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稲見萌寧は気持ちの切り替えの早さ。臼井麗香はオンとオフのメリハリ。現役大学生ゴルファーから学ぶ上達の法則

日本ウェルネススポーツ大学ゴルフ部・一反田拓三監督に聞く(前編)

2022/03/04 ゴルフサプリ編集部

部員39名中10名がプロ資格を有し、さらにそのうち6名は今季シード権保持者。部員も全員がプロ志望という日本ウェルネススポーツ大学ゴルフ部。稲見萌寧も所属する最強ゴルフ部の教えの中にはアマチュアが上達するために見倣うべきポイントがたくさんある。

稲見萌寧のメンタルは決して強くない

稲見萌寧、臼井麗香の学生時代の様子から、アマチュアゴルファーにも役立つ話をしてくれた日本ウェルネススポーツ大学ゴルフ部の一反田拓三監督。

サンデーバックナインの大捲りは稲見萌寧のトレードマークになっているが、その強さの源はどこにあるのか。ウェルネス高校時代から稲見を見てきた日本ウェルネススポーツ大学ゴルフ部の一反田拓三監督が明かしてくれた。

「稲見は世間一般にはメンタルが強いと思われていますよね。でも、ぼくは違うと思います。すぐに落ち込むし、感情が出るし、本人もそうは思っていないでしょう」

一反田監督によると高校時代の稲見は試合で負けてよく泣きながら帰っていたという。

「皆さんは嬉し泣きのシーンをよく見ているかもしれませんが、ぼくは悔し泣きの方をよく見ていました。だから決してメンタルが強い子じゃないなと思っていました」

そんな稲見が、なぜ試合で勝ち続けられるのだろうか。

悔し涙を流しても、数時間後には笑っていられる

「負けて泣いても数時間もしないうちにけろっとしているんですよ。よくても悪くても気持ちの切り替えが早い子です」

持ち味が生きたのは東京五輪のプレーオフだった。最終日、トップのネリー・コルダを5打差から追った稲見は9バーディの猛チャージを仕掛け、ついに17番で追いついたものの最終ホールの2打目をバンカーに入れ無念のボギー。しかし、金を取り逃がした直後、同じ18番で行われたプレーオフはきっちりパーを取って銀メダルをものにした。

「ふつうは気力が抜けて崩れるパターンですよね。でも、プレーオフでは完全に気持ちが切り替わっていましたね。ツアーでも最終日に順位を落としたら、次の試合できっちり勝っている。失敗を引きずらないところが彼女のストロングポイントです」

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打ち終わった一打よりも、次の一打が大事

写真は日本ウェルネススポーツ大学ゴルフ部の指導風景。

長年の指導経験に基づけば、伸び代があるのは一喜一憂しない生徒だという。

「バーディを取ってその場で喜びを爆発させたり、ボギーで悔しがるのは仕方ありません。でもその一瞬で切り替えることが大事です」

一反田監督はラウンド中にこんな指導を心がけている。

「いま何打目かを考えないようにしろと言っています。考えたってミスは取り戻せませんから。いくつ打ったかはあとでスコアを付けるときにわかれば十分。いまやるべきなのは、次の1打に集中して、コースや風の状況を読んで冷静に判断することです」

気持ちの切り替えが必要なのはラウンド中に限らない。

「トレーニングなんかもだらだらしないで、やるときはやって休憩するときには休憩する。そんな風にうまく切り替えている子は技術的にも伸びます」

やんちゃな臼井麗香もゴルフに対する集中力はすごい

昨シーズン、賞金ランキング45位で初シードを獲得した臼井麗香もゴルフとプライベートの切り替えが上手な一人だ。

「高校生の頃の臼井はやんちゃでしたね。ウェルネスは通信制なので遠征で久しぶりに集まるとつい羽目を外したりするんです。宿泊先や連盟に何回も頭を下げに行きました。でもゴルフに対してはすごくストイックでした。ゴルフ場の外でははしゃぐけれど、ゴルフをしているときは素直に聞く。最初は冷や冷やしましたが、そのメリハリの付け方が臼井のいいところなのかなと思っています」

ちょっとしたミスがきっかけで大叩きする、最近スコアが伸び悩んでいる、そんな人は彼女たちに倣って、気持ちの切り替えやメリハリを意識してみるといいかもしれない。

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お話ししてくれた人
日本ウェルネススポーツ大学ゴルフ部
一反田拓三監督
(いったんだ・たくぞう)
1983年生まれ。大学時代、練習場でアルバイトしたことがきっかけでゴルフを始め、ゴルフ経験5年でプロテストに合格。2012年ツアープレーヤー転向、12年日本プロ出場。日本ウェルネス高等学校ゴルフ部顧問を経て、現在、日本ウェルネススポーツ大学ゴルフ部監督を務めている

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