左足下がりのアゴ高バンカーから“砂イチ”を狙う打ち方|the プロテク - 久保谷健一プロ
アマチュアがもっとも苦手とする左足下がりのライ。フェアウェイでも打てないのにガードバンカーとなったら出すだけでも難しい。今回はそれに加え、ピンまでそこそこ距離があってアゴも高いという超難しい状況から“砂イチ”を狙ってもらう。アマチュアならピンに向かって打たない手も考えなければならないこんなとき、プロはどうするのか?
【解説:久保谷健一(フリー)】
1972年3月11日生まれ。174cm、70kg。神奈川県出身。ツアー通算7勝のうちに「日本プロ」(2002年)、「日本オープン」(2012年)を含む大舞台に強いベテラン。椎間板ヘルニアの手術を受けるなど腰に爆弾を抱えながらも常に堅実なプレーを披露。独自の“ボヤキ”も人気あり。
左足下がりのアゴ高バンカーからの難しいショット
この状況、難易度のマックスが5だったら4.5くらいの難しさです。 ボールのライこそ悪くないけれど、打球が上がらない左足下がり。しかもピン方向のアゴが高い。ピンを狙うなら最低限アゴを越す高さのボールを打たなければなりませんが、それがやりづらい状況なんです。
高さを出すにはフェースを開きますが、そうなると飛ばなくなる。ピンまでは15ヤードと中途半端に距離があるので、上がりすぎると届かないかもしれない。僕じゃなくてもネガティブになってしまう要素が満載ですね。
優先順位から言うと、まずはアゴを越す。次にグリーンオンさせる、なるべくピンに寄せる、という順序でしょうか。技術的に見てもかなり難しいバンカーショットです。
ヘッドを鋭角に上げたら手を真下に下ろして終わり!
手が前に出るとトップするのでダウンでは真下に下ろす
通常のバンカーショットと同じでフェースを開いてグリップ。アドレス時のボール位置は真ん中が理想ですが、バ ンカーの縁が近いので真ん中だと右足がバンカーの外に出ます。こうなると左足 下がりが強まるため、やや右寄りにして左足体重で立つ形になります。ちなみにこの体重配分はフィニッシュまで変えません。
スイングではバックスイングを鋭角に上げる。早めにコックするイメージでもいいですが、とにかくヘッドを上に上げる。ダウンスイングでは手をアドレスの位置に戻しますが、手がちょっとでも前に出るとトップするので、真下に下ろす感じが必要です。
その位置にドンとヘッドを落としたら、基本的にはそこで終わり。砂を打ったあとに手でクラブをすくい上げる感じがあっても構いませんが大きなフィニッシュはとれません。
《1.鋭角的に上げたヘッドを真下に下ろすイメージでダウンスイング。》
アドレスからフィニッシュまで左足体重。ボールを真ん中に置くと右足がバンカーの外になるため右寄りにせざるを得ない。
バンカーの縁に当たらないよう鋭角的にクラブを上げ、アドレスの位置に手が戻るように振る。上からドンと落とす感じだ。
この状況でボールを上げようとするとヘッドが早く落ちバンカー手前の縁に当たる。
《2.手がアドレスの位置よりも前に出るとトップする。ここでヘッドが手を追い越す。》
《3.打ったあとに手首を使ってヘッドを高い位置に収めるとボールが上がりやすい。》
インパクトで手が前に出るとトップする。ヘッドが手を追い越すイメージでスイング。
左足下がりのアゴ高バンカーから“砂イチ”を狙う打ち方(一連の流れ)
【今回の結果:95点】
打球が上がってバンカーのアゴはクリアしたが、高さが出た分カラーで勢いを削がれピンには寄りきらず。4mのパットが残った。
GOLF TODAY本誌 No.553 68〜71ページより