絶対的に守らなければいけないこともない“前進4打”

アマチュアゴルファーの中には、ティーイングエリアに「前進4打」の看板があるとホッとする、という人も多いようです。例えば目の前に池や谷があり、自分の飛距離ではナイスショットで越えるかどうかという場合、ミスショットをしてもとりあえず前に進めますからね。

しかしその一方で、「前進4打にばかりに頼っていては、上達しないよ」という人がいるのも事実。確かに、上手くなるためには経験が必要です。失敗することによって得ることが多い、というのもよく分ります。「そうはいっても、前進4打の看板を無視するわけにはいかないし…」
ほとんどのゴルファーはそう思っているようですが、実は必ず守らなければいけないというものでもありません

それが証拠に、前進4打を表示する看板には、「ティショットがOBの場合、前方特設ティよりプレーイング4にてプレーすることが“できます”」と書かれてあります。「できます」ということは、「そうしてもいいよ」ということ。たまに、「(プレー)してください」と強制するような書き方をしている場合もありますが、ルール上は絶対に守らなければいけない、というわけではないのです。

プレーファストを実践していれば、打ち直しができる可能性も

ただこの前進4打が、そもそもプレーファストを促進するために生まれたものだということを考えると、全く無視するわけにもいかなくなってきます。

というのも、2019年のルール改正では「準備ができた人から打ちましょう」「ピンを挿したままパッティングしてもOK」「ボールの捜索時間は3分まで」など、プレーファストのための改正が数多く盛り込まれたからです。そんな中で「私は谷を越えるまで打ちたい」というのは、他のプレーヤーの共感を得られないかもしれません。

「ということは、やっぱり打ち直しはしてはいけないのか」
話がブレブレで申し訳ありませんが、結論をいうと「プレーファスト」を最優先するべきということになります。

前進4打同様、上昇志向の強いゴルファーからは、「ショートパットもOKではなく、最後まで打たせて欲しい」という声が聞こえてきますが、これもプレーファストを優先させるべき。「経験を積みたい」という気持ちは分かりますが、それがエチケット&マナーだと思ってください。

ただしゴルフ場が空いていて、しかも親しい仲間とのラウンドなら、他のプレーヤーの許しさえあれば「もう1回打たせて」(もちろん、OBになったときに限りますよ)や、「OKの距離だけど、打ってもいい?」というのはアリだと思います。

そういう許しをもらうためにも、常にプレーファストを心掛けましょう。アナタが迅速に動き、パーティーの先頭を歩くくらいプレーを先行させていれば、ティショットの打ち直しも、OKパットを打つことも快く認めてくれるはずです。

文・真鍋雅彦(まなべ・まさひこ)

1957年、大阪生まれ。日本大学芸術学部卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。
1986年に退社し、フリーライターとしてナンバー、週刊ベースボール、ラグビーマガジン、近代柔道などで執筆。

ゴルフは、1986年からALBAのライターとして制作に関わり、その後、週刊パーゴルフ、週刊ゴルフダイジェストなどでも執筆。現在はゴルフ雑誌、新聞などで記事を執筆するほか、ゴルフ書籍の制作にも携わっている。