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西郷真央がスランプから復活できたのは、フェースコントロールではなく正しい姿勢だった【石井忍が解説】

一流プロのドライバーのマネどころ

2024/01/03 ゴルフサプリ編集部

西郷真央スイング画像

2001年10月8日生まれ。158センチ。2022年は前半戦だけで5勝を挙げる活躍を見せるも、後半戦は予選落ちが増えて大スランプ。今年の前半は苦しい試合が続いていたが8月からトップ3に入る試合が増えて、「伊藤園レディス」で復活優勝。島津製作所所属。

約1年半振りの復活優勝を飾った西郷真央。1年前の「LPGAリコーカップ」では最下位。4日間のトータルスコアが「+35」というどん底の状態だったが、スイング面では何が変わって復活できたのか?

GOLF TODAY本誌 No.619 12〜15ページより
構成・文/野中真一
撮影/相田克己 圓岡紀夫

1年前は「+35」のどん底!切り返しで軸が傾かなくなったことで、完全復活!

フェースコントロールではなく、姿勢でスランプ脱出!

西郷真央(写真1)~(写真11)スイング
軸を安定させるためにはトップ(写真5)で背骨が真っすぐになることがポイント。オーバースイングになるとをキープすることが難しくなる

強かった選手が急に勝てなくなってスランプになる。その「入り口」になりやすいのが軸の傾きです。西郷も昨年の後半は切り返しで体が右に倒れていたせいで、軸が傾いていたと思います。軸が傾くとあおり打ちになってフェースが開いてしまう。そのまま打つと右にスライスするのですが、それを嫌がってフェースを返すと左に飛ぶ。手打ちにもなりやすく、右にも左にも曲がってしまうのでスイングを崩してしまう選手が多いです。

西郷の最新スイングを見ると、トップからの切り返しで軸が真っすぐにキープできるようになっていました。頭の位置もほぼセンター。ダウンスイングでは右肩が高い位置にキープされていて、ヒザと腰が地面と平行に回っています。

アマチュアゴルファーは右肩が下がって右ヒザが低くなる人が多いので、両ヒザを同じ高さにして下半身を平行に回すことを意識してください。

ここまでスイングを戻すのに相当な努力と練習をしてきたと思いますが、復活できたのはフェースコントロールではなく、正しい姿勢で打つことで真っすぐ打てるようになったからです。アマチュアの皆さんも、フェースの向きを気にする前に、軸が真っすぐになっていることを意識してください。

右肩が下がらず、ヒザも腰もほぼ水平に回っている

西郷真央(写真6)スイング

【頭の位置・向きが変わっていない】

左足を踏み込んで、骨盤、胸、左腕という動きの順番を守れていれば効率の良いスイングとなり、姿勢が維持できる。

フェースはシャットで、体は開くのが理想!インパクトの前に腰は目標に向ける!

インパクトで腰がボールを向くのはNG!

西郷真央(写真1)~(写真10)スイング

軸が安定したことで方向性が安定しただけでなく、西郷は平均飛距離も245ヤードで上位に入っています。飛ばせる理由はインパクトの前に腰が目標方向を向くくらい回転できているからです。ダウンスイングで強く踏み込んで体を回せばインパクトの前に腰は目標方向を向くはずです。アマチュアは、インパクトで腰がボールを向く人が多いのですが、それは左足の踏み込みとフェースの向きに問題があるからです。

一見、体が開いているように見えますが、それでも真っすぐ飛ばせるのはフェースをシャットにしているからです。西郷はバックスイングでもフェースを閉じていて(写真2)、ハーフウェイダウンでもシャットフェース(写真5)

体を開いて、フェースがオープンだと右にプッシュしてしまいますが、体を開いてフェースがシャットになっていれば真っすぐに飛びます。最近の女子ツアーでは、このスイングがスタンダードになっています。

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西郷真央(写真5)スイング

ヘッドが腰の高さにあるタイミングで骨盤はボールではなく、目標を向いている

トップになる直前で左足を踏み込めているので、ハーフウェイダウンでは、腰が目標を向いている。

西郷真央(写真6)スイング

インパクトではややハンドアップにして、ヘッドを加速させる

インパクトの直前では手元がアドレスよりも高い位置を通ることで、ヘッドスピードを上げることができる。

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解説:石井 忍

石井 忍

1974年8月27日生まれ。98年にプロ転向し、現在はツアープロからジュニアゴルファーまで幅広く指導。自身が主宰する「エースゴルフクラブ」を千葉、神保町に展開する

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