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渋野日向子も採用?フジクラのベンタスシャフトを野村タケオが試打!

2020/05/03 ゴルフサプリ編集部

野村タケオのゴルフ実験室タイトル画像

2019年に大ブレークした渋野日向子プロ。常に笑顔でプレーする明るいキャラクターと、気持ちよく振り切るスイング、そしてアグレッシブなプレースタイルが人気の理由でしょうね。当然ながらそんな彼女が使うギアには注目が集まります。

渋野プロはPINGとクラブ使用契約をしているので、バッグの中の14本が全てPINGのクラブとなっています。その中でも、彼女の使用モデルのドライバーとパターは売れすぎて欠品状態が長く続きました。

彼女が2019年に使っていたドライバーはG410Plusのヘッドに藤倉コンポジットのSpeeder569 EVOLUTION6シャフトのSRを挿れていたのですが、どうやら2020年はヘッドは同じながらシャフトを違うものに変えたらしいのです。

それが藤倉コンポジットのVENTUS(ベンタス)シャフト。いったいどんなシャフトなのでしょうか? さっそく入手して試してみました!

撮影/野村タケオ

VENTUS(ベンタス)ってどんなシャフト?

ベンタスはアメリカでBLACK、BLUE、そしてREDの3種類が発売されていて、現在日本ではBLUEのみが発売中。ベンタスの特徴としては、マルチバイアス構造で今までにない安定感と叩けるフィーリングを実現しているシャフトです。

フルレングス超高弾性70tカーボンと高弾性カーボンで構成され、オフセンターヒット時のヘッドのねじれを抑制し、方向安定性が向上、飛距離のロスも低減します。またシャフト先端部の曲げ剛性を高めることでボール初速の最大化を生み出しています。

簡単に言ってしまうと叩けて、左に行かず、ミスヒットに強く、飛距離とコントロール性を高めた元調子系のシャフトということになるようです。

そして、今年の2月時点のPGAツアーでは、ジョーダン・スピース、リッキー・ファウラー、ダスティン・ジョンソン、パトリック・リード、J.B.ホームズ、ラッセル・ノックス、ジミー・ウォーカーなど、そうそうたるメンバーがこのベンタスを使っています。。それらの多くは、日本未発売のBLACKを使用。

スティン・ジョンソンがベンタスを持って立っている写真
ダスティン・ジョンソンもベンタスでぶっ飛ばしています!

PING G410LSTにベンタスシャフトを挿れてみた

ベンタスのロゴアップ写

できれば渋野プロと同じ仕様で試したかったのですが、残念ながら同じヘッドを持っていないので、僕の持っているG410LSTヘッドに渋野プロと同じベンタスの5Sを挿れて使ってみました。

渋いネイビーカラーにシンプルな書体でロゴが入っているコスメは、なかなか格好良いんじゃないかと個人的には思います。ワッグルしてみると、まあまあしっかりしている感じ。

渋野プロはSpeederエボ6の時はフレックスSRだったのですが、今回は重量はほぼ同じもののフレックスはS。エボ6は中調子でベンタスは中元調子。

ちょっとしなりの感じが違うと思うし、多少ハードに感じるんじゃないかと思うのですが、なぜ渋野プロがベンタスにしたのかってのも打ってみるとわかるのかも。

ヘッド部分のアップ社写真
PINGのG410LSTに装着!

ベンタスシャフトをコースで打って見た!

さっそくコースに持ち込んで打ってみましたが、切り返しの時に少し手元側がしなる感覚があり、タイミングは取りやすいと思います。

ただ全体的にけっこう張り感があり、しっかりした振り感ですね。シャフト自体の弾性がかなり強く感じるのは、超高弾性カーボンが全長に使われているからでしょうか。

弾道は中弾道という感じで、あまりボールを上げてくれるというシャフトではなさそう。その分、前に進む力の強い球が出ます。

シャフトがボールを弾いている感じで、初速も速いように思いました。実際に弾道を計測してみたのですが、ベンタスを使うとヘッドスピードが1m/sほどアップするんですよね。

つかまりは特に強くはなく、ドローが打ちやすいシャフトではないのでスライサーにはちょっと辛いかも。その分、左が怖い人は安心して叩いていけるシャフトじゃないでしょうか。

けっこうトゥヒットしてもシャフトが捻れて当たり負けしてしまう感じが無く、シャフト先端部分の剛性が高いことが分かります。

飛距離性能はかなり高く、しっかり振れた時にはランも出てかなり飛びました。

ただ、この「しっかり振れた時」というのが重要で、中途半端に当てに行くようなスイングだと、シャフトがあまり仕事をしてくれません。

逆に言えば、しっかりと振り抜ければ振り抜けるほどシャフトが仕事をしてくれて飛距離が出るということ。

狭いホールやプレッシャーのかかる場面でもしっかりと振れるゴルファーが使うとすごい武器になるシャフトだと感じました。

ロゴアップ写真
このロゴがけっこう好きです!

渋野日向子プロはなぜベンタスのシャフトに?

これは僕の想像ですが、オフの間にいろいろとトレーニングをした結果、ヘッドスピードが上がったんだと思います。
今までのエボ6も叩いていけるシャフトでしたが、少し先端が走るような感覚があったために、少し左に行く確率が上がっちゃったんじゃないでしょうか。

多少柔らかさを感じてきたってこともあると思います。なので、元調子で先端剛性の高いベンタスで叩いても左に行かないようにしたかったんじゃないのかな。

しかもどんな状況でもしっかり振り切れる渋野プロは、叩けば叩くほど飛距離の出るベンタスでさらに飛距離が伸びたんだと思います。
僕は実際にコースで使ってみて、まさに渋野プロにはピッタリのシャフトなんじゃないかと思いました。

このシャフトを使ってぶっ飛ばす渋野プロを早くトーナメントで見てみたいもんです。

ジョーダン・スピースもベンタス!

ベンタスシャフトはどんな人におすすめ?

僕が使った5Sだとヘッドスピード42m/sくらいあれば使えるとは思いますが、しっかりと振り抜けて叩ける人に向いていると思います。スライサーよりもフッカー向けじゃないでしょうか。

ボールが上がりやすいわけではないので、ヘッドは少し上がりやすいモデルを使ったほうが良いのかもしれません。

実は6Sも少し試させてもらったのですが、これはかなりの張り感を感じて、僕では(ヘッドスピード42m/s)シャフトをしならせることができませんでした。6Sを使いこなすにはけっこうなパワーがいると思います。

藤倉コンポジットといえば、Speeder系の少し先が動いてボールをつかまえるタイプのシャフトというイメージでしたが、このベンタスは良い意味で少し違うイメージのシャフトだと思います。Speeder系が苦手だという人も試してみる価値があるんじゃないでしょうか。

渋野プロが使うということでかなり注目を集めているベンタスですが、ピタッとハマればかなり飛距離アップが期待できるシャフトだと思います。叩いていきたいタイプの人は、一度試してみるといいかもしれませんよ。

(取材・文)ゴルフバカイラストレーター 野村タケオ

野村タケオの自画像イラスト,親指立ててナイスのサイン


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