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ダンロップ ゼクシオエックスアイアンを高橋良明が試打評価レビュー

2021/12/02 ゴルフサプリ編集部

ダンロップ ゼクシオエックスアイアン

「ゼクシオ」の振りやすさ、軟鉄鍛造のフィーリング、飛距離性能を融合した『ゼクシオエックスアイアン』の2代目はどのように進化したのか。試打のスペシャリストとしておなじみのプロゴルファー高橋良明が『ゼクシオ12アイアン』や初代『ゼクシオエックスアイアン』とも比較しながらファーストインプレッションをお届けします。

[目次]

ダンロップ ゼクシオエックスアイアンの総合評価

ダンロップ ゼクシオエックスアイアン

飛距離性能★★★★☆(4/5)
打球感★★★★☆(4/5)
操作性★★★★☆(4/5)
上がりやすさ★★★★☆(4/5)
総合評価★★★★☆(4/5)

ダンロップ ゼクシオエックスアイアンの特徴

ダンロップ ゼクシオエックスアイアン

『ゼクシオエックスアイアン』はフォージドらしい心地よいフィーリングと弾きのいいフェースによる飛距離性能を両立した軟鉄鍛造複合アイアンです。新たに採用された新素材の薄肉フェースと「リバウンドフレーム」により、初速性能がさらにアップ。また、フェース面のマイクロレーザーミーリングと番手別フェースライン設計によりスピン性能も向上。「ゼクシオ」らしい振りやすさはそのままに、安定した飛距離と方向性をねらえるアイアンとなっています。

特徴

  • 高初速・高知出しを実現する「リバウンドフレーム」を新搭載
  • 厚さ2.1ミリの新素材薄肉フェースが高い反発性能を実現
  • 打ち込んでも刺さりにくく抜けが抜群の「Vソール」採用

特徴1. 高初速・高知出しを実現する「リバウンドフレーム」を新搭載

剛性の低い「フレックスゾーン」と剛性の高い「リジッドゾーン」を交互に配置した「リバウンドフレーム」は、より大きくフェースをたわませて飛距離をアップさせるダンロップの独自技術です。『ゼクシオエックスアイアン』では、フェース裏面とボディの接合部の溝「スピードグルーブ」を外周ギリギリまで拡げることで、とくにフェース下部のたわみを増幅させています。また、ボディ後方の「リジッドゾーン」がフェースのたわみをしっかり受けとめることで、たわみ戻りのエネルギーがロスなくボールに伝わり、高初速・高打ち出しで飛ばせるようになっています。

特徴2. 厚さ2.1ミリの新素材薄肉フェースが高い反発性能を実現

『ゼクシオエックスアイアン』のフェース素材「DHATM1」は金型や工具にも使われる特殊鋼です。フェース厚を2.1ミリまで薄くしても十分な強度があり、高い反発性能とフェースの軽量化を実現しています。その余剰重量等を生かしてロングとミドル番手のトゥ側下部には高比重タングステンニッケルウエイトを配置。フォージドアイアンながら低い重心位置と高い慣性モーメントを実現しています。また、フェース表面には排水性を高めるマイクロレーザーミーリング加工が施されていますが、「DHATM1」は耐摩耗性にも優れているため溝やミーリングが減りにくくスピン性能が長持ちします。

特徴3. 打ち込んでも刺さりにくく抜けが抜群の「Vソール」採用

ダンロップ ゼクシオエックスアイアン

丸みのある『ゼクシオ12アイアン』に対し、『ゼクシオエックスアイアン』は直線的なフォルムとなっています。ブレードは適度な厚みがあり、トップラインがストレートでグースも少なめなのでターゲットに対してシャープにかまえることができます。また、ソール形状は「スリクソンZXアイアン」と同じVソールを採用。前側のバンス角が大きめに設定されているのでダウンブローで入れたときにもリーディングエッジが刺さりにくく、いろいろな打ち方やライで抜けのよさを発揮します。

ダンロップ ゼクシオエックスアイアンのスペック

シャフトは50グラム台後半のカーボン『Miyazaki AX-2』とゼクシオ専用設計でしっかりめの軽量スチール『N.S.PRO950GH neo DST for XXIO』の2種類。また、ロフト角や重量は『ゼクシオ12アイアン』と『スリクソンZX5アイアン』の中間で、飛距離、振りやすさ、操作性のバランスを重視した設定となっています。

メーカー名ダンロップ
製品名ゼクシオエックス アイアン
ヘッド素材[#4〜9]ボディ:軟鉄鍛造+高比重タングステンニッケル、フェース:DHATM1(高強度特殊鋼)
[PW〜SW]ボディ:軟鉄鍛造、フェース:クロムバナジウム鋼
番手/ロフト角4I/21度
5I/23度
6I/26度
7I/29度
8I/33度
9I/38度
PW/43度
AW/49度
SW/56度
シャフトカーボン:Miyazaki AX-2(R、SR、S)
スチール:N.S.PRO 950GH neo DST for XXIO(R、S)
長さ(#7)37インチ
重量/バランス(#7)378g/D0(カーボン(S))
415g/D1(スチール(S))
価格●カーボン
5本セット(#6〜9、PW):137,500円(税込み)
単品(#4、#5、AW、SW):27,500円(税込み)

