「中空とキャビティ、どっちが飛ぶの?」なんて聞かないで!構造や製法は判断材料の一つに過ぎない
ゴルフライターT島が切り込む!フィッティングショップだから分かるゴルフギア最新事情/第160回
軟鉄鍛造と聞くと「打感が柔らかそう」と思ってしまうのは仕方ないことだが、もしもフェース素材がステンレスだったら? フェース肉厚が極端に薄かったら? 今回は製法や素材、構造から連想されるイメージだけで、アイアンの評価をするのは危険だよ?!というお話、大蔵ゴルフスタジオの金子氏とゴルフライターのT島氏が語ります。
写真/ゴルフサプリ編集部
9月の新製品ですがシャフトだけじゃなくて、アイアンも多かったね。
そうですね。ブリヂストン、テーラーメイド、キャロウェイ、そして今週ミズノとプロギアが発売となりましたね。
一時期、アイアンは中空構造ばっかりで、もうキャビティなんか作らないのかな?ぐらいの勢いがありましたが、ここにきて中空もキャビティもバランス良く発売されるようになりましたなぁ。
そうですね。キャビティ構造の元祖と言って良いピンさんが立て続けに中空を出した時には、アレ?って感じでしたよね。
T島的にはPXGが中空ブームを作った気がしているのだけどね。軟鉄鍛造ボディに、高反発フェース。打感は中空部分に樹脂を入れるという。
それが中空構造のスタンダードになりましたものね。
そして、最近はキャビティのアイアンも見直されています。
PXGからもキャビティのラインナップが出ていますよね。
中空はカッコよくてやさしい!という評判でございました。
確かにアスリート向けの中空アイアンは、なんだかマッスルバックに見えるのでカッコいいイメージがありますね。
そうそうアスリート向け中空が増えたんだな。9月の新製品で言えばテーラーメイドのP770のモデルチェンジ。そしてキャロウェイのAPEX Ai200とかですな。確かにカッコいい。
キャビティは、ブリヂストからは242CB+、241CB、テーラーメイドのP7CB、ミズノのJPX925シリーズ、プロギアの04アイアン!
はい。ちなみに241CBとP7CBは、一枚モノの軟鉄鍛造でございます。他はボティとフェースが別素材です。241CB+、JPX 925 FORGED、04アイアンとAPEX Ai200はボディが軟鉄鍛造です。
フェースは弾く素材なんですか?
241CB+は軟鉄鍛造だけど、他は違います。キャロウェイのカーペンター455スチールは鍛造ということだけど、軟鉄じゃないですね。まあ素材はどうあれフェースが薄いので弾きはいいでしょう。
そうですね。軟鉄鍛造アイアン的なズシっとくる打感はフェースの厚みが大切ですものね。素材というより肉厚が効く。