キャロウェイ EPIC MAX FASTフェアウェイウッド試打評価レビュー
試打のスペシャリスト・高橋良明の本気レビュー
『EPIC MAX FASTフェアウェイウッド』はミスヒットに強い大型ヘッドでドライバー並みの反発性能を誇る『EPIX MAXフェアウェイウッド』をベースにして設計された軽量モデルです。圧倒的な軽さがもたらす飛距離性能やつかまりのよさ、上がりやすさについて「試打のスペシャリスト」高橋良明が試打レポートをお届けします。
[目次]
キャロウェイ EPIC MAX FASTフェアウェイウッドの総合評価
飛距離性能 | ★★★★☆(4/5) |
---|---|
打球感 | ★★★☆☆(3/5) |
操作性 | ★★★☆☆(3/5) |
上がりやすさ | ★★★★★(5/5) |
総合評価 | ★★★★☆(4/5) |
キャロウェイ EPIC MAX FASTフェアウェイウッドの特徴
同時発売されたドライバーと共通のコンセプトに基づき、『EPIC MAX FASTフェアウェイウッド』はベースモデルの『EPIX MAXフェアウェイウッド』より25グラムもの軽量化を達成しました。総重量は一般的な軽量ドライバーほどしかないため、パワーのない人でも楽に振り抜け、速く振ることができます。
AIが設計した「FLASHフェースSS21」や「JAILBREAK AI ベロシティブレード」も当然ながら標準装備。ヘッドスピードアップとボールスピードアップのダブル効果によりフェアウェイウッドとしては最大級の飛距離性能を実現しています。
- マイナス25グラムの軽さでヘッドスピードがアップ
- AIが設計したフェースと「JAILBREAK」で初速がアップ
- 大きな投影面積と拾いやすい形状で安心感がアップ
特徴1. マイナス25グラムの軽さでヘッドスピードがアップ
『EPIC MAX FASTフェアウェイウッド』は『EPIX MAXフェアウェイウッド』」とまったく同じサイズの大型ヘッドながら、ソールのスクリューウエイトを14+2グラムから5+2グラムに変更することでヘッドを大幅に軽量化。
さらに、シャフトは軽量オリジナルモデルの『Speeder EVOLUTION』(約39グラム(R)〜42グラム(R))を採用。グリップも超軽量の『ゴルフプライドツアー25』(約30グラム)を装着することで、トータル重量約283〜286グラムの軽さを実現。
最後まで気持ちよく振り切れるフェアウェイウッドに仕上げられています。
特徴2. AIが設計したフェースと「JAILBREAK」で初速がアップ
『EPIC MAX FASTフェアウェイウッド』はフェースに高強度素材C300マレージング鋼(#7のみ455カーペンタースチール)の鍛造フェースカップ構造を採用。このモデル専用にAIが設計した肉厚形状「FLASHフェースSS21」により非常に広い高初速エリアを実現しています。
また、同じくAIが解析と設計を行った2本の柱「JAILBREAK AI ベロシティブレード」がボディ剛性を最適化し、カップフェースのたわみを最大化。
2つのテクノロジーの融合がドライバー並みの反発性能と大きな飛距離を実現しました。
特徴3. 大きな投影面積と拾いやすい形状で安心感がアップ
投影面積が大きくシャローなヘッドはかまえたときに安心感があります。また、シャープなリーディングエッジはソールしたときのすわりがよく、地面のボールを拾いやすくなっています。
『EPIC MAX FASTフェアウェイウッド』のヘッドシェイプは『EPIC MAXフェアウェイウッド』と同一ですが、フェースとソール面に「ホワイトPVD仕上げ」が採用されたことで、見た目はさらにやさしい印象になっています。
また、クラウンとフェースの色のコントラストがはっきりしているため、ソールしたときにフェースの向きを確認しやすく、ターゲットに対して正確にセットしやすくなりました。
キャロウェイ EPIC MAX FASTフェアウェイウッドのスペック
シャフトは40グラム前後の軽量オリジナルモデル。『Speeder EVOLUTION』らしいしなり戻りで、球のつかまりがよく上がりやすい。『EPIC MAXフェアウェイウッド』にラインナップされている9番と11番は未発売。
メーカー | キャロウェイ |
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製品名 | EPIC MAX FAST フェアウェイウッド |
ヘッド素材 | ボディ:17−4ステンレススチール+トライアクシャル・カーボンクラウン フェース:マレージング鋼C300(#3、5)、カーペンター455スチール(#7) |
番手/ロフト角 | #3/15度 #5/18度 #7/21度 |
