リッキー・ファウラーのドライバースイングを分析【連続写真つき】
連載「大判写真で見る、一流プロのドライバーマネどころ」VOL.6
2月のフェニックスオープンでPGAツアー5勝目を飾ったリッキー・ファウラーは、小柄ながら300ヤードを超え、しかも曲がらないドライバーショットを放つ。そのポイントは右サイドにあった!今回はリッキー・ファウラーのドライバースイングを写真とともに解説していく。
※連続写真は2018年に撮影したものです。
[目次]
・リッキー・ファウラーの小柄でも飛んで曲がらないヒミツは、右手主導で叩けるカタチに。
・マス目連続写真で見るリッキー・ファウラーのドライバースイング分析
・リッキー・ファウラーのドライバーグリップのヒミツ
・リッキー・ファウラーのドライバースイングのマネどころ
リッキー・ファウラーの小柄でも飛んで曲がらないヒミツは、右手主導で叩けるカタチに。
インパクトのポイント|合わせにいかずボールを叩く!
ラインを出す感じではなくボールをブッ叩きに行くが、芯を食う確率が高いので曲がらずに飛ぶ。
マス目連続写真で見るリッキー・ファウラーのドライバースイング分析
❶ 左腕はトップでストレートに伸ばしたまま。
左腕を曲げないことで、オーバースイングになりにくく、ファウラーのようなコンパクトなトップを作れる。
右ヒジが体から離れないから、スイングの再現性が高い
❷ 右ヒジを伸ばしてから、手首を返す!
ダウンスイングでは右ヒジを伸ばして、タメを作った状態で、最後に手首を返してボールを叩いている。
【POINT】
バックスイングからインパクトまでは右ヒジと体の位置関係を崩さない。この右ヒジ支点の動きが高いミート率を実現させている。
❸ フォローでは左足の上に頭が来ていて、体重のヨコ移動が少ないスイングになっている。
リッキー・ファウラーのドライバーグリップのヒミツ
右手はスクエアで、左手はストロング!
右手主導のスイングで、スクエアなインパクトを作るためにはファウラーのように右手はスクエアに握っていることが大切。右手をフックグリップにしてしまうと、ヒッカケ、チーピンが出やすくなる。左手のみ、ややストロンググリップになっている。
右ヒジを支点にするのでトップが低くおさまる!
ファウラーのスイングは体の右サイドに仕事をさせるタイプ。右手主体と言ってもいいでしょう。バックスイングサイドに比べてフォローサイドの動きが小さいのが一つの特徴です。
このスタイルで振るには右サイドのスクエア感が欠かせません。例えば右手のグリップはほぼスクエア。ダウンスイングでもリリースしないようなイメージで使い、インパクトでアドレスのスクエア状態を再現します。
これに対して左手はややストロングなのですが、これは左サイドが仕事をしないぶん、インパクト時のフェース向きをしっかり決めておきたいから。振り抜く過程でボールをとらえるのではなく、点でとらえようとしている。その意味でファウラーにとってはインパクト感がとても重要だと考えられます。
右ヒジも右サイドのスクエア感を高めるのに一役買っています。ここを体から離さず、右ヒジ支点でバックスイング→切り返し→ダウンスイングへと移行することでクラブが暴れません。
また、右ヒジが体から動かないと、手が低い位置に収まるのでトップの位置が低くなる。フォローサイドの動きが小さいのと合わせてファウラーのスイングのキャラクターを生み出していると言えるでしょう。
リッキー・ファウラーのドライバースイングのマネどころ
右手でワイングラスを持つイメージで、右ヒジを支点に!
切り返しのタイミングで右ヒジが支点になると、腕が体と一緒に動くのでクラブの動きが安定します。はじめは小さめのバックスイングでいいので右ヒジ支点で動いてみましょう。
また、右手のリリースを抑えるにはワイングラスのワインをこぼさないイメージで動くとファウラーのような使い方になります。
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右ヒジに左手を添え、バックスイングからインパクトまで右ヒジの位置を変えないように動く。
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支点にしている右ヒジの角度はあまり変えないようにキープする。
少しワインが入っているイメージでクラブを握り、ダウンスイングでは中身のワインがこぼれないように動ければOK。
●解説・レッスン
永井延宏
1969年生まれ、埼玉県出身。10歳からゴルフをはじめ、25歳でアメリカにゴルフ留学。フロリダのミニツアーに参戦しながら最先端のティーチング理論を学ぶ。帰国後、本格的にレッスン活動をスタート。わかりやすい指導で多くの信奉者をもつ。
協力/ゴルファーレ高田馬場
GOLT TODAY本誌 No.563 13~15ページより