劇場型マッスル!? フォーティーンの新世代アイアン「TB-5 FORGED」が注目される理由
「TB-5 FORGED」マッスルバックの打感にキャビティのやさしさ!
フォーティーンのアイアンラインナップには『5シリーズ』と言われるモデルがある。過去のモデルで言えば『TC560フォージド』や『TC544フォージド』などがあり、それらはアベレージゴルファー向けでキャビティバック構造になっているのが特徴だった。しかし、2020年11月に発売された最新の5シリーズ『TB-5フォージド』では、その形状が一変して、シャープなマッスルバックに。さっそく試打名人の高橋良明プロに打ってもらった。
一般的なマッスルバックより、さらに打感が良い。秘密は素材と“新・劇場型キャビティ”にあり!?
マッスルバックアイアンの特徴として打感の良さがあるが、『TB-5フォージド』を打った高橋プロは一般的なマッスルバックより、さらに打感が良いと語る。
「もちろん、他メーカーのマッスルバックの打感も柔らかくて心地良い感覚なのですが、『TB-5フォージド』はさらに、打感が柔らかい。しかも、その柔らかい中でもボールの芯を感じるので、打っていて、本当に気持ち良いアイアンです。打感が柔らかいことで、微妙な距離感も合わせやすいです」
打感が柔らかい理由の1つは素材にある。最近は複合素材によるマッスルバックも増えているが、『TB-5フォージド』は正真正銘の単一素材の軟鉄鍛造。さらに、軟鉄素材の中でもS20Cを採用。一般的な軟鉄素材にはS25CとS20Cがある。これは炭素の含有率を示す数字であり、S25Cは炭素含有率が0.25%前後であり、S20Cは炭素含有率が0.2%前後。特徴としては炭素含有率が少ないS20Cの方がより柔らかい素材になっていたのだ。高橋プロはその柔らかさについて
「特にヘッドスピード40m/s前後のゴルファーなら、S20Cの柔らかい打感が好きだと思います」
独自のソール形状で、打球の上がりやすさはキャビティ級
ただ、打感が良いだけではない。打ってみると歴代5シリーズの流れを継承するやさしさがあった。
「第一印象として、すごく打球が上がりやすい。アドレスしたときの見た目よりかなり重心が低いので下側ヒットにも強くて、払い打ちタイプの人でも全然、問題ありません。しかもソールに丸みがあるので、ダフリにくいのも、やさしく感じた理由のひとつだと思います。」
『TB-5フォージド』の最大の特徴は、シアター=劇場のように形成されたバックフェースのデザイン。この形状によって打感の良さとやさしさを両立している。さらにソールのラウンド部分は、ウェッジで好評だった『DJ4』のユニバーサルソールをアイアンに初採用。これが抜けの良さにつながっていたのだ。最後に高橋プロは、
「アベレージゴルファーはもちろんですが、スピンも効くし、操作性も高いので、ツアープロでも使える完成度があります。特に最近の大型ヘッドのアイアンに違和感があるベテランゴルファーは、こういうマッスルバックの方が打ちやすいと思います」
アベレージ向けの5シリーズでありながら、軟鉄鍛造の打感、抜けの良いソール形状を搭載したことで、中・上級者も使えるアイアンに進化した『TB-5フォージド』。21年はクチコミでますます人気が高まっていきそうだ。
TB-5 FORGED
クラブ名 | TB-5 FORGED |
---|---|
ヘッド素材 | 軟鉄(S20C)鍛造 |
番手/ロフト角 | 5I/23度 6I/26度 7I/30度 8I/34度 9I/38度 P/42度 |
シャフト | カーボン:FT-70iカーボンシャフト(ワンフレックス) スチール:FS-90iスチールシャフト(S、R) |
長さ(7I) | 37.5インチ |
重さ(#7) | 約407g(FT-90iスチール・S) |
価格 | ●カーボン 5本セット(6I〜P):11万5000円+税 単品(5I):2万3000円+税 ●スチール 5本セット(6I〜P):11万円+税 単品(5I):2万2000円+税 |
テスター
高橋良明(たかはし・よしあき)
1983年生まれ。東京都出身。2013年プロ入会。サザンヤードCC所属。ツアーに挑戦するかたわら、ゴルフ専門紙やウェブメディアでテスターを務める。毎年出る新製品をほぼ打ち尽くす試打のスペシャリスト。
取材・文/野中真一
撮影/相田克巳
協力/サザンヤードカントリークラブ