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オフシーズンの稲見萌寧。「引退するまで、ずっと1位でいたい」

2021年の賞金女王&オリンピックメダリストが久々にメディアの前に登場!

2022/01/31 ゴルフサプリ編集部

北谷津ゴルフガーデン(千葉県)で会見したオフシーズンの稲見萌寧

北谷津ゴルフガーデン(千葉県)で会見したオフシーズンの稲見萌寧

トレーニングと練習に専念するオフシーズンを送っている稲見が、メディアにその姿を久々に披露したのは29日のこと。“ホーム”の北谷津ゴルフガーデン(千葉県)で会見し、昨シーズンを振り返り、新たな戦いへの抱負を口にした。

ジュニア時代から描く大目標は永久シード権獲得

メディア関係者の前でポーズをとる稲見萌寧

メディア関係者の前でポーズをとる稲見萌寧

賞金女王・稲見萌寧が、パワーアップして2022年シーズンに臨むことを宣言した。

2021年だけで8勝、2020年からのロングシーズンでは9勝という圧倒的な結果を残したが、終盤には激しい腰痛に見舞われた。大詰めで棄権を余儀なくされ、古江彩佳に肉薄されて、賞金レースは最終戦までもつれこんだ。

「(腰痛が出たときの)初期対応を間違えたのかな、と思います。それが一番の心残り。(そうでなければ)違うタイトルも取れてたのかな」(稲見)と悔しがる。ポイント制のメルセデスランキングで、わずかに古江に及ばず、2位に終わっているからだ。

肉体的な不安を払しょくするべく、オフにはまず、新しいトレーナーとともに腰だけでなく全身を強化することを最優先に取り組んだ。

1月から新たにタッグを組んだのは、澤木弘之トレーナー。千葉市内で営む接骨院に澤木氏のもとに、一般患者として訪れたのが始まりだ。澤木氏の施術を受けると、腰痛だけでなく「何年も悩んでいた首の凝りが半分くらい治って」と、効果を実感。「今年からお願いできますか」と、ツアーへの帯同を依頼したという。

腰痛という爆弾を抱え、終盤は練習も思うようにできなかった。豊富な練習が礎の稲見にとってこれは「具合悪くても1つしかできないニキビが3つもできました」というほどの大きなストレスだった。

澤木氏と、体幹を鍛えながらケアして不安を取り除き、体の硬さを補い、可動域を大きくすることが、オフのスタートだった。練習量も徐々に戻りつつある。「昨年の動画を見ると、股関節はやわらかいのですが、上半身が回らないから手でクラブを上げていた部分がありました。捻転がほとんどできていなくて、上半身のツケが腰に集中していた」と、澤木氏は分析。余計な力みがなく、安定したパフォーマンスにつなげる方向で進めている。

パーオン率ツアーNo.1のショット力を誇る稲見。昨シーズンは75.7688%が、本人は「2019年(78.2079%)が一番いいんです」と、不満をのぞかせる。「引退するまで、ずっと1位でいたい。2019年の記録を塗り替えるなら自分。それだけは死守したい。80%を越えたいと思っています」と、ショットメーカーとして絶対に譲れない高い目標を掲げている。

「2022年はまずは1勝できれば」という言葉は謙虚なように聞こえる。しかし「シーズンの総合的な目標も決めていません」と確実に一歩、一歩進もうという姿勢は女王になっても変わらない。実は、その向こうには、ジュニア時代から描く大目標がある。ツアー通算30勝が条件の永久シード権獲得がそれだ。

これまで樋口久子、岡本綾子、涂阿玉(とあぎょく)、大迫たつ子、森口祐子、不動裕理の6人しかいない永久シード選手。選手層が厚くなればなるほど、勝利数を増やすことは難しくなる。だが、稲見は22歳ですでに必要な3分の1の勝ち星を挙げている。

2003年に年間10勝した不動を例に挙げて質問されると「ムリですね。不動さんはすごいけど、今は強敵しかいないので。去年の8勝もヤバい(すごい)な、と思うくらいです」と答えた。だが、賞金ランキングよりポイント制のメルセデスランキングが重視されることについて「毎週、負けたくないのでよくわからないので、あまり考えていません」と、出る試合すべてで優勝を狙うことを匂わせた。

シーズン9勝を挙げて、東京オリンピックでは銀メダルを獲得した女王、稲見に周囲はヒートアップする一方だが、本人はいたって冷静で、思う存分練習できるようになることがうれしくて仕方ない。これまでと変わらない地に足の着いた日々を送りながら、さらなる飛躍を誓っている。

文/小川淳子

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