“今どきバンカーショット”はフェースを開かない!オープンに構えない!が正解です

大西翔太コーチが教える「ゴルフスイングのツボ」 VOL.8

2020/12/25 ゴルフサプリ編集部



理論をわかりやすく展開し、実戦ですぐに役立つレッスンで大人気の大西翔太コーチ。

その大西コーチが、誰も知らなかったゴルフスイングのツボをこっそり教えてくれた。第8回は多くのアマチュアゴルファーが苦手とするバンカーショットのレッスン。バンカーから一発で出せるようになる目からウロコのマル秘ポイントを教えてもらった。

皆さん、こんにちは。ツアープロコーチの大西翔太です。今回はバンカーショットの打ち方について解説していきたいと思います。「バンカーに入れてしまうと1回で出せないんだよ」とか、「あのバンカーにつかまらなかったら100が切れたのにな〜」などという声をよく耳にします。そしてまた、「バンカーの基本の打ち方を実践しているのにうまく打てないんだよ」という嘆くゴルファーも多くいます。

レッスン書などではバンカーショットの基本の打ち方として、「サンドウェッジのフェースを開いて、オープンスタンスに構えて、クラブを上から鋭角に打ち込んで、アウトサイド・インの軌道でボールの周りの砂をカットに打ち抜く」といった具合に解説されていますよね。

ボクもゴルフを始めた頃はバンカーショットの打ち方をそのように教わりました。でもゴルフの技術が上がってきて気づいたのは、昔のコースと今のコースの特徴が変わってきましたし、クラブの性能も進化しつつあるので、バンカーショットの打ち方も変化して当然ではないかということ。昔は名門の我孫子ゴルフ倶楽部や川奈ホテルゴルフコースに代表されるように、砲台グリーンを取り囲むバンカーのアゴがとても高いコースが結構多かったと聞きます。高さを出すテクニックが要求されるため、アウトサイド・インの軌道で鋭角に打ち込まないといけなかったわけです。

今ではコースがアメリカナイズされたり、大衆化が進んだりして昔のようなアゴの高いバンカーが少なくなりました。そんなに高さを出す必要がなくなったということは、バンカーからの脱出だってやさしくなったはず。それなのに多くのレッスン書で書かれているバンカーショットの打ち方の基本は昔から何も変わっていません。昔風にフェースを開いて、オープンスタンスに構えて鋭角に打ち込むのは、実は高度なテクニックなのです。

バンカーのアゴがよほど高い場面ではこうした技術が要求されますが、今のバンカーショットはそれほど鋭角に打ち込む必要はありません。クラブを鈍角に入れていくのが今風のバンカーショットで、トーナメントプロたちもクラブを鈍角に入れて打つ人がほとんどです。ボールを上げようとしてインパクトで両腕が縮んでしまうのもいけませんが、鋭角に打ち込みすぎないようにしましょう。