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テーラーメイド SIMグローレ ドライバーの試打評価レビュー

試打のスペシャリスト・高橋良明の本気レビュー

2021/05/16 ゴルフサプリ編集部

テーラーメイド SIMグローレ ドライバー

日本市場向けのプレミアムモデルとして2012年に誕生した『グローレシリーズ』。そのやさしさと『SIMシリーズ』に搭載された数々の革新テクノロジーを合体させたのが『SIMグローレ』です。やさしい飛びは前作の『Mグローレ』からどれだけ進化したのか、「試打のスペシャリスト」高橋良明がわかりやすくレポートします。

[目次]

テーラーメイド SIMグローレ ドライバーの総合評価

テーラーメイド SIMグローレ ドライバー

飛距離性能★★★★☆(4/5)
直進性★★★★☆(4/5)
つかまりやすさ★★★★☆(4/5)
上がりやすさ★★★★☆(4/5)
総合評価★★★★☆(4/5)

テーラーメイド SIMグローレ ドライバーの特徴

テーラーメイド SIMグローレ ドライバー

設計自由度を向上させるマルチマテリアル、空力性能を上げるイナーシャジェネレータ、曲がりを抑えて真っすぐ飛ばすツイストフェース、ルールぎりぎりのボール初速を実現するスピードインジェクションなど『SIM』譲りのテクノロジーに加え、『SIMグローレ』独自の技術としてやさしく球をつかまえるドローバイアス設計や爽快な打球感をもたらすZATECフェースを搭載。

『SIMグローレ』は飛距離とつかまりのよさ、やさしさを丸ごと手に入れられるドライバーです。

特徴

  • 「ドローバイアス」で球がオートマチックにつかまる
  • 反発性能が高い「ZATECチタンフェース」を採用
  • 「ツイストフェース」とバックウエイトで直進性アップ

特徴1. 「ドローバイアス」で球がオートマチックにつかまる

テーラーメイド SIMグローレ ドライバー

『SIMグローレ』に抜群のつかまりのよさをもたらしているのはドローバイアス設計です。

ボディに軽比重911チタン合金、クラウンとソールのトゥ側にはカーボン素材を複合したマルチマテリアル構造によって生まれたフリーウエイトのうち23.5グラムがドローバイアスウエイトとしてヒールに配置されています。

また、空力性能を向上させるイナーシャジェネレータ自体をヒール寄りに搭載することで大きな重心角を実現。

インパクトでフェースがオートマチックにターンしてボールをつかまえてくれます。

特徴2. 反発性能が高い「ZATECチタンフェース」を採用

テーラーメイド SIMグローレ ドライバー

『SIMグローレ』はフェースに新開発の「ZATECチタン」を採用。

前作の6-4チタンに比べて反発性能が高く、ボール初速をルールぎりぎりにチューニングする「スピードインジェクション」やフェース下部の反発力を上げる「貫通型スピードポケット」との相乗効果で、フェースの広いエリアで高初速が得られるようになりました。

インパクトのパワーがロスなくボールに伝わるため、ヘッドスピードに頼らなくても飛距離アップが可能です。

特徴3. 「ツイストフェース」とバックウエイトで直進性アップ

『M3』『M4』以来テーラーメイドの基幹技術となっている「ツイストフェース」はもちろん『SIMグローレ』にも搭載されています。フェースが開いたままヒール下に当たるスライスの軽減効果が高く、逆に早く閉じてトゥ上に当たった場合のフックの度合いも小さくしてくれます。

また、ヘッドの軽量化で生まれたフリーウエイトのうち半分の23.5グラムはバックウエイトとして搭載され慣性モーメントがアップ。ミスヒットしてもヘッドがブレにくく高い直進安定性を実現しています。

テーラーメイド SIMグローレ ドライバーのスペック

ヘッドは軽比重チタンとカーボンのコンポジット。フジクラと共同開発した40グラム台の軽量シャフトと30グラム台の軽量グリップを搭載し、クラブ重量が270グラム台に抑えられているので46インチの長さでも楽に振り抜けます。

メーカーテーラーメイド
製品名SIMグローレ ドライバー
ヘッド素材ボディ:9-1-1チタン+グラファイト・コンポジット・クラウン&ソール、フェース:チタン(ZA)
ヘッド体積460㎤
番手/ロフト角9.5、10.5、11.5度
ライ角58度
シャフトAir Speeder TM(R、SR、S)
長さ46インチ
重量/バランス約278g/D3(S)
価格92,400円(税込)
公式サイトテーラーメイド公式サイト

