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中島啓太のスイングは飛距離と方向性を両立!その秘訣はダウンスイング~フォローの左腕の使い方だった

一流プロのドライバーのマネどころ

2023/10/02 ゴルフサプリ編集部

中島啓太

2000年6月24日生まれ。埼玉県出身。2021年にはアマチュアとして「パナソニックオープン」で優勝して、2年連続でアマチュア世界一の称号を獲得。2022年秋にプロ転向すると、2023年は2勝をマークして、史上3番目のスピードで生涯獲得賞金1億円を突破。

日本男子ツアーで賞金ランキング1位を独走する中島啓太。アマチュア世界ランキング1位からプロに転向して約1年。日本ツアーのトップ選手に成長した中島啓太のスイングから学ぶところは?

GOLF TODAY本誌 No.616 12〜15ページより
構成・文/野中真一
撮影/相田克己 圓岡紀夫

「ライン出し」と「飛距離アップ」を融合したスイング

胸から左腕を離す動きでインパクトゾーンが長くなる

中島啓太,スイング連続写真

スイングの特徴としては力強さもあるけれど、方向性もいい現代風のアスリートスイングです。

飛距離と方向性を両立できるポイントは、ダウンスイングからフォローにかけての左腕の使い方にあります。中島選手のスイングを見ると切り返しでは左ワキが締まっていますが、ハーフウェイダウン(写真5)からインパクト(写真6)にかけて左腕が胸から離れて、フォロー(写真7)になると左腕が目標方向にしっかり伸びています。

左腕が胸から離れていくことによってヘッドが加速。ヘッドの入射角も浅くなるのでインパクトゾーンが長くなり、再現性の高いスイングになっています。左腕の使い方としては「ライン出し」に近い動きです。アマチュアは左ワキをフォローまでガチガチに締めてしまうので、スピードも上がらず窮屈なスイングになりがちです。

アマチュアは左ワキを締めるから窮屈なスイングに

そのコツとしては、体の動きを先行させすぎないこと。ハーフウェイダウンからフォロー(写真5〜7)にかけては体が正面に向けたままアームローテーションすることで、インパクトが安定します。特にスライスに悩んでいるアマチュアは体が先行しすぎて、腕が遅れてしまった結果、フェースが開いてしまうので注意しましょう。

体を回さないことで腕がスムーズに動く

中島啓太

ダウンスイングでは体を先に回しすぎず、胸がボール方向を向いた姿勢をキープすることによって腕をスムーズに動かせる。

左腕を外側に回すことで、ヘッドがストレートに

中島啓太

ハーフウェイダウンからフォローにかけては左腕を外側に回すことによって、ヘッドの動きがストレート軌道になる。

アドレスより手元が高いから、ヘッドが加速!ハンドアップしながら前傾角度はキープ!

ダウンスイングで腹筋がゆるむのはNG

中島啓太,スイング連続写真

昔からゴルフのレッスンでは「インパクトはアドレスの再現」という教えがありましたが、最新のスイング理論は少し違ってきていると言えます。中島選手のアドレスとインパクトを比較すると、インパクトでは明らかに手元の位置が高くなっています

アドレスの高さに手元を戻そうとすると、腕の通り道が狭くなってしまうので思い切ったアームローテーションができません。中島選手だけでなく、最近のPGAツアーで活躍している選手はハンドアップさせることによって腕の通り道にスペースを作り、腕を回しやすくしているのです。

ただし、アマチュアはインパクトで手元を高くしようとすると、上半身が伸び上がってしまい前傾角度が崩れやすい。手元は高くなっても、中島選手のインパクトのように前傾角度をキープしておくことが大切です。(写真8)

前傾角度をキープさせるポイントは腹筋です。中島選手はダウンスイング(写真5)以降に腹筋にしっかりと力を入れて、お腹が前に出ないようにしています。アマチュアは、ダウンスイングからインパクトにかけてお腹がドンドン前に出てしまうので、あおり打ちになりやすい。ダウンスイングからインパクトにかけては、腹筋をゆるめないようにしてください。

ヒザはほとんど曲がっていない

中島啓太

アマチュアにとって最高のお手本になるアドレス。リラックスした姿勢で背中はニュートラル。ヒザはわずかに曲げて、手元はアゴの真下にある。

手元はインサイドではなく、目標方向に

中島啓太

インパクトでは手元が高くなることによって、シャフトの角度も違ってくる。手元がインサイド方向ではなく、目標方向に動くことでボールを押せる。

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解説:石井 忍

石井 忍

1974年8月27日生まれ。98年にプロ転向し、現在はツアープロからジュニアゴルファーまで幅広く指導。自身が主宰する「エースゴルフクラブ」を千葉、神保町に展開する。

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