今どき最新モデルの『5番アイアン』はやさしい？ それとも難しい？
ゴルフトゥデイ編集部員がFW&UTと5番アイアンのやさしさを比べてみた
最近のアベレージゴルファー向けアイアンは、ロフトが立っているのに、球が上がるしつかまりもいい、しかもミスヒットにも強く飛距離も出る。
一言でいえばスゴクやさしい。これなら普通に使えるのでは？ ということで、ゴルフトゥデイ編集部員がFW・UTと打ち比べてみた。
撮影協力／サザンヤードカントリークラブ 撮影／相田克己
最近の5番アイアンは『上がる・つかまる・しかも飛ぶ』と思うんだけど！
『5番アイアンはロフトが立っているし、クラブが長いから当たらない！難しいから使わないほうがいいのだ！』
そんな意見が多勢を占める中、ゴルフトゥデイ編集部員のゴルフライダーKは一人……『最新モデルの5番アイアンは、ストロングロフト化してるとはいえ、めちゃくちゃやさしくなっているんじゃあああ！』と心の中で叫んでいた。
このゴルフライダーKの『今どきの5番アイアンなら、アベレージゴルファーでもやさしく打てるんじゃ』という意見に対して、編集部のギア担当・のみ助は『やさしくなってるかもしれないけど、やさしく打ちたいのならFWとUTがあるじゃない』と、別に5番アイアンを使わなくてもいいんじゃないかという意見をぶつけてきた。
FWとUTのほうがクラブの構造的には、ロングアイアンに分類される5番アイアンよりも断然やさしい！ということはゴルフライダーKだって百も承知。だが、『ワシのようにFWとUTが構えにくい、打ちにくいと苦手意識を持っているゴルファーも多いはず。そんなワシらには5番アイアンのほうがやさしく感じるんじゃ』と考えているわけである。
ならば、最新モデルの5番アイアンとFW、UTを打ち比べて、アベレージゴルファーにとって最新モデルの5番アイアンとは、やさしいクラブと言えるのか？ 確かめてみよう！ということに。
まず手始めに、練習場で5番アイアンとFW、UTを打ち比べてみた!
5番アイアンとFW、UTをうち比べるにあたって、5番アイアンは以下の最新モデルを用意した。
写真左からスーパーロングセラーモデルでやさしさに定評のある『ゼクシオ12アイアン』（ダンロップ・ロフト22度）、特大の慣性モーメントで曲がり知らずの『RMX VD40 アイアン』（ヤマハ・ロフト21度）、そしてドライバー同様に大ヒット中で飛びと上がりやすさを併せ持つ『ステルスアイアン』（テーラーメイド・ロフト24度）の3モデル。
対して、FW・UTは以下の4モデルを用意。
ユーティリティはFWに近い形状の『UFO スピード』（キャスコ）のロフト25度、中間型ヘッドの『RMX VD ユーティリティ』（ヤマハ）の22度。
そして、フェアウェイウッド はUTに近い形状の『FX-002』（フォーティーン）の23度、やさしさが評判の『G425 MAX FW』（ピン）の23.5度。
今回、テスターとして比較試打をしたのはゴルフライダーK（ゴルフ歴18年、平均スコア98、スライスが持ち球のアベレージゴルファー）とのみ助（ゴルフ歴35年、平均スコア90、パターでスコアを稼ぐシニアゴルファー）
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練習場では『最新の5番アイアンもやさしいけれど、FW・UTはもっとやさしい』
さて、まずは練習場打席での試打から。
最新アイアンの中でも、特にやさしいモデルを選んだだけあって、テスター2人ともに「5番でも苦労せずに打てる」と感じた。
「やさしいでしょ？ ロフトが立ち気味だけど、ちゃんとボール上がるでしょ？」（ゴルフライダーK）
「普段の取材では7番アイアンで試打することばかりだから、5番アイアンをじっくり打つということがないから実感がなかったけど、たしかにずいぶんとやさしくなっている」（のみ助）
しかし、UT、FWを打つと「5番アイアンよりUT、UTよりFWの方がやさしい」となった。
