55億かけた勝負球 飛びもスピンも思いのまま
2021年、キャロウェイはゴルフボールの開発・生産設備に約55億円もの投資を行った。その目的はボール製造の精度を高めることだと言う。
製造の精度とボールの性能はあまり関係がなさそうに思えるが、実は“大あり”なのだ。地球上には重力があるので、完全な球体はゴルフボールに限らず製造が難しい。さらに加工の誤差が加われば“偏心”が起こる。大きく“偏心”すれば、真っすぐ飛ばなくなってしまう。この誤差をいかに小さくするかというのはひとつの例。
ボールの直径と重量はルールで42.67mm以上、45.93g以下と定められているが、これより大きくなるほど、軽くなるほど飛ばなくなる。一方で製造誤差が大きいと、ばらついた時にもルールに収まるように、少し大きめ、少し軽めに製造することになり、その結果、設計値よりも飛ばなくなる。
ディンプルも1/100mm単位の設計なのでキャロウェイが製造時の「精度」にこだわった理由はここにあるというわけだ。
今回、紹介するのはそんなキャロウェイのボールの中でもハイエンドに位置する4機種。ゴルファーの好みや、スイングに最適なボールが選べるようになっている。
高精度だからルールぎりぎりだから飛ぶ、ブレない
4種のキャロウェイボールをプロが試打。ドライバーからパターまで、特性の違いや、フィーリングの違いを紹介。ちなみに、パターの打感は4種ともにソフトと評価。
E・R・C ソフト
ソフトな打感なのに飛ぶ!ディスタンスタイプ
すべての番手でソフトな打感が得られ、ロングショットでは低スピンで曲がりを抑えて飛ばせるモデル。
高打ち出し・低スピンでストレートに飛ばせる
アイオノマーカバーなので、ショートアイアンやウェッジでは少ししっかりした打感です。その代わり飛距離性能は最も高くなっています。
ドライバーやミドルアイアンではつぶれるので打感はソフト。低スピンなので曲がりも減ります。
クロム ソフト X LS
高初速&低スピンの強弾道で飛ばす
コア、マントル、カバーすべてに、高い反発性能を持ちながら、ソフトな打感とスピンの最適化を兼ね備える素材を使用したディスタンスタイプボール。
吹き上がりや上がり過ぎを抑えたい人向き
弾き感が強くボール初速が上がります。その分、芯のある打感になります。
ドライバーからミドルアイアンはスピンが減って飛距離が伸びますが、ショートアイアンやウェッジではしっかりスピンがかかります。
クロム ソフトシリーズは極薄ソフトウレタンカバーが、E・R・Cソフトはグリップ・ウレタンコーティングがアプローチでスピン性能を発揮。
クロム ソフト
ソフトな打感と低スピンで真っすぐ飛ばす
すべての番手でソフトな打感が得られ、ロングショットでは低スピンで曲がりを抑えて飛ばせるモデル。
名前通りのソフトな打感で気持ちよく飛ばせる
ドライバーからパターまで、一貫してソフトな打感です。球がつぶれる分、球のつかまりが良く、ドライバーではスピンが少なめの中高弾道。アイアンやウェッジではスピンの効いた止まる球が出ます。
約55億円の設備投資で、ボールの精度を高め、ボールのパフォーマンスを進化させた。そのシンボルをパッケージに印刷。
クロム ソフト X
強い弾道とソフトな打感コントロール性を兼備
4ピース構造で初速性能を高め、ロングショットでは低スピン、ミドル〜ショートアイアンウェッジでは高いスピンコントロールを発揮するモデル。
クロム ソフトより芯のある打感
クロム ソフトより少し芯を感じる打感です。その分初速が上がるように感じますが、弾道やスピン特性も差はなく、飛距離もほとんど変わらないので、どちらにするかは、打感の好みで選ぶといいでしょう。
クロム ソフトシリーズには、ヘックス・エアロネットワークパターンの深さ等を改良したTour Aeroテクノロジーを導入し空力性能が向上。
高橋良明(たかはし・よしあき)
1983年生まれ、39歳、東京都出身。2013年プロ入会。サザンヤードCC所属。ツアーにチャレンジする傍ら、多くのゴルフメディアでクラブの試打を行って来たベテランテスター。現在はアマチュアのレッスンも行っている。




