右足のペダル踏みで腰を水平に回す

双子姉妹揃って今季は絶好調ですが、姉の明愛選手のスイングが「剛」だとすれば、妹の千怜選手は「柔」。タイプとしては体重移動を抑えて回転で打つタイプです。回転系のスイングで大切なことは軸を安定させることなのですが、千怜選手は軸の安定感が抜群です。

まずバックスイングでは右足の角度を変えないことで軸をセンターにキープしたまま上半身を回しています。そしてダウンスイングでは軸が右に倒れていません。女子選手は男子選手に比べると、体幹のパワーや下半身の筋肉が少ないので軸が右に倒れやすい。

しかし、岩井選手はダウンスイングからインパクトにかけて軸を真っすぐにしたままスイングしているのでロフトを立てて強いボールが打てています(写真6)

ダウンスイングでも右腰が高い位置をキープしている

軸を真っすぐにキープできるポイントは右足の蹴り方です。千怜選手は右足のツマ先側をペダルを踏むように蹴ることによって右足を持ち上げています(写真4)

専門用語では底屈(ていくつ)と呼ばれる動きなのですが、この踏み方をすることで右ヒザ、右腰の位置が低くならない。その結果、左右の腰が地面に水平の角度で回転します。

写真5を見るとベルトのバックルが真横に回っているのがわかると思います。あおり打ちになる人は右腰だけ低くなっているのですが、千怜選手のようにペダルを踏むように右足を蹴ると軸が傾かないスイングになるのです。

姉は「剛」で妹は「柔」。体重移動を抑えた回転系のスイング

アドレス(写真1)とバックスイング(写真2)を比較して両ヒザの間隔が変わっていないのは下半身が安定している証。

フォローからフィニッシュにかけても体が左足側に突っ込まず、軸がセンターに残っている。

再現性の高いスイング軌道。ヘッドを外に上げて内から下ろすから「安定ドロー」に

典型的なパワーヒッターの姉・明愛選手に比べると、千怜選手は効率の良いスイング軌道で飛ばしています。
注目して欲しいのはバックスイングとダウンスイングでヘッドの道が違っていることです。

バックスイングでは手先を使わずにテークバックすることでヘッドがやや外側に上がっています(写真2)

そしてダウンスイングではインサイドからヘッドが入ってきています(写真6・写真7)

実はこれが最も安定してドローボールが打てるスイング軌道。ドローボールを打つためにはインサイド・アウト軌道で打たないといけないのですが、バックスイングで「外」に上がると、ダウンスイングでは自然とインサイドからヘッドが下りてきます。だから再現性の高いスイングになるのです。

この軌道で打つためにはワキ腹の筋肉を伸縮させることを意識してください。千怜選手はバックスイングでは左ワキ腹を縮めながら、体の回転でクラブを動かしているのでヘッドが「外」に上がります。

逆に、腕の動きでヘッドを上げようとすると内側に上がってしまう。そしてダウンスイングでは右ワキ腹を縮めながら、ヘッドをインサイドから下ろしています。右ワキ腹を縮めることによって、インパクトからフォローにかけても前傾角度が変わっていません。ワキ腹を伸縮させることは軸が安定することにもつながっています。

ワキ腹の「伸び縮み」でクラブを上げる

ヘッドは腕のラインより外側
手首の角度を変えずに左ワキ腹を縮めてテークバックすることによって、ヘッドが少し外側に上がる。

バックスイングよりもインサイドから
切り返しは下半身、骨盤、胸、腕の順番で回転することで、ヘッドがインサイドから下りてくる。

インパクトで右ヒジを曲げたまま
インパクトでは右ヒジを体にくっつけたまま打つことによって、インサイド・アウトの角度を一定にしている。

右ワキを縮めて前傾角度をキープ
フォローまで右ワキ腹を縮めることができていれば、上半身の角度がアドレスの前傾角度とほぼ同じになる。




解説:石井 忍

1974年8月27日生まれ。98年にプロ転向し、現在はツアープロからジュニアゴルファーまで幅広く指導。自身が主宰する「エースゴルフクラブ」を千葉、神保町、赤坂に展開する。