ゴルフのスイングを安定させるコツは速いテンポにあり|スイング改善で100切り目指す
ちっとも上手くならない理由は、スイングテンポにあるのかも?そこで、普段よりも「速い」「遅い」テンポでスイングすると、どんな違いが出るのかを調べてみることにした。はたして、練習熱心なアマチュアゴルファーのスイングはどう変わるのか?
■今回のモデルは、始めたばかりだけど“こんなに練習しているのに上手くならない”と思っている、この2人!
「なるべくゆっくりのテンポのほうが良いのでは?」
●能村理一さん…ベストスコア149
・年齢:34歳
・ゴルフ歴:2017年9月~
・平均スコア:155
・練習(週):2回
・ラウンド(月):1回
・悩み:うまく当たりません
・ドライバー飛距離:210ヤード
「テンポを速くしたら、当たらなくなりそうです。」
●小俣知徳さん…ベストスコア108
「テンポを速くしたら、当たらなくなりそうです。」
・年齢:29歳
・ゴルフ歴:2017年6月~
・平均スコア:115
・練習(週):2~3回
・ラウンド(月):1回
・悩み:スライス、ダフり
・ドライバー飛距離:240ヤード
スイングテンポを計測すると、2人ともモデラートではナイスショットとミスの差が大きかった!
ダウンスイングで急加速する能村さんは「94」
ふたりのアマチュアゴルファーのスイングテンポを佐久間綾女プロがスマートフォンのテンポ計測アプリを使って計測したところ、そのテンポは「95」と「94」という速さだった。その結果を見て「一般男性の平均テンポは70~80と言われているので、お二人のテンポは少し速めですね」(佐久間プロ)そして、速さ以外にわかったこと、それは一球一球、テンポがバラバラで一定しないということだった。
※モデラートとは…速度標語のひとつ。「中位の速さ」という意味で♩=92前後の速さのこと。
なぜスイングのテンポが大事なの?
解説:佐久間綾女(サザンヤードCC)
さくま・あやめ-1995年5月21日生まれ、茨城県出身。プロ入会は、2016年7月30日(88期生)。パターやショートゲームといった小技が上手な、プロになりたてのフレッシュな女子プロ。
ナイスショットとミスの差が大きい。その大きな原因のひとつとして挙げられるのが、テンポが一定じゃない、ということです。アマチュアゴルファーの多くは、バックスイングのテンポ(速さ)に対して、ダウンスイングのほうが速く、そのせいで再現性の低いスイングになっているのです。テンポを一定に保つことは、スイングの再現性を高め、ミスにつながる動きを抑制することになるんです。
アマチュアは自分で計測した早さより少しだけテンポを早くした方が「スイング」の再現性が高まる!
解説:和田泰朗
わだ・ひろあき-日本体育大学でスポーツ医学、ゴルフトレーニング研修室での専攻過程を修了。桜ヶ丘ゴルフ練習場・京王若葉台ゴルフ練習場(東京都多摩市)を中心に一般ゴルファーへのレッスン、日本女子ツアー挑戦中の笹原優美の師匠、ゴルフ中継のテレビ解説者など、幅広く活躍。
小俣さんと能村さんの「普通のテンポ」「遅いテンポ」「速いテンポ」で振っている動画を和田プロが検証。その結果、「速いテンポ」で振ったときのほうが、ふたりのスイングの「再現性」が高まっていることを発見!
【飯村さん】ダウンスイングの急加速と合わせる動きがなくなり「1・2」で振れている
▼アンダンティーノ(♩=80前後)/歩くような速さよりやや速く
(×)下半身と上半身を一緒に動かしてしまい、捻転差のないゆるんだスイングに。
▼モデラート(♩=92前後)/中位よりやや速く
(△)バックスイングはゆったり、ダウンスイングは速い、典型的なテンポの悪さ。
▼アレグレット(♩=108前後)/やや快速に
(◎)速く振ろうという意識が下半身リードを促し、捻転差とタメが生まれた。
【コースでテンポを安定させるポイント】ボールと目の距離感を保って打ち急がないように!
コースでは、打ち急いでダウンスイングだけテンポアップしてしまいがちです。これを防ぐには、ボールと目との距離感を保つのが効果的です。打ち急ぐと、体が前に乗り出しますが、ボールとの距離感を保つ意識がこれを防ぎます。
【小俣さん】テンポを速くしたら軸の安定感が向上した
▼アンダンティーノ(♩=80前後)/歩くような速さよりやや速く
(×)上半身と下半身の捻転差が減って、インパクトのタイミングが合わなくなった。
▼モデラート(♩=92前後)/中位よりやや速く
(△)たまに、ダウンスイングで減速し、合わせる動きが出るとミスショットに。
▼アレグレット(♩=108前後)/やや快速に
(◎)テンポに安定感が生まれ、リズミカルかつ力感の増したスイングになった。
【コースでテンポを安定させるポイント】グリッププレッシャーを一定に保ってみましょう
ダウンスイングでグリップを握る力が強くなるということは、力んでいる証拠。バックスイングでは加わっていなかった力が加われば、それはテンポを狂わす原因となります。グリッププレッシャーを一定に保つことを心がけてください。
GOLF TODAY本誌 No.547 50〜55ページより