敗戦のくやしさをにじませつつも、トレードマークの笑顔があり!

キム・ヒョージュに3打のビハインドで最終組直接対決となったロッテ選手権最終日は、終始、2人のマッチレースの様相を見せた。
前半は、淡々とプレーを続けるキムに対し、粘り強くついていく。特にキムがバーディを取った8番では、渋野はバンカーから1.5メートルのパーパットを残していた。外せば一気に5打差になる場面。だが、渋野はこれを入れて逆転への望みをつないだ。

9番でキムがボギーを叩いてからは、11番バーディで差を2打に縮めた渋野が流れを引き寄せた。大詰めの17番でキムのパットがカップ手前でわずかに左に切れてボギーとなり、1打差に。
後から「イーグル取らんとムリだなと果敢に攻めた」と振り返った18番では、7Wで2オンを狙った。これがわずかに届かず、手前にキックしてバンカーに入ってしまう。グリーン手前から打ったキムの3打目は、60センチにピタリとつけるスーパーショット。ガッツポーズが飛び出した。
これを見た渋野が、笑顔で拍手しているシーンがテレビに映し出された。

相手のミスを望むのではなくいいプレーには惜しみない称賛を与え、自分のベストを尽くす。ゴルフというスポーツの本質ではある。
だが、このショットでキムのバーディーがほぼ確実となり、1打ビハインドの渋野は3打目のバンカーショットを直接カップに放り込むイーグル以外、プレーオフも望めそうもない場面でのこと。その究極の状況で素直に相手に拍手を送るのはなかなか難しい。

それでも渋野は笑顔で自然にそれをやってのけた。結果的に、バンカーショットは寄せきれず、このホールパーに終わって2打差の2位。敗戦のくやしさをにじませつつも、トレードマークの笑顔ものぞかせた。

難コンディションの中「4日間でボギーが4個で抑えられた」というプレー内容と、最後まで優勝争いができたことによる自信があるからだろう。
成功も失敗も経験をすべて糧とする。2019年全英女子オープン優勝者だが、QTを経て今年、米ツアーに参加し始めた渋野は、1試合、1試合の経験をスポンジのように吸収しているように見える。

「優勝はできなかったけど、まだまだこれから頑張ります」と話した渋野の次の戦いは、21日からのDIOインプラントLAオープン(カリフォルニア州、ウィルシャーCC)。その先には、6月に2試合、7月、8月にそれぞれ1試合のメジャーも待ち構えている。
自分のゴルフができる場所でのさらなる成長を、渋野が形にしてくれる日は、そう遠くないはずだ。