「改めて比較すると、FW・UTはボールが上がってくれて、キャリーが楽に稼げるね。ただ、FWは苦手意識があるんだよな……UTは構えにくく感じるし」（ゴルフライダーK）
「Kはアイアンは上手に打つけど、ウッドは苦手だもんね。180ヤード前後の距離を安全に打とうと思ったら、やっぱりボクは見た目的にも性能的にもFW・UTが安心だな」（のみ助）
アイアンと比較して、UTやFWはより慣性モーメントが大きく、ミスヒットに強く、低深重心で球が上がりやすいのだから当然と言えば当然の評価と言える。ただし、練習場はいつでも平坦でいいライだから、「コースではどうなの」ということで、コースでも試打を行った。
5番アイアンとFW＆UT、コースで打つとどう違う？
コースで打つと、FW・UTは長さが気になるかも？
練習場だけではなく、実際のコースではどうなのかということで、フェアウェイバンカー、ツマ先上がり、ツマ先下がりなどライ（状況）を変えて試した。
練習場では、5番アイアン・UT・FWの中ではFWが一番やさしいと思われたが、FW・UTはライによって“長さ”で当てにくくなることがあり、またラフでは、ボールの下をくぐりやすくなるなど、練習場では気付かなかった弱点が発見された。
「技術が足りないということもあるけど、ライが平らじゃなくなった途端にFWとUTでは打ち損なう確率が増えちゃった。もちろん5番アイアンじゃヘッドが抜けなそうなラフでは、UTで楽に打てるということもあるけれど」（ゴルフライダーK）
「やっぱり一番の要因は、クラブの長さの違いにあるのかな。ライによって、ヘッド形状の違いによる影響も変わってくるし、改めて試すと面白いね」（のみ助）
それぞれのライで打った感想をまとめてみた。
ツマ先上がりでは、FWは長いので当てにくくなり、UTは球がつかまり過ぎることがあった。5番アイアンはナイスショットしにくくなるものの、大きなミスは出なかった。
次にツマ先下がり。ここではUTの球のつかまりやすさがちょうどよかった。次いでミートしやすさで5番アイアン。FWは長い分当てにくいとの評価だった。
最後にフェアウェイバンカー。ここではUTの球のつかまりやすさがちょうどよかった。次いでミートしやすさで5番アイアン。FWはここでも長さが気になった。
まとめ『最新モデルの5番アイアンはかなりやさしい！けど？』
今どきの5番アイアンは、想像以上にやさしいものの、平らなライのやさしさだけならFWやUTに劣る。ただし、ライによってはFWやUTは、OBや大トップ、大ダフリ、ヒッカケなどの大きなミスも出やすい。
5番アイアンの残り距離から、「グリーンの近くまで行けばOK」と考えるならば、5番アイアン1本で十分。クラブの本数に余裕があれば、5番アイアンと同じ飛距離を打てるFWまたはUTをセットに加える“二刀流”がいいだろう。
「最新モデルの5番アイアンなら、アベレージゴルファーでも180ヤード先のピンを狙い打ち、とまではいかないけど、そういう期待を持たせてくれるやさしさを備えていたね」（ゴルフライダーK）
「そうだね。フェアウェイを外しがちなアベレージゴルファーにとって、最新モデルの5番アイアンは十分なやさしさを発揮してくれると感じたよ。でも、ライが良ければFW・UTのほうがナイスショットの確実性が増す。アイアンが苦手、という人は迷わずFWとUTを使うべき」（のみ助）
「ボクとしては、今回の比較試打で、今どきの5番アイアンがやさしくなったということが伝われば十分です」（ゴルフライダーK）
「それにしても、Kは5番アイアンだけは上手に打つんだね」（のみ助）
「ゴルフを始めたばかりの頃……ドライバーが当たらなすぎて、ティショットもセカンドショットも5番アイアンを打ち続けるという、辛い日々を経験したからです（泣）」（ゴルフライダーK）
「それは……まあ、怪我の功名みたいなもので、よかったんじゃない（笑）」
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