西郷真央が2022JLPGAツアー開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」をツアー初優勝で飾る
練習グリーンで西郷真央の優勝が決まった瞬間、稲見萌寧が祝福に。
「ダイキンオーキッドレディス」最終ラウンド。前半4H・5H・7Hで3つのバーディを奪って、一気に首位との差を縮めた西郷真央。「勢い」を感じさせるプレーを継続し、12Hをボギーとするも、13H・16H、そして17Hで渾身のバーディを奪ってトータル10アンダー。粘り強く首位をキープしていた渡邉彩香をかわして、開幕戦で念願のツアー初優勝を達成した。
取材/角田柊二 写真/相田克己
「いつ勝ってもおかしくない選手」が開幕戦をツアー初優勝で華々しく飾った
開幕戦から白熱した戦いが繰り広げられた。
最終日、5アンダーの8位タイからスタートした西郷真央。ともに10アンダーで首位タイの渡邉彩香と黄アルムは、この3日間調子の良さをうかがわせるプレーで大きく崩れる気配はなかった。
だが、読みにくい風と高麗グリーンのライン(傾斜)に苦戦する選手も多く見受けられる状況、勝負の行方はまったくわからない。
そんな中、西郷真央は前半から勢いのあるプレーを見せてくれた。第3ラウンドと同様に4H・パー5、5H・パー4で連続バーディを奪うと、7H・パー5で3つ目のバーディ。一気に3つスコアを伸ばして、トータルスコアを8アンダーに伸ばし、首位と2打差。
この時点で、渡邉彩香は1バーディ・1ボギー、粘り強くパーをセーブしつつ、スコアを伸ばす機会を窺っていた。同じく最終組の黄アルムも前半は1バーディ・1ボギーのイーブン。
勝敗の行方が大きく動いたのは、後半9ホールでのことだった。まず、先行する西郷真央が、12Hをボギーとして7アンダーに後退するが、その次の13Hですぐさまバーディを奪って8アンダーに戻す。その間に黄アルムが10Hで痛恨のダブルボギーを叩いて8アンダーに後退。
そして、西郷真央の初優勝の可能性がグッと高まったのが、16H・パー3でのバーディ。さらに西郷は、17H・パー4で2打目をグリーン右サイドのカラーに運ぶと、そこからパターでそのままカップインさせて、この日6つ目のバーディ。この時点でトータルスコアを10アンダーとして、単独首位の渡邉彩香に並んだ。
ここから、渡邉彩香がピンチに陥る。16Hをボギーとしてスコアをひとつ落とすと、17Hでまさかのダブルボギー。18Hでもティショットを左に曲げてピンチに陥るが、なんとかパーでしのぐ。しかし、トータルスコアを3つ落として7アンダー。
すでにホールアウトしていた西郷真央だったが、最終18Hでは第2打をグリーン左サイドのバンカーに入れてしまい、あわやボギーかと思われた場面もあった。だが、バンカーから無理にピンを狙うことなく、冷静にグリーン左サイドのラフに出し、4打目をきっちりピンに寄せてパーをセーブ。10アンダーでホールアウトし、最終組が上がってくるのを待った。
最終組は黄アルムが17H、18Hで連続バーディを奪って9アンダーまでスコアを戻すが、追撃はそこまで。西郷真央が念願のツアー初優勝をつかみ取った。
練習グリーンで最終組の結果を待っていた西郷真央のもとには稲見萌寧がかけつけ、祝福するように戦友を抱きしめた。
昨シーズンまで、何度も悔しい思いをしてきた西郷真央。優勝を信じて頑張ってこれたのは、数々の先輩プロたちの励ましの言葉だったという。特に覚えているのは藤田さいきからの励まし。何度となく「もう少しだから絶対大丈夫だよ!」と声をかけてもらったことは、西郷にとって大きな励みになっていた。
「ダイキンオーキッドレディス」試合結果
西郷真央 10アンダー・優勝
黄アルム 9アンダー・2位
西村優菜 8アンダー・3位
渡邉彩香 7アンダー・4位タイ
山下美夢有 7アンダー・4位タイ
山城奈々 7アンダー・4位タイ
勝みなみ 7アンダー・4位タイ
木村彩子 5アンダー・8位タイ
鈴木愛 5アンダー・8位タイ
@荒川怜郁 4アンダー・10位タイ
濱田茉優 4アンダー・10位タイ
稲見萌寧 4アンダー・10位タイ