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ベン・ホーガンがトップでの「カッピング」を続けた理由

アイアンが際立つ!強いスイングの作り方[第12回]

2021/05/16 ゴルフサプリ 編集部

左手グリップがスクエアに近づいても、トップで甲側に「カッピング」したホーガン。現代では逆の動き「掌屈」が注目されているが、この違いはどこから生じているのか。フェースコントロールを軸に考えてみよう。

GOLF TODAY本誌 No.587 73〜77ページより

ホーガン流スイング作り【課題11】つかまえすぎないフェースターン

〝返さない〟より〝返りすぎない〟トップでの準備

本来、スナップ動作はフェースターンが少なくなる、と森プロ。
「最近話題の〝シャローイング〟は、まさにホーガン流の動きですが、フェースを開かず、プレーンに対してスクエアに近い状態を長くキープして振るのがポイントの1つです。

そのため、左手を手のヒラ側に折る〝掌屈〟とセットで語られることが多いようですが、これは絶対条件ではありません。大事なのは左手ではなく、右手の〝背屈〟。つまりヒンジングとコッキングを合わせたスナップ動作です。

スナップ動作なら、フェース面はインパクトエリアでほぼボールに向いたままになります。逆に、それがつかまりすぎのフックのミスを誘発しやすい」(森)

だからホーガンは、あえて左手の〝カッピング〟でフェースを開いたのだという。

「トップで開き切れば、スナップで強打しても大丈夫です」(森)

①腕や手首の動きを抑えて体のターン主体で振り上げたり、スナップ動作のダウンを実践したりすると、腰から下のプレーンではフェースはヘッド軌道にほぼスクエアのまま。あえてフェースを返さなくても十分つかまりやすくなる。

②つかまりすぎを防ぐ手段として、フェースのトウ側を立てて上げたり、さらにフェースを後ろに倒す動きを加えたりするのが効果的だが、やりすぎは禁物。ホーガンはワッグルでのリハーサルと左手首の“カッピング”で安定させた。

フェースをタテ回転させるには「めくって上げて、ソールで下げる」

フックを避けた強打はフェースのタテ回転で

「サイドスローのスナップ動作では、フェースのトゥがヒール追い越すのは自然な動き。そのヨコ回転は意識せず、ダウンで上に向けたフェースをソールを落とす動きでタテ回転させるイメージで振れば、フェースが左を向かず、強く押せるインパクトになります」(森)

立てるために“めくる”ように上げる

「フェースのトゥ上を後ろに寝かすように振り上げる。すると、ヘッド重心がシャフトの軌道にすんなり乗っかって、スパッとトップまで振り上げられます。その勢いにまかせて“カッピング”で深いトップに入れば、スムーズにダウンに移行できます」(森)

<トップで開き切るヒント>「カッピング」ならタメも深くできる

ダウンのリストワークは両手が別の動きになる

右手のスナップの動きと、左手のグリップをたぐる動きでヘッドがボールを“押す”。インパクトエリアでフェースのタテ回転が正しく進行すれば、フェードが打てる。

右手のヒラは常にヘッド軌道に向いたまま。左手は左腕のローリングに合わせて向きを変えていく。左手でグリップをたぐることで、右手のスナップ動作が促される。

“戻せるタメ”はカッピングで作れる

“戻せるタメ”はカッピングで作れる

「ホーガンの全盛期の左手フック、右手スクエアのグリップなら、スナップ動作をマスターできたら確実にドロー系の弾道が打てるようになります。

ホーガンのループ軌道は、ある意味〝シャローイング〟と同じで効率よくヘッドが走ります。この時点で、左手首の〝掌屈〟でいち早くスクエアヒットの準備をするのが現代の流行ですが、低くコントロールされたパワーフェードを目指したホーガンは違いました。逆にフェースを開くだけ開いて、ダウンでいくらスナップを利かせても閉じないようにしました。それが〝カッピング〟です」(森)

右手のヒンジングと相まって、トップでのタメは一段と深くなるが、絶対に振り遅れないという。

「切り返しでカッピングをほどきつつ、ヒールを後ろに回して落とすイメージでダウン。これでスナップ動作に入れば、インサイドからしっかり叩けます」(森)

左手の“掌屈”ではタメは深くならない

「左手首の“カッピング”(上)は、フィル・ミケルソンのような深いタメと効率の良い長打を生み出します。一方“掌屈”(下)は、安定性は高めても飛距離アップにはつながりません。左手首を傷める危険性もあります」(森)

ホーガンアナリスト
森 守洋
ベン・ホーガンを手本としたダウンブローの達人・陳清波に師事。現在もホーガンの技術研究に余念がない。

取材協力/東京ゴルフスタジオ


【アイアンが際立つ!強いスイングの作り方】
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