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2022シーズン初勝利で最年長記録更新のランガー「最多勝更新も夢ではない」

2022/02/26 ゴルフサプリ編集部 吉田洋一郎プロ

2月20日に最終日を迎えた米シニアツアーのPGAツアーチャンピオンズ、チャブ・クラシックで、64歳のベルンハルト・ランガー(ドイツ)が優勝を果たし、自身が持つ米男子シニアツアーの最年長優勝記録を64歳5カ月23日に更新した。

完全優勝で記録に花を添える

米シニアツアーのPGAツアーチャンピオンズ、チャブ・クラシックでランガーは「64」「68」「68」と3日間首位を守り続けて通算16アンダーで完全優勝を飾った。ランガーは昨年10月に開催されたドミニオンエナジー・チャリティクラシックで64歳1カ月27日のツアー最年長優勝記録を樹立したばかりだったが、4カ月足らずで自身の記録を塗り替えた。

私はCS放送のゴルフネットワークで今大会の解説を務めたが、今回の勝利は圧巻だった。初日、8バーディー・ノーボギーの64としてエージシュートを達成してトップに立つと、その後も大きなピンチもなく、余裕で後続を振り切った。好調の要因だが、ドライバーショットがよく振れていて、昨年より2割から3割スピードが増しているように感じた。飛距離も伸びていて、最終日の18番ホール533ヤードパー5では、同組で回っていた約10歳年下で昨期ドライビングディスタンス1位のレティーフ・グーセンを15ヤードほどオーバードライブし、300ヤード近いビッグドライブを放つ場面も見られた。

ショットの正確性と小技のうまさは相変わらずで、それに飛距離が加われば鬼に金棒だ。プレッシャーのかかる最終日でも、ピンをデッドに狙うアグレッシブなゴルフを展開し、2位以下の選手が追いつけるような雰囲気は全くなかった。まるで若返りの薬でも飲んだかのような、ランガーの若々しさと強さが印象的な試合だった。

最多勝への期待も高まる

シーズン2戦目であれだけの強さを見せつけられた以上、次は当然、もう一つの偉大な記録であるヘイル・アーウィンが持つツアー最多勝記録45勝の更新への期待が高まる。今回の勝利で通算43勝。記録更新はほぼ視界に入ったと言ってもいいのではないだろうか。

正直なところ、昨年までは記録更新を期待しながらも、アーウィンの記録に追いつくのは難しいのではないかという思いもあった。昨年も勝ち星を挙げ、年間王者にも輝いたが、体力の衰えからか最終日に失速することが多く、初日に出遅れると巻き返せずに終わることが多かった。年間王者がかかった昨シーズンの最終戦では、筋肉疲労で背中が痙攣し、カップインしたボールを拾い上げることすらできない姿を見ると、ランガーのキャリアも最終盤に入ったのかと感じざるを得なかった。

それが今年に入って、全盛期を思わせるスイングで完全復活したのだから、もう脱帽するしかない。記録更新の懸念材料は、もうランガー自身の体のコンディションだけではないのだろうか。

そうはいっても、他の選手が黙って記録達成を簡単に許すはずはない。ランガーの活躍に刺激を受けた選手も少なくないはずだ。特に、今年ルーキーとしてデビューしたブライアン・ゲイとY・E・ヤンはPGAツアーチャンピオンズのレベルの高さを感じただろう。ゲイは最終日の追い上げたものの4位、ヤンは12位タイで終わったが、次戦以降、熟練のランガーの前に若さで立ちはだかり、シーズンを大いに盛り上げてほしい。

解説
吉田洋一郎
よしだ・ひろいちろう/1978年生まれ。デビッド・レッドベターのメソッドを学んだ後、PGAツアーや欧州ツアーで指導するプロコーチ約100名から直接指導を受ける。米国や欧州でのティーチング資格を多数取得している。

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