ダンロップ ゼクシオ12アイアンを高橋良明が試打評価レビュー
いよいよ12月11日(スチールは12月17日)に発売される『ゼクシオ12(トゥエルブ)アイアン』。初代からの基本コンセプトである「飛び」「打ちやすさ」「爽快な打球音」はどのように進化したのか。また、新たに採用されたテクノロジーはアマチュアゴルファーにどんな恩恵をもたらしてくれるのか。試打のスペシャリストとしておなじみのプロゴルファー高橋良明が『ゼクシオエックス』との比較も交えながらのファーストインプレッションをお届けします。
[目次]
ダンロップ ゼクシオ12アイアンの総合評価
飛距離性能 | ★★★★★(5/5) |
---|---|
打球感 | ★★★★☆(4/5) |
操作性 | ★★★☆☆(3/5) |
上がりやすさ | ★★★★★(5/5) |
総合評価 | ★★★★☆(4/5) |
ダンロップ ゼクシオ12アイアンの特徴
モデルチェンジのたびに飛びとやさしさが進化する「ゼクシオ」は選んで間違いのないアイアンの代表格ですが、12代目の『ゼクシオ12アイアン』では飛距離性能が目覚ましく向上しています。「フェースがたわむ。ボディもたわむ。ダブルのたわみで突き抜ける爽快な飛び!」という謳い文句の通り、反発力の高い薄肉チタンフェースに加え、ボディの一部の剛性を低くしてフェースのたわみを増幅させる「リバウンドフレーム」構造を新たに搭載。2つの相乗効果によりボールスピードの大幅なアップを実現しています。
- 「薄肉チタンフェース」が初速アップと高い寛容性に貢献
- 「リバウンドフレーム」が高初速・高打ち出しの飛びを実現
- かまえたときの安心感が大きく、払い打ち向きのヘッド形状
特徴1. 「薄肉チタンフェース」が初速アップと高い寛容性に貢献
『ゼクシオ12アイアン』にはチタンフェース、ステンレスボディ、タングステンニッケルウエイトの複合構造が採用されています。ドライバーにも使われているフェース素材「Super-TIX®51AF」チタン合金の特徴は軽比重でありながら強度が高いところ。薄肉化によってフェース全面で初速性能をアップさせると同時に、余剰重量を生かしてトゥ下にタングステンニッケルウエイトを配置して番手別の最適重心設計と高い慣性モーメントを実現。ロング番手でもボールが上がりやすく、ミスヒットに対する寛容性も前作よりさらに大きくなりました。
特徴2. 「リバウンドフレーム」が高初速・高打ち出しの飛びを実現
剛性の低い「フレックスゾーン」と剛性の高い「リジッドゾーン」を交互に配置することでより大きなフェースのたわみを生み出すダンロップの独自技術「リバウンドフレーム」をアイアンにも搭載。ポケットキャビティの底部からさらに下方に配置されたL字状の深い溝には、ウッドに比べて分厚いアイアンのソール剛性を下げて、とくにフェース下部のたわみを増幅させる効果があります。また、ボディ後方の高剛性ゾーンには、フェースのたわみをしっかりと受けとめてエネルギーをロスなくボールに伝える役割を担っています。このため『ゼクシオ12アイアン』では、多少当たりが薄くてもボールも高初速・高打ち出しで飛ばすことができます。
特徴3. かまえたときの安心感が大きく、払い打ち向きのヘッド形状
直線的でシャープな『ゼクシオエックスアイアン』に対し、『ゼクシオ12アイアン』は丸みのあるやさしいイメージのフォルムを採用。トゥからヒールにかけてゆるやかにラウンドしたトップブレードと高さのあるヒールのよって、かまえたときにフェース面が大きく見えるため安心感は抜群。また、グースが大きめのネック形状はつかまりのよさをイメージさせてくれます。幅広のソールは手前から入っても滑ってくれるのでクリーンに当たりやすく、バンス角がフラットなので払い打ちに適した形状となっています。
ダンロップ ゼクシオ12アイアンのスペック
シャフトは45〜50グラムの超軽量カーボンと専用設計の軽量スチールの2種類。また、『ゼクシオ12アイアン』のロフト角は『ゼクシオエックスアイアン』と比べて1度ずつ立てられています。レフトハンドモデルもあり。
メーカー | ダンロップ |
---|---|
製品名 | ゼクシオ12 アイアン |
ヘッド素材 | [#5〜7]ボディ:SUS630+高比重タングステンニッケル、フェース:チタン(Super TIX®51AF) [#8〜PW]ボディ:SUS630、フェース:チタン(Super TIX®51AF) |
番手/ロフト角 | 5I/22度 6I/25度 7I/28度 8I/32度 9I/37度 PW/42度 AW/48度 SW/56度 |
シャフト | カーボン:ゼクシオMP1200(R2、R、SR、S) スチール:N.S.PRO 850GH DST for XXIO(R、S) |
長さ(#7) | 37.25インチ(カーボン)、37インチ(スチール) |
重量/バランス(#7) | 362g/C8(カーボン(R)) 403g/D0(スチール(R)) |
