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ハンドファーストインパクトで出やすいミス「ダフリ・スライス・シャンク」の対策方法

人気プロコーチ・大西翔太がわかりやすく解説!

2021/09/03 ゴルフサプリ編集部

ハンドファーストインパクトは正確なアイアンショットに欠かせない要素。ところがハンドファーストに打つことを意識しすぎて、ダフリやスライス、シャンクなどのミスが出てしまうことはないだろうか。「これは間違ったハンドファーストインパクトになっているからです」と大西翔太コーチ。ハンドファーストインパクトのミス防止のコツを教えてもらおう。

ハンドファーストインパクトで出やすいミス「ダフリ・スライス・シャンク」の対策方法

ハンドファーストインパクトで出やすいミスとは

ハンドファーストインパクトの理想形のポイントを整理すると下記のようになります。
・体重の6〜7割が左足に乗る。
・両手が左モモの前で、両手がクラブヘッドよりも先となる。
・左手の甲が目標方向を指す。
・お腹の回転でボールを押し込むような形を作る。
これらの条件を満たしていれば正しいハンドファーストインパクトが作られて、正確なアイアンショットが打てます。

体重が左足に多く乗り、両手は左モモの前。そしてお腹をグイッと回して押し込んでいくような体勢がハンドファーストインパクトの理想形。

ハンドファーストに打てているようでも、上の条件をクリアできていないとダフリやスライス、シャンクなどのミスが発生しやすくなります。ハンドファーストの形にはなっていても体重が右足に乗ったままでは、スイング軌道の最下点がボールの手前側となり、ダフリを誘発してしまいます。またカラダの回転が使えず、手先だけの動きで上からダウンブローに打ち込んで、ハンドファーストにインパクトしようとしてもやはりダフリが生じます。

ダウンスイングで体重が左足に乗らず、右足体重のハンドファーストインパクトになるとダフリが生じる。
カラダの回転が使えず、手先の動きだけでハンドファーストに打とうとするのもダフリの原因となる。

またダウンスイングでカラダが早く開くと腰が引けたハンドファーストインパクトとなり、フェースが開いて当たってしまいます。スライスというよりは最初から目標の右へと飛び出してしまうプッシュが多く生じます。ハンドファーストでもインパクトで手元が浮くと、フェースが開いてしまいます。この場合はボールがネックに当たりやすいため、シャンクが生じやすいのです。

ダウンスイングでカラダが早く開くとインパクトでフェースが開いてボールが右に飛んでしまう。
インパクトで手元が浮いてしまうとボールがネックに当たってシャンクとなるケースが多い。

ハンドファーストインパクトで出やすいミスの対処法〈ダフリ編〉

ダフリを解消するには、左足体重のインパクトを作ることに尽きます。トップまでクラブを振り上げたら、ほんの少しだけ「間」を置いて、左足を踏み込む感じで体重を左足に乗せてからクラブを振り下ろすタイミングを意識しましょう。慣れないと難しいかもしれませんが、切り返しで下半身を先行させることが大切です。インパクトで体重が左足に多く乗ってくれば両手のポジションが左モモの前となり、正しいハンドファーストインパクトが作れます。

体重を左足に乗せてからクラブを振り下ろすことが正しいハンドファーストインパクトを作る絶対条件。

ダウンスイングで体重を左足に乗せて、クラブヘッドを上から鋭角に入れようとして上体が突っ込んではダメです。ダウンブローの意識過剰もダフリの原因となりますから、フェース面でボールをターゲットに向かって押し込むイメージを大事にしてください。そこでオススメの練習法。クラブは7〜8番アイアンを使って、アドレスの姿勢を作ったら、バックスイングをとらないで、フェース面でボールを飛ばしましょう。遠くまで飛ばなくてもOK。フォロースルーだけで飛ばそうと思うと、いったんハンドファーストインパクトの形を作ってから、お腹をグイッと左に回転させながらボールを押し込む動きを体感できます。

アドレスからハンドファーストインパクトの形を作り、フェース面でボールを押し込んで目標方向に飛ばしてみよう。
お腹に力を入れて回転すればボールを飛ばせることが体感できる。この感覚がダフリ防止につながる。
手先だけではボールを飛ばせない。こうなりやすい人はパワフルなハンドファーストインパクトが作れていない証拠。

