「i クロスオーバー」ってどんなクラブ?

「i クロスオーバー」は中空構造のアイアンで、2・3・4番だけの展開となっています。アイアン型ユーティリティという感じではなく、形状的には完全にアイアンですね。

しかし前作よりも約8%低重心にすることでボールが上がりやすく、優しく飛ばせるクラブになっています。

ヘッドはハイドロパールマットブラック仕上げで、とても締まって見えてカッコいいです。ヘッドの素材は17-4ステンレススチールで、フェースがFORGEDマレージング鋼C300となっています。フェース面の溝は各番手ごとに溝の角度、間隔、本数を最適化し、あらゆるシチュエーションで最適なスピン量で狙えるようになっています。

またフェースのたわみを増やし、理想の高さで強弾道を生み出します。ヘッド内部には新サウンドリブを配し、全番手で心地いい打感と打音を実現しています。

また前作にはなかった8ポジションの調整機能を搭載し、ゴルファーが求める弾道と飛距離、コントロール性を実現しています。

シャープなヘッドで構えやすい

まず構えてみると、ヘッド自体はそんなに小さくはないのですが、黒いヘッドでトップブレードも少し薄めになっているために、けっこうシャープに感じます。少しグースネックになっていますが、個人的にはつかまりやすいイメージが出るので嫌いじゃないです。

ヘッドは黒いのですが、フェース面はグレーっぽい色なのでフェース面の向きがわかりやすく、目標に対しては構えやすい。簡単にポーンと上がってくれるというよりは、少しヘッドをコントロールして球筋を作りたくなる顔だと思います。

バックフェースのデザインもシンプルでシャープだし、とにかくカッコいいクラブだと思います。これがバッグに入っているだけで、ニヤニヤしちゃうタイプのクラブですね。

シャフトは2種類のカーボンを試打!

今回僕が試打したのは2種類のカーボンシャフト。ともにPING純正の(1)「ALTA J CB BLACK」と(2)「PING TOUR 2.0 CHROMEクローム 85」です。

(1)「ALTA J CB BLACK」は日本専用の高弾道シャフトでフレックスSだと重量65g、トルク2.3の中調子となっています。少し柔らかめのシャフトですね。

(2)「PING TOUR 2.0 CHROMEクローム 85」は、しっかりと叩ける中弾道用シャフト。フレックスSで80g、トルク2.3の中元調子となっています。これは重量もあるし、けっこうしっかりとしたシャフトです。

カーボンシャフト以外にもスチールシャフトが数種類カスタムで用意されていますが、今回はカーボンシャフトだけを試打しました。

(1)「ALTA J CB BLACK」で打ってみた

まずは軽い方の「ALTA J CB BLACK」シャフトで試打してみました。フレッスクスはSです。

短めのパー4のときにティアップして打ちましたが、けっこうな高弾道でほぼ真っすぐの球が打てました。3番で200ヤードくらいは飛んでいたと思います。軽いので振りやすいし、しなったシャフトがしっかりと戻る感じがしてつかまりもいいですね。

● 打感:少しだけヘッドに食いつく感じがしてから、ボールが飛び出していくような感じ。硬くはなく、結構気持ちがいい。
● 打音:「カシュ」という音に少しだけ金属音が交じるような感じ。めちゃ良い打音とは言えませんが、全然悪くない。

地面からも打ちましたが、ティアップして打つよりは少しだけ難しく感じますね。個人的には少しシャフトが動きすぎる感じがしました。僕はどちらかというと少し上から打ち込むタイプなので、そう感じたのかもしれません。

あまりターフを取らず、払うような打ち方の人には、このシャフトでも打ちやすいんじゃないでしょうか。ヘッドが低重心ってこともあって、ハーフトップ気味に当たっても、けっこう高さは出てくれますね。

見た目が結構シャープなので、難しそうと思ってしまう人もいるかもしれませんが、打ってみるとそこまで難しくないです。

(2)「PING TOUR 2.0 CHROMEクローム 85」で打ってみた

次に、少し重い「PING TOUR 2.0 CHROMEクローム 85」シャフトで打ってみました。こちらもフレックスはSです。

まずはティアップして打ちましたが、やはり「ALTA J CB BLACK」よりも弾道は低いです。球が上がりにくいわけではないですが、中高弾道という感じでしょうか。つかまりも少しだけ弱い感じがしました。

ただ球の強さはこちらの方が上で、僕が打った感じではこっちのほうが飛距離が少し出ていたように思います。狭いフェアウェイとかでもラインを出して打ちやすいんじゃないでしょうか。打感や打音に関してはあまり違いは感じませんでした。

地面からも打ちましたが、少し打ち込むタイプの僕は、やはりこっちのほうが打ちやすかった。ボールのコントロールもやりやすいですね。少しつかまえ気味に打ったり、逃したりということがやりやすい感じで、風が強い時には少し低めの弾道とかもやりやすいです(そんなに上手く打てませんが笑)。

ヘッドとの相性も、どちらかというとこのシャフトのほうがいいような気がしました。ただやはり地面から打つとなると、このシャフトの場合、しっかり振れないと難しいと思います。なので、ある程度のヘッドスピードが必要になりますね。

どんな人におすすめのクラブ?

この「i クロスオーバー」は普通のロングアイアンよりは優しくボールが上がって距離を出せますが、誰でも簡単に使えるというクラブではないと思います。本当に簡単に長い距離を打ちたいのなら「G430 ハイブリッド」のほうがおすすめ。

少しボールをコントロールしたいとか、ハイブリッドクラブではイメージが出ないという人には、このクラブのほうがいいんじゃないでしょうか。またヘッドスピードがかなり速い人だと、ハイブリッドクラブよりも扱いやすいだろうし、スチールシャフトにすると、かなりいろんな球が打ち分けられる1本になると思います。

ヘッドスピードが遅めの人には少し難しいクラブですが、シャフトを「ALTA J CB BLACK」にしたり、カチャカチャでロフトを増やすとかすれば、使えなくはないはずです。強い球が打てるし、飛距離もしっかり出るので、ティショット用と割り切って使うってのもありかもしれません。

とにかくカッコいいクラブなので、バッグに入れたいな~って気持ちになるし、これを打ちこなしたいって気持ちになっちゃうクラブです。

気になる人はぜひ一度、試打してみることをおすすめします。

野村タケオ

ゴルフバカイラストレーター、野村タケオ。京都府出身。
様々なゴルフ雑誌やウェブサイト等にイラストやイラストコラムを寄稿。
毎週水曜の22時からYouTubeライブで生放送「野村タケオゴルフバカTV!」を放送中。


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