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タイガー・ウッズと松山英樹の一騎打ちを振り返る(1/2)|ZOZO CHAMPIONSHIP

攻め続けた松山英樹の“静かなる闘志”をタイガー・ウッズはしっかりと感じ取っていた

2019/10/29 ゴルフサプリ 編集部

「ZOZO CHAMPIONSHIP」(千葉県・アコーディア ゴルフ 習志野カントリークラブ)の最終日、18アンダーで初日からの首位を守っていたタイガー・ウッズ(米国)は残り7ホールを、後を追う松山英樹(LEXUS)は15アンダーから残り6ホールをプレー。結果はタイガーがツアー史上最多82勝目を挙げることとなったが、この二人の戦いを改めて振り返ってみよう。

10月28日(月)、やや肌寒さを感じる7時30分。前日に日没サスペンデッドとなった最終ラウンドの再開を告げるホーンが、アコーディア・ゴルフ 習志野カントリークラブに鳴り響いた。

同組のゲーリー・ウッドランドとキーガン・ブラッドリーが、この日のスタートホールとなる12番ホール(490ヤード・パー4)までカートに乗って移動する中、タイガー・ウッズはクラブハウスから約1キロある道程を歩いて向かった。

この日のピンポジションはグリーン手前から22ヤード、右サイドから5ヤードの位置。前日、松山英樹はこの12番をバーディでホールアウトしている。

タイガー、12番をボギー発進でどよめくギャラリー

  • 「全力で振り切れる」と言っていたタイガー。腰やヒザに不安はなさそうだ。

  • 松山英樹の13番のティショット。アイアンの切れ味はタイガーにも引けをとらない。

12番ホール(490ヤード・パー4)。タイガーのティショットはフェアウェイ左サイドへ。しかし、2打目をまさかの大ダフリでグリーン手前のガードバンカーへ入れてしまう。3打目となるバンカーからのアプローチはピン手前2、3メートルにつけるも、このパーパットを外してボギー発進としてしまう。

対して、松山英樹は13番ホール(141ヤード・パー3)からファイナルラウンドを再開。ティショットをワンオンさせるも、バーディとはならず、パー発進としていた。このホールのピンポジションは、グリーン手前から22ヤード、左サイドから4ヤード。

続いて、13番ホール(141ヤード・パー3)のタイガーのティショットは、9番アイアンでピン2メートル手前に“ベタピン”とするナイスショット。前ホールのボギーをまったく引きずった様子もなく、この日初めての大歓声に一瞬顔がほころぶ。

しかし、この2メートルのバーディパットを外し、このホールをパーとする。松山との差を3打に戻すことはできなかった。その頃、松山英樹は14番ホールをプレー中。

14番のティショット。右に曲がっていく弾道を追う松山。逆転優勝を狙っているからこそ滲み出る落胆の色。
14番ホール、タイガーの3打目のアプローチ。これをピン奥3メートルに寄せてバーディ。松山との差を再び3打差とする。

今大会の松山の14番ホール(608ヤード・パー5)の成績は、第1ラウンドがダブルボギー、第2ラウンドがバーディ、前日の第3ラウンドではパー。ティショットで握るドライバーがフェアウェイをとらえれば、バーディチャンスにつけてスコアを伸ばせる可能性がグッと上がるところ。

だが、松山がドライバーを振り抜いた瞬間、「フォアー!」のかけ声がホールに響き渡った。落胆した表情で見送る松山のボールは、フェアウェイ右サイドのギャラリーロープを超え、ラフに埋まった。

このラフからの2打目、松山はレイアップを選択。そして3打目のアプローチをピン奥1メートルにつけてバーディチャンスを作った。なんとしても沈めておきたい一打。しかし、ボールはカップの右をなめていき、このホールもパーでホールアウト。

ティショットを右に曲げた松山に対して、タイガーは見事にフェアウェイど真ん中に1打目を運ぶ。しかし、2打目を大きくスライスさせて右ラフに。3打目を残り81ヤード、左足下がりのライからとしてしまうが、ここからのアプローチをピン奥3メートルにつける。
この3メートルのパットを見事に沈め、出だしのボギーを帳消しにする渾身のバーディで松山と3打差に戻すことに成功。

このホールの結果がひとつの分岐点となったという見方もできるが、攻めの姿勢を崩さない松山のプレーぶりから、「何かが起こるかもしれない」というワクワク感は消えなかった。それに最終18番は、23日のプロアマ戦で石川遼がアルバトロスを出しているパー5。松山英樹にも、何かが起きるかもしれないと考えることはおかしいことではない。とはいえ、松山は先攻でタイガーは後攻。チャンスは平等にある。

タイガーとほぼ同じ方向からK・ブラッドリーが先に打ち、そのほぼ反対側から今度はウッドランドが打っていたため、ラインはかなり参考になったはず。
  • 15番・パー4の10メートルのパットをショートさせて、思わず顔を覆う松山。

  • 16番・パー3のティショットを打つ松山。まだまだ試合は終わっていない。

15番ホールは425ヤードのパー4。
ピンポジションは手前から23ヤード、左サイドから3ヤード。

2ホール続けてパーオン、2パットできている松山英樹。このホールでも、ティショットはフェアウエイをキープし、セカンドショットはショートアイアンでグリーンに乗せた。
しかし、そのセカンドショットには強いスピンがかかり、カップから遠ざかること約10メートル。バーディを狙うには、難しい状況となった。

カップまでの距離約10メートル、上りのバーディパットを打った松山英樹。だが、打った途端に思わず「重い!」の声が。ボールはカップに届くことなく、このホールもパー。先を走るタイガーの背中が、見えそうで見えてこない。

1組前でプレーする松山の様子を見て、優勝会見で「最後の方、英樹はいいショットを打っている」ように見えたと話したタイガー。15番では、どのように状況をとらえていたのだろう。

そんなタイガーの15番のティショット、ドライバーでフェアウェイ右のファーストカットをとらえる。飛距離は290ヤードラインを軽々とオーバードライブしていた。
ファーストカットにあるボールはやや沈みがち、残りは102ヤード。しっかりと上から打ち込んで、ピンの右2メートルにつけるナイスショット。しかし、ここはパーとして残り3ホール。この時、松山英樹は3打差を追って、16番・パー3のティショットを打っている。

ここまで、ほんのわずかの差でバーディを獲ることができずにいた松山英樹。その強い眼差しと気迫のこもったショットからは、常に攻め続けていることが感じられただけに観ていることしかできない身としても歯噛みする思いを禁じ得なかった。

15番・パー4のセカンドショットをうまくピン近くに運んだタイガー。

取材・文:角田柊二
写真:岩崎愛里、圓岡紀夫

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