NXグリーンはしっかりしているけど、ちょっと助けてくれる。
スピーダーNXシリーズはツアープロだけでなく、つかまえて飛ばしたいアマチュアに対しても真価を発揮してくれる強力な“サポーター”というイメージがある。対して、国内外の男子ツアープロの多くに選ばれるVENTUSシリーズは、男子プロのパワーをしっかりと受け止め、パフォーマンスを出し切らせるしっかり感(安定性)としなやかさを備えたシャフトとして、パワーのあるゴルファーが使うイメージだ。
だからこそ、若手男子プロ、長野泰雅(20歳)がNXグリーンを使っていることに興味が湧いた。長野泰雅は身長170cm、体重70kgと大柄なほうではない。だが、2023年のスタッツではドライビングディスタンス299.47ヤード(15位)、「ゴルフパートナー PRO-AM トーナメント 2023」の決勝ラウンドでは318ヤードを記録するような飛ばし屋だ。
長野以外にも男子プロでNXグリーンを使用する選手は何人か見たことがあるが、「男子プロの飛ばし屋といえばVENTUSなのでは?」というイメージが強い。NXグリーンを選んだ理由を長野に聞いてみた。
「スペックは7Xで、長さは45.25インチです。ヘッドはB-limited B1LSを使っています。NXグリーンを使っている理由……うーん。まず、VENTUSを試したんですけど、自分の打ち方だとあまり合わなかったんです。それでスピーダーを試してみたら、合うな、と。それで、もともとはNXブルーを使っていたんですが、NXグリーンを試したらNXブルーよりもしっかりしていて、けどちょと助けてくれる。NXブラックとも迷ったんですが、僕の打ち方にはNXグリーンが合っていますね」(長野)
とのこと。長野のスピード感のあるスイングに対しても、捻れることなくスムーズにクラブが走り、ほど良くシャフトが仕事をしてくれるところが気に入っているとのことだ。
この飛ばし屋・長野泰雅のシャフト選びに対して、令和の試打職人として知られる石井良介氏に見解を求めてみた。
「男子プロにとっても、ちょっと助けてくれるNXグリーンの性能はうれしいはずです。けど、男子プロの場合はNXブルーだと球がつかまりすぎたり、高く上がりすぎてしまうのではないでしょうか。NXシリーズの中ではNXグリーンが一番VENTUS寄りでしっかり感があって、方向安定性にも優れていると思いますし、NXブルーよりも球が強くなりやすいのではないでしょうか。それに、VENTUSとNXグリーンではシャフトのしなるポイントも違いますし、当然のことながら人によってタイミングの取りやすい・取りにくいポイントは違います。ですから、長野プロのように男子プロのパワーでもNXグリーンのしなるポイントがちょうどハマるということはあります」
この2人の話から分かったことは、例えば『パワーがあるならVENTUS』といったような固定観念は捨てたほうが良いということ。250ヤード飛ばせるアマチュアの中にも、NXシリーズを試したら『飛距離がもうひと伸びしてくれた』なんてことになるかもしれない。もちろん、その逆にパワーがないと認識しているゴルファーが『VENTUSにしたら安定してフェアウェイをキープできるようになった』ということも十分あり得る。
改めて、シャフト選びには固定観念を捨てて向き合うべきだということが、身に染みる話だった。余談だが、筆者もヘッドスピード40m/sながら、60g台のシャフトからNXブラックの『5X』に変えてみたら、速く振れるようになったおかげで、ボールがつかまるようになり、シャフトが仕事をしてくれる相乗効果で右へのミスが激減。『自分にはXなんてハードすぎる』『自分にはSやRはやわらかすぎる』といった思い込みを抑え込み、ちょっと冒険してみてはどうだろう。