ハンドファーストインパクトで出やすいミスの対処法〈スライス編〉

スライスの対策法としては、カラダの正しい回転運動をマスターすることが先決。そこで両胸の前にクラブをはさむように両腕を組み、アドレスの姿勢を作ってください。ダウンスイングで体重が左足に乗り切らないうちにカラダを回すと胸が早く開いてしまいますよね。これは右足軸で回転してしまうから。大事なポイントは胸を開かないで体重を左足に乗せて、その次の段階として両肩を入れ替えるイメージで胸をターンすることです。

スライスやプッシュがよく出る人は、切り返しで胸が早く開いて右肩が前に出てしまっている。
ダウンスイングでカラダが早く開くのは切り返しで体重が左足に乗り切らないうちにカラダを回そうとするから。
体重を左足に乗せてから胸を回す「時間差」のタイミングを意識しよう。
フィニッシュでは体重が完全に左足に乗り、胸が目標を指すまでカラダをしっかり回すことも大切なポイント。

ハンドファーストインパクトといっても、ハンドファーストの形となるのはほんの一瞬です。フェース面でボールをとらえたら、カラダの回転と連動してクラブを目標の左側へと振り抜かなくてはなりません。ハンドファーストにインパクトした後もフェース面を目標に向かって真っすぐ出そうとすると、結果的にインパクトでフェースが開きやすいのです。スクエアフェースのハンドファーストインパクトを実現するには、正しい回転の結果としてハンドファーストインパクトが自然と作られるということを頭に入れておいてください。

ハンドファーストインパクトで出やすいミスの対処法〈シャンク編〉

ハンドファーストに打とうとしてシャンクが出てしまう人は、インパクトでの手元の浮き上がりを解消しましょう。手元が浮くのは上体が起きてしまうところに起因していますから、お腹に力をためておき、アドレスの前傾角度をしっかりキープすることです。

練習法としては通常のボールの位置のところにパターのヘッドカバーなど何か小さいものを置いて構え、その対象物の内側へとクラブヘッドを通してフォロースルーへと振り抜きましょう。

ボールの代わりにパターのヘッドカバーなど小さい物を置いてスイング修正の練習をしよう。
ヘッドカバーに当たらないように内側を通過させて振り抜くのがこの練習のポイントだ。

シャンクが出やすい人はインパクトで手元がカラダから離れるのでクラブヘッドが対象物の外側へと振り抜こうとします。フォロースルーで両ワキが開き、カラダの回転と腕が連動せず、フィニッシュまでスムーズに振り抜けません。ダウンスイングからフォロースルーにかけてはお腹を左へと回して、クラブを左に振り抜くことが大切なポイントです。お腹に力をためておき、アドレスの前傾角度をキープしてインパクト。お腹から力を抜かないスイングなら軸回転が安定し、ハンドファーストインパクトの正確性もアップします。

シャンクがよく出る人はインパクトで手元が浮くため、ヘッドカバーに当たってしまう。
前傾角度をキープし、手元をカラダに引きつけるのが正しいハンドファーストインパクトを作るコツだ。
そのままカラダの回転に同調して、クラブを目標の左側へと振り抜こう。
お腹に力を入れてグイッと左に回転。前傾角度をキープでき、結果的にハンドファーストインパクトの理想形が作られる。シャンクだけでなく、いろいろなミスを防止するための重要なポイントだ。
手打ちはハンドファーストインパクトの大敵。シャンクのほか、ヒッカケも生じやすいので注意。

〈ハンドファーストインパクトで出やすいミス「ダフリ・スライス・シャンク」の対策方法のまとめ〉

・ダフリが出る人は、左足体重で押す感覚のインパクトを覚えよう。
・スライスが出る人は、ダウンスイングで胸を開かないことを意識。
・シャンクが出る人は、お腹に力をためてクラブを左に振り抜く。

ハンドファーストを身につける練習

インパクトの形を作り、フォローだけでボールを飛ばそう!

※動画はショット音が流れますので音量にご注意ください。

取材・文/三代 崇
写真/渡辺義孝
協力/静ヒルズカントリークラブ


大西翔太
大西・翔太/1992年6月20日生まれ、千葉県出身。水城高校ゴルフ部を経てティーチングプロの道に進む。日本プロゴルフ協会公認A級の資格を取得。現在はジュニアの育成に尽力する一方で、青木瀬令奈のコーチもつとめる。21年は宮里藍 サントリーレディスオープンで、青木の4年振りツアー2勝目に貢献した。メンタルやフィジカルの知識も豊富。女子ツアープロの大西葵は実妹。



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