国内メジャー初制覇＆今季トータルドライブ1位！吉田優利の"丹田に力が入ったスイング"をマネて飛ばしたい
一流プロのドライバーのマネどころ
2000年4月17日生まれ。158cm。アマチュア時代に「日本女子アマ」で優勝し、プロテストに一発合格。2021年に2勝をマークすると、2023年は国内メジャー初タイトルを獲得。
国内メジャー初戦「ワールドレディス サロンパスカップ」を制した吉田優利。今シーズンは平均飛距離とフェアウェイキープ率を合算したトータルドライビングでツアー1位（5月28日現在）になっているが、そのスイングから学ぶポイントは？
GOLF TODAY本誌 No.613 14〜17ページより
構成・文／野中真一
撮影／相田克己 圓岡紀夫
上半身と下半身の分離によって、捻転パワーが最大に！
上半身の粘りがダウンスイングでの捻転差を生む
トータルドライビング1位というのは「飛んで、曲がらない」ということですが、その秘密はダウンスイングにあります。トップからの切り返し（写真4から写真6）を見ると、上半身と下半身が別々に動いているのがわかります。下半身は写真6のハーフウェイダウンですでに左方向（目標方向）を向いていますが、上半身はまだ右を向いています。
このタイミングで下半身と上半身の捻転差があることによってインパクトでヘッドを加速させることができます。それが飛ばせる秘密です。
ダウンスイングで右ヒジをワキ腹につけるから振り遅れない
そして曲がらないポイントは右ヒジにあります。下半身リードで打とうとすると、腰が先に回りすぎてしまって、上半身が振り遅れてしまうことがあります。
しかし、吉田選手は右ヒジを体のワキ腹にくっつけているので腕が背中側に入りすぎたり、腕が体から離れることはありません。だからダウンスイングの軌道が安定します。
吉田選手は典型的なドローヒッターですが、下半身リードで右ヒジを体にくっつけて打つと、ボールをつかまえて飛ばす感覚も出しやすいです。
右肩を高くキープしたまま、胸は右を向ける
ダウンスイングで腰がすでに目標を向いていても胸がボールより右を向いている。
右肩が高いポジションにあるのであおり打ちにもならない。
肩や骨盤が横回転するから軸が安定！お腹に力が入っているからトップで「張り」ができてブレない！
吉田選手のスイングで、特にアマチュアの皆さんにマネして欲しいのはアドレスからトップまでの動きです。
アドレス（写真1）はスタンス幅も教科書通りで、ツマ先体重でもカカト体重でもなく、すごくバランスよく立っています。手元が左耳の下にある姿勢もいいですね。そしてテークバック（写真2）ではフェースがまったく開かず、フェース面をボールに向けたままクラブを上げています。
腕でクラブを上げてしまうと、絶対にこのカタチにはなりません。吉田選手はお腹に力を入れたまま、上半身の回転だけでクラブを上げている。だから、グリップエンドをおヘソに向けたままテークバックできるのです。専門用語で言えば丹田に力が入っているスイングです。
その結果、トップ（写真4）では下半身を正面に向けたまま、上半身が捻転している「張り」のある姿勢になっています。アマチュアは吉田選手とは逆で、お腹に力が入っていないので体が伸び上がってしまいトップでは力が抜けてしまうタイプが多いです。
またアマチュアはダウンスイングで左肩が上がって、インパクトで窮屈な姿勢になりがちなのですが、吉田選手はインパクトからフォローまで左肩をヨコ回転させることで上半身をスムーズに回しています。
左肩は「上」ではなく、首の後ろに回す感覚で打つと吉田選手のフィニッシュに近づけます。
グリップエンドをおヘソに向けてテークバックする
腕を使わず、お腹の力でクラブを上げる
アドレスから両腕、手首の角度を変えずお腹を回している。両ヒジが伸びている時間が長い。
左ヒザが動かず左腕を高くする
トップでは左ヒザがアドレスから動かず、左腕が高く上がることによって「張り」ができている。
早めにフェースをスクエアにする
ダウンスイングでは早めにフェースをスクエアに戻すことによって、インパクトゾーンが長くなる。
フィニッシュでは両肩がほぼ水平に
肩をヨコ回転させているので、フィニッシュでは両肩が地面とほぼ水平になる。
解説：石井 忍
1974年8月27日生まれ。98年にプロ転向し、現在はツアープロからジュニアゴルファーまで幅広く指導。自身が主宰する「エースゴルフクラブ」を千葉、神保町に展開する。
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