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「練習は裏切らない」と信じ続ければ、渋野日向子の世界はさらに広がる

スタンレーレディスで4人によるプレーオフを制して復活優勝!

2021/10/11 ゴルフサプリ 編集部

スタンレーレディスで4人によるプレーオフを制して復活優勝を果たした渋野日向子

久々に、シブコスマイルが弾けた。
渋野日向子、ペソンウ、木村彩子、アマチュアの佐藤心結の4人プレーオフの激戦となったスタンレーレディス最終日。首位に2打差5位タイでスタートし、最終ホールで鮮やかなバーディーを奪ってプレーオフに持ち込んだ渋野は、プレーオフ2ホールも同様のショットを披露。木村、佐藤の2人に引導を渡した。 

約2年ぶり5勝目でさらに広がる可能性

勝利が決まった瞬間は、渋野は両手で顔を覆って泣き出す珍しいシーンも見られた。それほど、辛かったのだろう。全英女子オープン優勝で一躍、時の人となり、世界中で”スマイリング・シンデレラ“と呼ばれたあの日から2年2か月。全英優勝だけでなく、日本で年間4勝を挙げて賞金女王争いをした(結果は2位)2019年大王製紙エリエールレディスオープン以来の勝利の美酒。笑顔直前のこらえきれない涙は、その間の苦しい日々を物語っている。

シードすらなくシーズンに入った2019年、日本でも未勝利の頃に渋野はこんなことを口にしている。「練習は裏切らない」。高校2年で期待通りの結果が得られず、落ち込んだ時、2017年に受けた最初のプロテストに失敗し、QTもうまくいかなかったときなど、挫折を経験した後、たどり着いた境地だった。

アスリートはみな、そう信じて、日々、精進している。だが、競技人生を長い目で見ることができないと「裏切らない」と言い切るのは難しい。昨年になってコーチのもとを離れたり、スイングを改造したり試行錯誤を繰り返した渋野も、心が揺れた時期があるに違いない。

メジャー王者となったことで注目度は跳ね上がった。Instagramのフォロワー数が約250倍になった、と言えばわかりやすいだろうか。それほど多くの人がSNSで動向を見守っていれば、勝手な意見やアドバイス、時には誹謗中傷も目にすることになる。見ないようにしても、いやでも聞こえてくる。これを乗り越えるには、自分を信じる以外にない。これを貫いたからこその勝利だったろう。

全英に勝った時には興味のなかった米ツアーへの気持ちが強くなり、昨年QTに挑むはずだったがコロナ禍でできなくなった。確実視されていた東京五輪出場も、1年延期となったことで逃している。振り回された感が強いこの1年余りだが、それでも米国に出たい気持ちは変わっていない。

日本のシーズン終了直後、12月2日からのQT行きは現状では予定通り。4日間で72ホールで一度ふるいにかけられ、残った者だけでさらに4日間72ホールの過酷な長丁場となる。万一、上位に入れなくても、下部ツアーのシメトラに残る覚悟もできている。

若いうちに結果を出す選手が多く、ともすれば“生き急いで”しまいがちなのが、近頃の女子ゴルフの世界だが、長くプレーできるのがゴルフのいいところ。11月にようやく23歳の誕生日を迎える渋野には、まだまだ長い将来がある。何年たっても「練習は裏切らない」と信じることができれば、さらに世界は広がっていくはずだ。

「有名になりたくてゴルフをやってきた。(自分が)有名になってゴルフを広めていくっていうのがプロゴルファーの仕事だと思っています」と言うのが渋野のスタンス。この先、世界を舞台に“仕事”をする機会は、もっともっとあるに違いない。

文/小川淳子
写真/Getty Images

スタンレーレディスで4人によるプレーオフを制して復活優勝を果たした渋野日向子
スタンレーレディスで4人によるプレーオフを制して復活優勝を果たした渋野日向子

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