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「プロV1シリーズ」の2023ニューモデルはどこが性能アップしたの?

野村タケオのゴルフ実験室

2023/02/05 ゴルフサプリ編集部 野村タケオ

タイトリストのプロV1シリーズ ボール

みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。
みなさんはどんなゴルフボールを使っていますか?ボールにもいろいろな性能のものがあり、値段もピンキリですよね。そんな中で何年もプロの使用率ナンバー1の座に君臨しているのがタイトリストのプロV1シリーズのボールです。使ったことはなくても、ほとんどのゴルファーはその名前を聞いたことがあるでしょう。
そんなプロV1シリーズのニューモデルが発表されました。いったいどこが進化しているのでしょうか?発売よりも一足お先に試させていただいたのでレポートします!

<取材・文・写真提供> ゴルフバカイラストレーター 野村タケオ

新しいプロV1・プロV1xはどこが進化したの?

プロV1シリーズ
発売前にサンプルを頂いたので、箱はまだ真っ白。

そもそも、プロV1シリーズのボールって完成度がめちゃ高いんですよ。なので、使っているプロからも「このままで良いよ」なんて言われたりするらしいんです。

しかし、開発するメーカーさん的にはそういうわけにもいかない。もちろん販売の面もありますが、常により良いボールを作るために努力するということが、大事なんですよね。

でもね、ここまで完成度が高いと難しい面もあるんです。だっていくら性能がアップしてもフィーリングが変わってしまっては、プロは使ってくれなくなるわけです。なので、いかにフィーリングを変えずに性能アップするかってのが大事になってくるし、それが本当に難しいわけです。

「プロV1」,「プロV1x」
左が「プロV1」で右が「プロV1x」。数字の色分けは従来どおりです。

で、今回のプロV1シリーズはどこが良くなったのか?

それはズバリ、飛距離性能がアップしたそうです。アプローチでのスピン性能は柔らかいフィーリングはそのままながら、V1もV1xも飛距離が伸びているのだとか。

その飛距離アップを実現したのが新開発の「ハイグラディエントコア」。これはコアの中心部が柔らかく、外側に向かって徐々に硬くなるという構造。この構造でロングゲームでの初速アップとスピン低減を実現しているそうです。

「プロV1」と「プロV1x」両方に採用されていますが、「プロV1x」はコアが2層になっており「ハイグラディエントデュアルコア」という構造になっています。2層の内側にあるインナーコアは従来の前モデルよりも44%大きくなり、さらなる飛距離アップにつながっているそうです。

カバーは前作と同じ厚さ、配合の「サーモセット・ウレタンエラストマー」が採用され、ディンプルパターンも前作と同じですが、「プロV1」「プロV1x」それぞれの内部構造に合わせたミクロン単位での調整が行われているそうです。

コースに持ち込んで打ってみました!

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パター

さっそくコースに持ち込んでみたのですが、まずはパター練習場で打ってみました。両モデルとも相変わらず打感は柔らかいですね。

打ち比べるとほんの少しですが「プロV1x」のほうがシッカリした打感と、打音も高めの音になります。ただ、僕のパターは軟鉄削り出しなのでそう感じましたが、柔らかいインサートのパターだと違いが分かりにくいかもしれません。

そもそも、両モデルを打ち比べるから違いが分かりますが、1個だけ渡されて「どっちでしょうか?」と言われたら僕レベルでは分からないと思います。

アプローチで打ち比べ

アプローチも芝の練習場で打ち比べましたが、これも両方ともとても打感は柔らかい。低めの打ち出しでしっかりとスピンもかかります。スピンのかかり具合は両モデルとも十分で、あまり違いは感じられません。

ただパットと同じで「プロV1x」のほうが少しだけしっかりと打感が手に伝わるのと、ほんの少し球離れが速く感じました。

どちらもスピンのかかり方、打ち出しの高さなどの安定感が素晴らしいです。

同じように打てば、同じような出球でスピンがしっかりかかるので、距離感が合いやすい。このあたりは、やはりボールの精度が高いということなのだと思います。

ニュー「プロV1」
ニュー「プロV1」。ロゴの横の矢印が今回はこんな感じになりました。「プロV1x」のほうが少しズッシリ感あり?

ドライバー

ドライバーショットでは打感の違いを少し感じました。「プロV1」はかなりソフトで「プロV1x」はもう少し手応えを感じます。弾道的にはほんの少しですが「プロV1x」のほうが高いように思いました。

スピン量に関しては両方ともあまり変わらず、スピン少なめの弾道だと思います。飛距離にもあまり違いを感じませんでしたが、十分な飛距離性能です。

アイアンでも打ち比べ

アイアンでも「プロV1x」のほうが手にズッシリとした重さを感じます。「プロV1」のほうは少し軽いと言うか、手応えが少なめに感じました。グリーンでの止まりやすさも同じくらいに思います。

実はドライバーとアイアンショットはGCクワッドでデータ計測をしました。「プロV1」と「プロV1x」をドライバーとアイアンで3球ずつ打ってデータを比較したのですが、「プロV1x」のほうが弾道が高く、スピン量も少し多いという結果になりました。

これはボールの設計意図どおりの結果となったことになるのですが、人によっては逆になることもあるみたいです。ただ実際に打った球を見てもそこまでの違いは感じなかったですけど。

ニュー「プロV1x」。
ニュー「プロV1x」。

どちらを選ぶかは悩むところですね~

アプローチスイング
アプローチではかなり柔らかく、しっかりとスピンがかかりました。

1ラウンドしっかりと両方のボールを使いましたが、どちらも打感がよく、飛距離も出たし、ショートゲームでもしっかりと性能を発揮してくれました。

前作のボールと比べて何か進化しているのか?と聞かれても、個人的にはわかりません。ただ、フィーリングはほぼそのままなので、チェンジしても違和感はないし、これで性能がアップしているんだから凄いことだな~と思います。

僕がどっかを選ぶとしたら…悩ましいところですが、「プロV1x」かな~って気がします。アイアンでの打感が「プロV1x」のほうが好みなんですよね。

ただ、ショートゲームのフィーリングは「プロV1」のほうが好きなんです。でもドライバーのスピンは「プロV1」のほうが少ないし…。悩ましいところです。もう少し使ってみて決めようかな~と思います。

実は2017年モデルから性能が逆転してるんです!

ここまで読んできて、「おや?野村はスピン量とかボールの性能を勘違いしてるんじゃないの?」と思った人いるんじゃないでしょうか。ドライバーのスピン量は「プロV1」のほうが多いんじゃないの?ってね。

確かに数年前まではそうだったのですが、今のモデルはロングゲームにおいては「プロV1」のほうがスピン量が少ないんです。

実は2017年モデルからスピンの性能が逆転しているんです。これは「プロV1x」のスピン量が増えたのではなく、「プロV1」のスピン量がさらに減ったために逆転したのだとか。

2つのボールの性能って、今はこんな感じになっています。

● ロングゲームのスピン量 プロV1 < プロV1x
● アイアンのスピン量 プロV1 < プロV1x
● ショートゲームのスピン量 プロV1=プロV1x

これ、逆に思っている人が多いかもしれませんが、実はこれが正解なんです。ただ、必ずこの通りになるとは限らないので、ぜひ試打してみて自分に合うものを選んでみてください。

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野村タケオ

野村タケオ

ゴルフバカイラストレーター、野村タケオ。京都府出身。
様々なゴルフ雑誌やウェブサイト等にイラストやイラストコラムを寄稿。
毎週水曜の22時からYouTubeライブで生放送「野村タケオゴルフバカTV!」を放送中。


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