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ゴルフが楽しくなった金田久美子の新しい魅力

第1回リランキング18位でシーズン中盤戦へ

2022/07/11 ゴルフサプリ編集部 小川淳子

金田久美子

写真提供/Getty Images(2022 アース・モンダミンカップ)

32歳となって、ゴルフの楽しさを知った金田久美子が、11年ぶりの優勝に挑む大きなチャンスを手にした。ニッポンハムレディス終了後に行われた第1回リランキン18位でシーズン中盤10試合の出場をほぼ確実にし、復活へのノロシを挙げようとしている金田の、今の姿に迫った。

優勝争いにも顔を出す

アースモンダミンカップでの優勝争いが決定打だった。

QT87位で試合数が限られていた序盤戦、金田は出場した8試合中2試合でトップ10入り。特にアースモンダミンカップでは3打差2位で最終日を迎える優勝争いまで繰り広げた。
残念ながら、最終日に77とスコアを落とし、7位タイに終わったが、68.25ポイントを稼いで一気に暫定リランキングを駆け上がる。

資生堂レディス、ニッポンハムレディスの2試合には出場できなかったが、それでも第1回リランキングで18位となり、シーズン終盤の10試合ほとんどの出場できる順位を確保した。

リランキング制度は、シード権(シーズンの優勝者も含む)を持たない者たちのサバイバルレース。QTなど、シード以外のTP登録者たちがポイント制のメルセデスランキング順に並べられたものが、シーズン20試合目の大東建託いい部屋ネットレディス以降、9月のミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンまで10試合の出場を決める。

ほぼ、全試合に出場できると予想されるのは35位前後だ。欠場の多い試合や“ドタキャン”に期待をかけるウエイティング、主催者推薦に頼らなくてもいいサバイバーたちの中に、金田はしっかりと入ったことになる。

ジュニア時代からゴルフ雑誌などに登場し『天才少女』と呼ばれた早熟の金田だったが、実はゴルフに関しては保守的だった。
「失敗したら…と考えて新しいことは苦手。どんなに疲れていても、腰が痛くても練習しなくちゃ、トレーニングしなくちゃ、と思ってやっていた」と言う。

それが大きく変わったきっかけは、年齢を重ね、腰痛と左足首捻挫という故障を経験したから。自らの年齢と向き合い、休む勇気も生まれた。フルスイングできない状態で身につけたコントロールショットは、腰の状態がよくなっても多用。フルスイングを10としたら、バックスイングとフォローがいずれも6割の状態から現在は8割程度になったが、それを武器に戦い続けている。

3歳でゴルフを始めた金田が、ここへきて「ゴルフが楽しい。昔より楽しいです」と言い始めている。
金田に限らず、保護者に導かれてゴルフを始め、ジュニア時代に実績がある選手の中には、ゴルフの楽しさを感じないまま成長した者が少なくない。周囲の期待が高まれば高まるほど苦しくなる。金田もかつて「30歳になったらゴルフはやめる」と言っていたのは有名な話だ。

だが、ある程度の年齢になり、自分自身と向き合った結果、自分にとってゴルフがどれだけ大切かがわかる。結果を追い求めるのはプロであれば当然だが、その時、トップのフィールドに残っていれば、そこでしか得られないかけがいのない楽しさを見出すのだろう。
優勝争いをして敗れた時に、少し照れながら目を輝かせてゴルフと、自分について口にしていた金田久美子の笑顔には強さが感じられた。

年齢を重ねるごとに様々な形で味わうことができるゴルフの楽しみ。生涯スポーツだからこそ深く長いそれを、金田が全身で感じていることが伝わってくるだけに、この先も高いレベルでの感動の断片をわけてくれるに違いない。

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