飛ぶクラブはたくさんあるけれど、誰が打っても飛ぶのは「PXG 0211」

試打解説：関浩太郎（せき・こうたろう）1974年生まれ、茨城県出身。アメリカで最新のゴルフ理論を学びながらミニツアーを転戦。帰国後、クラフト技術を学んだのち「SEKI GOLF CLUB目黒」を主宰。技術とギアの両面から多くのアマチュアゴルファーのサポートを行うとともに、さまざまなメディアでも活躍中。

ベーシックモデルとはいえPXGと名乗る以上、評価の基準は厳しくなる。関は打つ前にふだんより念入りにドライバーの外観をチェックした。

「使っている色はつや消しの黒と艶ありの黒、シルバーだけ。シャフトも黒系で統一されています。変にアクセント色を使わない潔さがまさしくPXGらしくてかっこいいですね。これならファッションにこだわる人や高感度ないまどきのゴルファーにも好まれそうなデザインです」（関）

先進的なイメージの強いPXGだが、かまえたときのルックスは非常にオーソドックスだ。

「輪郭がとてもきれいでかまえて気になるところはどこにもありませんね。上級者にとっては違和感なく操作性の高さも感じさせてくれる顔だし、初中級者にも安心感を与えてくれます」（関）

PXG 0211ドライバー（2022）

ひとことでいえば「PXG 0211」はコストパフォーマンスが抜群に高いクラブ。
「ドライバー1本分の予算でウッド3本買えるくらい。それでいて決して安かろうではなく、パフォーマンスもフィーリングも最高峰の『0311GEN5シリーズ』と同等なのは驚きです。クラブを買うときに価格を重視する人だけでなく、パフォーマンス最優先の人もぜひ同じ土俵に並べて比べるべきで、結果的に『PXG 0211』を選んで予算が余ればとてもハッピーじゃないですか」（関）

スペックさえ間違えなければたいていの人が守備範囲に収まることも「PXG 0211」をおすすめできる理由だ。
「クラブ自体がニュートラルなので、使っているうちにいいスイングに導いてくれます。カスタムシャフトの種類が多くスペックも選べるので、キャリアの長い中上級者が使っても不満を感じないでしょうし、初心者が購入して90台や80台で回れるようになってもずっと使えます。クラブフィッターのぼくがいうのも変ですが、試打をしなくても買い外れが少ないクラブです」（関）

PXG 0211 フェアウィウッド（2022）

守備範囲の広さではフェアウェイウッドもドライバーに負けていない。

「フェアウェイウッドに要求される性能はさまざまです。飛距離もさることながら、初心者なら球の上がりやすさ、中級者は直進安定性、上級者は操作性を求めますが、『PXG 0211 フェアウェイウッド』はそれらすべてを満たしてくれます。中でも特筆すべきは球の上がりやすさ。5番で7番並みの高さが出せます。薄く入ってちょっとトップしたかなと思ったときにも球が浮いてくれるので多少上下に打点がブレたとしても飛距離は安定しています」（関）

また、ドライバーと同じくシャフトにクセがなくヘッドの位置やフェースの向きがわかりやすいので技術があれば真っすぐ飛ばすだけでなく左右の球筋もコントロールできる。

「初級者から上級者まで幅広く使えますが、とくにおすすめしたいのはフェアウィウッドに苦手のある人です。ミスに対するプレッシャーが減って結果的にナイスショットに導いてくれるクラブといえます。中上級者には高さを抑えて打つのが少し難しいかもしれませんが、球自体が強いので多少風が強くても前に飛んでくれます」（関）

PXG 0211 ハイブリッド（2022）

そして、ドライバーやフェアウェイウッドよりももう1ランクやさしいと関が断言するのが「PXG 0211 ハイブリッド」だ。

「ぼくがフィッティングするときハイブリッドはやさしいスペックをおすすめしています。その理由はハイブリッドを使うのは、ティショットでドライバーを持ちたくないときやセカンドショットで距離が合ったりライが悪かったり、不安のある状況が多いからです。その点、『PXG 0211 ハイブリッド』はクラブ単体の性能を追求するだけでなく、アマチュアがハイブリッドを使う状況やそのときの心理まで考えて作られています」（関）

関の考えるこのクラブの最大の長所は芯に当てやすいことだ。

「ダウンスイングでヘッドの軌道をコントロールしやすく、ボールが浮いていようが沈んでいようが正確に当てることができます。初級者にはとにかくやさしく真っすぐ打ちやすく、中級者以上の人には少し細工をしてねらってみようかなと思わせてくれるクラブです」（関）