●スチール
5本セット(#6〜9、PW):110,000円(税込み)
単品(#4、#5、AW、SW):22,000円(税込み)
公式サイトダンロップ公式サイト

ダンロップ ゼクシオエックスアイアンを試打レビュー

「リバウンドフレーム」を搭載しさらなるボールスピードを獲得した『ゼクシオエックスアイアン』の戦闘力はどれだけアップしたのか。また、『ゼクシオエックスアイアン』はどんなゴルファーにマッチするのか。高橋良明が試打で確かめました。

試打レビュー

  • スクエア感のあるフォルムはターゲットに対し真っすぐかまえやすい
  • 打感がソフト、ボールがしっかり潰れる厚いインパクトを味わえる
  • 前後左右の距離の誤差が小さく、止まる球が打ちやすい

スクエア感のあるフォルムはターゲットに対し真っすぐかまえやすい

ダンロップ ゼクシオエックスアイアン

大型ヘッドで見るからにやさしそうな『ゼクシオ12アイアン』に対し、『ゼクシオエックスアイアン』はバックフェースのデザインといいシャープな見た目といい同じ「ゼクシオ」とは思えません。ヘッドの素材もまったく違うし、シャフト重量も10グラムずつ想いので、まったく別のアイアンと考えた方がいいでしょう。『ゼクシオエックスアイアン』はトップブレードがストレートで、スコアラインもはっきりと見えるため、スクエア感がありラインに対して真っすぐかまえやすく、よりシビアにターゲットをねらっていけるイメージです。また、仕上げが流行のシルバーなのでかまえたときに日光の反射が気になりません。

打感がソフト、ボールがしっかり潰れる厚いインパクトを味わえる

新素材のフェースは弾きがよくロフトも立っているので飛びますが、ボディが軟鉄鍛造なので打感はかなりソフトです。『ゼクシオ12アイアン』と比べても『ゼクシオエックスアイアン』の方がやわらかく、弾きが少し抑えられてその分球が潰れる厚いインパクトになります。球持ちもよくなるので、弾いてパーンと右に飛んでいってしまうのではなく、しっかりつかまえて左から右に曲げることができます。基本的にはやさしいアイアンですが、ソールの抜けもよくアスリートモデルに近いフィーリングなので、自分から積極的に曲げていこうという気になります。

前後左右の距離の誤差が小さく、止まる球が打ちやすい

ひとことでいえばやさしいアスリートアイアンです。見た目は「ゼクシオ」らしくなくても、中身はやはり「ゼクシオ」のやさしさが詰まっています。セミラージサイズの複合ヘッドはスイートスポットが広く上下左右の打点のブレに強く、アベレージゴルファーにとってもミスを減らしてくれるアイアンです。打ち出し角とスピン量も安定しているので、左右の曲がりも距離の誤差も小さくなっています。『ゼクシオ12アイアン』と同じく球がよく上がりますが、『ゼクシオ12アイアン』が低重心と弾きで打ち出しから球を上げているのに対し、『ゼクシオエックスアイアン』はスピンで持ち上げている感じです。弾道の最高到達点が奥になるので、落下角度が大きく止まる球が打てます。

ダンロップ ゼクシオエックスアイアンがおすすめの人

ダンロップ ゼクシオエックスアイアン

『ゼクシオエックスアイアン』は見た目が少しアスリート系寄りなので、とくにかっこいいアイアンを使いたい人やこれから練習して上手くなりたい人にはぴったりはまりそうです。また、これまで「ゼクシオ」を使ったことのない人や外ブラ志向の強い人にも先入観なしに試して欲しいモデルです。アベレージゴルファーから中上級者まで対象ユーザーの幅がすごく広いのも特徴です。適度な重量でしっかりとしたスチールシャフトと軽くて振りやすいカーボンシャフトから選べるので、若くてパワーのある人からちょっと飛距離の落ちてきたシニアまで幅広い年代にフィットします。ゴルフ人生で最初のアイアンとして手に入れて上達しながら長く愛用するのもいいですね。

ダンロップ ゼクシオエックスアイアンの評価

ダンロップ ゼクシオエックスアイアン

『ゼクシオエックスアイアン』はいわば「ゼクシオ」の皮を被った「スリクソン」です。同じ「ゼクシオ」でも『ゼクシオ12アイアン』とは明確に作り分けられていて、グースは少しあるものの直線的でシャープな顔つきやダウンブローで打ちやすいソール形状は「スリクソン」にかなり近く、スピン性能も高いので真っ直ぐ飛ばすだけでなくある程度球筋のコントロールもできます。一方、安心感のある大きさ、寛容性、スイートスポットの広さは「ゼクシオ」譲り。チャレンジした結果、ミスをしてもクラブがカバーしてくれるので、より積極的に攻めていくことができます。


高橋良明

テスター/高橋良明(たかはし・よしあき)

1983年生まれ、東京都出身。2013年プロ入会。サザンヤードCC所属。ツアーに挑戦するかたわら、ゴルフ専門誌やウェブメディアでテスターを務める。毎年出る新製品をほぼ打ち尽くす試打のスペシャリスト。

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