シャフト | Speeder EVOLUTION for Callaway(R、SR、S) |
長さ(#3) | 43インチ |
重量/バランス(#3/S) | 約286g/D0 |
価格 | 46,200円(税込) |
公式サイト | キャロウェイゴルフ公式サイト |
キャロウェイ EPIC MAX FASTフェアウェイウッドを試打レビュー
最大級のボール初速とやさしさを誇るフェアウェイウッドは軽量化によってどんなクラブに進化したのでしょうか。『EPIC MAX FASTフェアウェイウッド』の飛びと打ちやすさについて高橋良明が検証ました。
- 見た目はオーソドックス、かまえると球が上がるイメージ
- ヘッドが走るからかんたんに球が上がってキャリーを稼げる
- 1番手短いクラブのように球がつかまって芯に当てやすい
見た目はオーソドックス、かまえると球が上がるイメージ
『EPIC MAX FASTフェアウェイウッド』のヘッドはかなり大型ですが、形状そのものは歴代「エピックシリーズ」の流れを汲んでいてとてもオーソドックスです。見た目に癖がなく本当にきれいな顔で、リーディングエッジとトップブレードのラインも平行なので、あまり意識しなくてもターゲットラインに対してフェースを直角に合わせられます。実際にかまえてみるとフェースはかなりシャローに見えます。
そして、リーディングエッジがかなり前の方に出ていてソールしたときに地面と隙間ができません。刃先がボールの下にすっと入って球を拾ってくれそうで球が上がるイメージしかありません。
ヘッドが走るからかんたんに球が上がってキャリーを稼げる
「EPIC MAX FASTシリーズ」はドライバーも軽いけれど、フェアウェイウッドも自分の手に持っているのがゴルフクラブとは思えないくらい軽いですね。振っているときも重さを感じることは一切ないのでもたつかずにビュンと振り切れます。頑張って振らなくても勝手にヘッドスピードが出て、その分初速も上がります。
『EPIC MAXフェアウェイウッド』も球がよく上がりますが、『EPIC MAX FASTフェアウェイウッド』の方が速く振れるのでさらにかんたんに球が上がります。
また、シャローで低重心なのでフェースの下の方に当たったときにもしっかりと球が浮いてキャリーが出ます。
1番手短いクラブのように球がつかまって芯に当てやすい
あまりに軽いので最初は手元が浮いたりトップしたりするかと不安でしたが結果は逆でした。ヘッドが走ってくれるからものすごく球がつかまります。
『EPIC MAX FASTフェアウェイウッド』の場合、ヘッドだけが軽いわけではなく、クラブ全体が軽いのでバランスがいいのでしょう。ヘッドの動きとシャフトの動きがマッチしていてすごく振りやすく感じます。
レングスもロフト角もふつうですが、まるでそれよりも短いクラブを振っているかのように芯に当てやすいクラブです。軽く振ってもここまで球が上がってつかまってくれるフェアウェイウッドはめったにありません。
キャロウェイ EPIC MAX FASTフェアウェイウッドがおすすめの人
体力には自信がないけれどクラブに助けてもらって飛距離を伸ばしたい人はもちろんですが、『EPIC MAX FASTフェアウェイウッド』はただの飛距離自慢ではなく、とにかくやさしいのでフェアウェイウッドが苦手な人に一番に使ってもらいたいですね。とくに球が浮きづらい人なら一回は試すべきでしょう。
つかまりがいいヘッドの割には見た目がよく真っすぐかまえやすいので、キャリアの長いシニアゴルファーも違和感なく使えるでしょう。強振しないスインガータイプであれば若い人でも大丈夫。なんならぼくも使いたいくらいです。
スペック的には超軽量ドライバーを使っている人にドンピシャ。楽に飛ばしたいけれどフックフェースはかまえにくいという人にもおすすめです。
キャロウェイ EPIC MAX FASTフェアウェイウッドの評価
『EPIC MAX FASTフェアウェイウッド』は軽量フェアウェイウッドの概念をいい意味で変えてくれました。自然と速く振れて距離を稼げるのはもちろんですが、それ以上につかまりのよさと球の高さがこのクラブを使って得られる大きなメリットだと思います。
最近のフェアウェイウッドはやたらと飛ぶものが多いけれど、フェアウェイウッド本来の目的はねらったところに飛ばすことです。『EPIC MAX FASTフェアウェイウッド』はただ少ないスピンで遠くへ飛ばすのではなく、つかまりやすさと十分な球の高さ、適正なスピンで思ったところへ思った弾道で飛ばしやすいフェアウェイウッドです。
テスター/高橋良明(たかはし・よしあき)
1983年生まれ、東京都出身。2013年プロ入会。サザンヤードCC所属。ツアーに挑戦するかたわら、ゴルフ専門誌やウェブメディアでテスターを務める。毎年出る新製品をほぼ打ち尽くす試打のスペシャリスト。