「俺はいつだってSだ!」という固定概念はなくそう 自分のスイングに合ったカーボンシャフトの正しい選び方
「トルク+総重量+キックポイント」=スイングバランス。アマチュアゴルファーが注意する点は!?
中古ゴルフクラブ業界に携わって30年の“中古クラブ専門家・中山功一”が、旬な中古クラブ情報や購入時に参考となる豆知識などをお届けするコラムです。今回は、カーボンシャフトについてお話します。
そもそもカーボンとは
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(写真/ゴルフトゥデイ編集部)
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カーボンとは炭素のことで、元素記号はC。
シャフトには炭素繊維(カーボン繊維)をシート状にして、シャフトの芯に巻き付けて生産されています。本間ゴルフの酒田工場(山形県)へ見学に行った際に、ビックリしたことがありました。
カーボンのシートを、手作業で芯に巻き付けているのです!てっきり機械で生産しているかと思っていましたが、職人技で次々と巻いて、最後にチタン繊維のシートを巻いてでき上がりです。これには驚きました。
昔のシャフトには、背筋と呼ばれる巻き付けの重なりがあり、シャフトの中を覗いてみるとバックラインのような線が見えます。これを背筋と呼んでいました。シャフトにこだわるお客さんには、背筋を上にして…とよく言われました(※現在のシャフトは真円で、背筋はないと思います)。
トルクとは
簡単に説明すると、シャフトのねじれのことを差します。4.0度/360度のように、どのくらいねじれるかの数値です。
メーカーのカタログのシャフトの部分に、トルク3.0や5.0と記載があります。基準としては、60~70グラム程度でトルク4.0~5.0は、一般ゴルファー向けのシャフトであると覚えておいてください。
50グラム前後でトルク6.0のシャフトは、軽くてねじれが多いシャフトです。このような数値のシャフトはヘッドスピード40m/s以下で、アベレージヒッター向け。逆に、80グラム前後でトルク3.0のシャフトは、ハードヒッター向けのシャフトになります。
● トルクが多い=ボールが捕まりやすい
● トルクが少ない=ボールが曲がりにくい
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キックポイントとは
シャフトがしなる位置を差します。しなる位置は、ヘッド寄りの数センチの部分です。
先調子、中調子、手元調子、全体しなりなどシャフトによって特性が異なります。スイングタイプによって選ぶことが重要です。
私の経験値からおすすめは…
● インパクト時にタメの解けが早いゴルファー:先調子
● タメの解けが遅いゴルファー:中・手元調子
シャフトメーカーによって跳ね返りの速度が違うので、試打して選ぶことをおすすめします。
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シャフト重量
シャフト重量は、総重量とスイングバランスに関係します。
ヘッド(200グラム)+シャフト(50グラム)+グリップ(50グラム)=300グラム/D1
上記のように、自分のスイングスピードに合った選択をしましょう。
シャフトの硬さには基準はない!
各メーカーのシャフトに「R」「SR」「S」「X」などの硬さ表示があります。振動数やベント値と呼ばれる計り方をしています。しかし、各メーカーで統一された基準はなく、同じRでもしなりが違います。
俺は「R」だ!という固定概念はなくしてください!このモデルは「R」だけど、違うモデルでは「SR」だな…と、モデルによって違う硬さを選んでこそ正解なのです。
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