私は、グリーン全体を「一つの面」としてとらえ、その面がどちらに傾いているかを観察します。グリーンの一番高い所と、一番低い所を探すのもそのためです。

「面」の傾き具合を見れば、全体的なボールの曲がり方が予想でき、ラインの読み間違いが少なくなります。加えて、グリーンの速さも感じ取れるので、タッチが合う。受けグリーンでなくても、「面が奥に向かって傾いているz「面が二つに分かれている」というように、グリーン全体を「面」でとらえることが重要です。

面の傾き方がわかれば、上り、下り、フック、スライスがおおまかにわかり、同時に速さ(スピード)も感じ取れる。自分のパットのラインだけにこだわりすぎて、グリーン全体の傾斜を把握しないと、「木を見て森を見ず」の状態に陥り、ラインを読み間違えてしまう。

左奥から右手前に傾いている

上の写真のグリーンは進行方向の左奥が一番高く、右手前が一番低いため、面が右斜め下に傾いている。このおおまかな傾斜をグリーンに上がる前につかんでおく。

カップとボールのどちらが高いかを外側から観察する

グリーンに上がる前に、もう一つやるべきことがあります。それは、カップ(ピン)とボールの位置関係をチェックすることです。カップとボールのどちらが高いのか、その高低差はどのくらいなのかをよく観察しましょう。

そして、グリーンの面の傾き具合と合わせて、おおまかなラインを予想します。「全体的に上りのフックだな」「下りのスライスで速そうだな」といったことを予想しながらグリーンに上がることが大切。面の傾きを見ずにグリーンに上がってしまうと、周りの景色や足もとの傾斜に惑わされて、上りか下りかもわからなくなることがあるので注意してください。

イラスト左)カップのほうが高ければ、中間に複雑なラインが加わっても、全体的には上りになり、強めのタッチが必要になる。
イラスト右)カップのほうが低ければ、下りのラインになり、その高低差を考慮してグリーンの速さ(スピード)を予想する。

グリーンに上がってからでは遅い!

上りか下りかわからなくなるのは、グリーンに上がってからラインを読み始めるのが大きな原因。周りの景色や足もとの傾斜に惑わされたり、錯覚を起こしやすい。

藤田寛之
ふじた・ひろゆき
(葛城GC)
1969年6月16日生まれ。168㎝、70㎏。福岡県出身。ツアー18勝。年齢を重ねるごとに勝ち星を増やし、40代で12勝をマーク。2012年には年間4勝を挙げて43歳にして初の賞金王に輝いた。23年連続で賞金シード入り。得意クラブはパター。

取材協力/葛城ゴルフ倶楽部


【藤田寛之が教えるグリーンの読み方&打ち方】


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