価格 | ●カーボン 5本セット(#6〜9、PW):137,500円(税込み) 単品(#5、AW、SW):27,500円(税込み) ●スチール 5本セット(#6〜9、PW):110,000円(税込み) 単品(#5、AW、SW):22,000円(税込み) |
公式サイト | ダンロップ公式サイト |
ダンロップ ゼクシオ12アイアンを試打レビュー
「リバウンドフレーム」を新たに搭載し歴代モデルで最速のボールスピードを実現した『ゼクシオ12アイアン』。大幅に進化したやさしさ、打感、飛距離性能について高橋良明が徹底的にチェックしました。
- 前作よりも球が上がりやすく、ミスヒットにも強くなった
- 弾くけど軟らかい、この気持ちよさはゼクシオならでは
- 打ち出しが高いのに前に飛ぶからキャリーでグリーンをねらえる
前作よりも球が上がりやすく、ミスヒットにも強くなった
アイアンは見た目が機能を表しているといっても過言ではありません。『ゼクシオ12アイアン』の場合はどの角度から眺めても一目で「ゼクシオ」とわかるデザインで、打ちやすさを前面に押し出してきた初代からのコンセプトがまったくブレていないことを示しています。前作と比べるとソールが少し厚くなって、ポケットキャビティもより深く広くなっているので見るからに重心が低く球が上がりやすくなっています。ヘッド自体少しサイズアップしていて、これだけ大きいとかまえたときに安心感しかなく、ミスヒットに対する寛容性もかなり高くなっています。『ゼクシオエックスアイアン』の見た目はよりシャープになりましたが、『ゼクシオ12アイアン』は飛び系の『ゼクシオクロス』に近付いて飛距離もかなり期待できそうです。
弾くけど軟らかい、この気持ちよさはゼクシオならでは
薄くて反発力の高いフェースはトゥやヒール、下側に打点をずらしてもボール初速が出ます。その分だけ打球音がやや高めですが、不思議と手に伝わる打感はそんなに硬くありません。チタンやマレージングフェースの複合アイアンの中ではかなりやわらかい部類に入ります。打感は独特で、弾きが強いのは確かですが、一瞬ボールが潰れてフェースに乗ってから弾く感じです。相変わらずの「ゼクシオ」らしい乾いた打球音はいかにも飛ばしているような気にさせてくれます。ただ飛ばすだけでなく、毎ショット気持ちよく打たせてくれるのが『ゼクシオ12アイアン』のすごいところです。
打ち出しが高いのに前に飛ぶからキャリーでグリーンをねらえる
前作よりもさらに弾道が高くなりキャリーが出るようになりました。とくに違いを感じるのはフェースの下の方に当たったときです。当たりが薄くてもしっかり初速が出て打ち出しも高いので、悪いライに強く安定して飛ませます。一般的に打ち出し角が高いアイアンは前に飛びにくく、逆に打ち出しが低いアイアンはヘッドスピードがないとドロップして前に飛びません。ところが『ゼクシオ12アイアン』ですごいのは高く上がるのに前にも飛んでくれるところです。これは球のつかまりがよくボールを強く前に押してくれるからでしょう。カーボンシャフトだけでなくスチールシャフトも先端が軟らかくボールが楽に上がってつかまります。
ダンロップ ゼクシオ12アイアンがおすすめの人
とくにオススメしたいのはスコアが100前後の人です。『ゼクシオ12アイアン』はアベレージゴルファーの打点のブレをカバーするようにスイートスポットが拡げられているし、ダフりにくいソール形状になっているので、ミスの幅が確実に小さくなり、その結果スコアがよくなります。また、飛距離を取り戻したいベテランゴルファーにも試して欲しいアイアンです。ただ飛ぶだけでなく球が上がるのでターゲットをねらいやすく、軟らかく弾いてくれるので打感を重視する人でもそれほど不満を感じることはないでしょう。また、歴代の「ゼクシオアイアン」を使ってきた人ならまったく違和感なく使うことができ、間違いなく距離が出せるのでメリットしかありません。
ダンロップ ゼクシオ12アイアンの評価
数代前からアベレージ向けアイアンとして完成の域に達していた「ゼクシオアイアン」ですが、『ゼクシオ12アイアン』を打ってみてまだ進化する余地があったのかと驚かされました。ただロフトを立てて飛ばすのではなく、振り抜きがよく自然にスイングスピードが上がるので打っていて気持ちいいと思わせてくれるのが『ゼクシオ12アイアン』の魅力です。左右だけでなく縦のブレが小さいのも特長です。やさしいだけでなくスコアをよくしたい人が使っても満足できるアイアンです。
テスター/高橋良明(たかはし・よしあき)
1983年生まれ、東京都出身。2013年プロ入会。サザンヤードCC所属。ツアーに挑戦するかたわら、ゴルフ専門誌やウェブメディアでテスターを務める。毎年出る新製品をほぼ打ち尽くす試打のスペシャリスト。
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