テーラーメイド SIMグローレ ドライバーを試打レビュー

テーラーメイド SIMグローレ ドライバー

球をオートマチックにつかまえる「ドローバイアス」、オフセンターインパクト時の方向性のブレと飛距離ロスを抑制する「ツイストフェース」などの独自設計が詰め込まれた『SIMグローレ』。その飛びとやさしさを高橋良明が打って確かめた。

試打レビュー

  • 軽くて振りやすいから自然にヘッドスピードがアップ
  • 曲がり幅が抑えられフェアウェイキープ率がアップ
  • 軽く振ってもボール初速が上がってキャリーで飛ばせる

軽くて振りやすいから自然にヘッドスピードがアップ

とにかく軽い。これが『SIMグローレ』を手に持ったときの第一印象です。そして、構えてみるとカタログの数値以上にライ角がアップライトに見えます。ボールを打つ前からこのドライバーは振りやすくて球がつかまるという確信が持てるので、肩の力が自然に抜けて自分の思った以上にいい結果が得られます。

実際に打ってみると、少し長さがあることもまったく気にならずフィニッシュまで楽に振り抜くことができ、ヘッドスピードも上がります。

また、とくに意識しなくてもフェースがタイミングよく返ってくれるので、第一印象そのままに球がしっかりつかまります。

曲がり幅が抑えられフェアウェイキープ率がアップ

『SIMグローレ』は慣性モーメントが巨大で右にも左にも曲がらないというよりは、球のつかまりのよさで曲がり幅を抑えてストレートに近い弾道で打たせてくれるタイプのクラブです。

いまのはちょっと右に行ってしまったかなと思った当たりでもボールがフェアウェイに戻って来たり、大きな曲がりを覚悟してもボールが耐えてラフに残ってくれたりします。右の斜面や林に入るのと、割と平らなラフでは2打目の打ちやすさがまったく違いますから、スコアメイクにもつながります。

また、OBを気にせず安心して振れるので結果的に平均飛距離もアップします。

軽く振ってもボール初速が上がってキャリーで飛ばせる

弾きのよさは『SIM』や『SIM2』と同じですが、『SIMグローレ』は一生懸命振らなくてもポーンと初速が上がってくれて、ターゲット層のヘッドスピードに合わせてチューニングされている感じがします。

スイートエリアも『Mグローレ』より広く感じます。球が滑る感じがなく前に押してくれるので、スライサーや打点のぶれるアベレージゴルファーでも強めの球で飛ばせそうです。

空力の効果もあるせいかシャフトの走りもよく、ゆっくりしたリズムで振ったときでもボールがしっかり浮いて高い球になるのでキャリーがきちんと出ます。

テーラーメイド SIMグローレ ドライバーがおすすめの人

振り心地がとても軽いので自分のドライバーがちょっと重くて振りきれない人や、後半になると疲れて飛ばなくなる人に試して欲しいですね。シニアだけでなく少し振れる女性ゴルファーにもちょうどいいスペックです。

球がつかまるのでスライサーにはとくにおすすめですが、左のミスもカバーしてくれるので意外とフッカーにも合います。意図してボールを曲げるのは難しいけれど、ストレートな弾道でシンプルにターゲットに運ぶ人なら上級者でも問題なく使えます。強めに振っても球がねじれにくいのでちょっと重くて硬いシャフトを入れれば僕たちプロでも使えそうなくらいです。

球を逃がして打つタイプのフェードヒッターには扱いづらいかもしれませんが、『SIMグローレ』はとにかくやさしいので日本人ゴルファーの9割はいい結果が出そうです。

テーラーメイド SIMグローレ ドライバーの評価

モデルチェンジして以前とは別物のように完成度が上がっています。見た目の安心感、振り心地の軽さ、つかまりやすさ、弾きのよさ、芯の広さ、上がりやすさ、直進性、そして飛距離。『SIMグローレ』は打っていて何一つ不足を感じないドライバーです。

中でもとくにいいところは振りやすさとつかまりのよさです。ただ軽いだけでなくヘッドの位置をしっかりと感じられるので、持ったときのフィーリング以上に振りやすく、球がしっかりつかまって曲がりも小さいので、使っているうちにどんどん振れるようになって飛距離も出るようになるでしょう。


高橋良明

テスター/高橋良明(たかはし・よしあき)

1983年生まれ、東京都出身。2013年プロ入会。サザンヤードCC所属。ツアーに挑戦するかたわら、ゴルフ専門誌やウェブメディアでテスターを務める。毎年出る新製品をほぼ打ち尽くす試打のスペシャリスト。